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【電脳遊戯史資料集】第10回 20周年を迎えた「ゼルダの伝説」シリーズ

1986年にディスクシステム用ソフトとして第一作目が発売されてから「ゼルダの伝説」シリーズが2006年2月21日で20周年を迎えます。謎解きを主体とするアクションRPGで、ゲーム史上最高とも言われる作品を排出してきました。今年にはゲームキューブで『The Legend of Zelda』が発売になる予定です。名即揃いのこのシリーズを第一作目から振り返ってみることにします。

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1986年にディスクシステム用ソフトとして第一作目が発売されてから「ゼルダの伝説」シリーズが2006年2月21日で20周年を迎えます。謎解きを主体とするアクションRPGで、ゲーム史上最高とも言われる作品を排出してきました。今年にはゲームキューブで『The Legend of Zelda』が発売になる予定です。名即揃いのこのシリーズを第一作目から振り返ってみることにします。

シリーズ作品

『ゼルダの伝説』(1986年2月21日発売:ファミリーコンピュータ・ディスクシステム)
ロールプレイングにアクションとアドベンチャーの要素を盛り込んだ意欲作。シリーズ第一作目ながら、世界中に点在するダンジョンをさまざまな武器や道具を使って攻略していく、というシリーズの特徴は完成されている。ファミコン向けに『ゼルダの伝説1』(1994年)、ゲームボーイアドバンス向けに『ファミコンミニ05 ゼルダの伝説1』(2004年)とリメイク・移植もされた。

『ゼルダの伝説2 リンクの冒険』(1987年1月14日発売:ファミリーコンピュータ・ディスクシステム)
前作 『ゼルダの伝説』の直接的な続編ではあるが、大きく趣を変えシリーズ唯一の横スクロールアクションとなって登場した。高い難易度、攻撃力・魔法力・レベルなどのステータスの存在を含めて、シリーズの中でも異色中の異色作となっている。こちらもゲームボーイアドバンス向けに『ファミコンミニ ディスクシステムセレクション リンクの冒険』(2004年)として移植された。

『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(1991年11月21日発売:スーパーファミコン)
スーパーファミコンにハードを移して作られた『神々のトライフォース』は、今でもシリーズ最高傑作に挙げるファンの多い作品。グラフィックや音楽の向上もさることながら、練られたシステムも好評である。ゲームボーイアドバンス向けに移植+追加要素+新作という形で『ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣』(2003年)が発売されているので、(画面比率が変更されていることが気にならないのであれば)今遊ぶならこちらがオススメ。

『ゼルダの伝説 夢をみる島』(1993年6月6日発売:ゲームボーイ)
コホリント島というなぞの島、風のさかな、タリンとマリンと舞台もキャラクターも一新したのがゲームボーイ『夢をみる島』。白黒でコンパクトなグラフィックながら、リチャード王子・カービィ・ワンワン等の任天堂キャラクターが所々に登場したりとさまざまな小ネタが散りばめられており飽きさせない。テンポ・シナリオの良さなどからゲームボーイの傑作として挙げるファンも多いのではないだろうか。ゲームボーイカラー向けに『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』(1998)として移植されている。こちらは白黒版の初期ロットにあったスクロールバグの改善や、カラー画面を生かした「服のダンジョン」や記念写真等の要素が追加されている。

『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(1998年11月21日発売:NINTENDO 64)
ハードが変わればゲームも変わる。NINTENDO64で登場した『時のオカリナ』はシリーズ初の3Dタイトル。「Z注目」システムの採用により、3Dゲームを苦手とするプレイヤーでも簡単に遊べるようにとの配慮がなされている。このシステムは後の多くの3Dアクションゲームに受け継がれている。 SECAゲーム大賞など多くの賞を授賞。 今なお名作ゲームの一つとして名高い。

『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(2000年*月*日発売:NINTENDO 64)
前作『時のオカリナ』の数ヶ月後の「タルミナ」という地におけるリンクの活躍を描いた本作は、「タルミナ」に月が落ちるまでの限定された3日間を繰り返しながら謎を解いていくという変わったシステムを採用している。登場するキャラクター達はその3日間を決まったスケジュールで行動し、そのキャラクター達にも様々なサブイベントも用意されている。特殊なアイテムとして様々な「仮面」が登場し、それをリンクがかぶることで姿や能力を大きく変化させる。

『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章』(2001年2月27日発売:ゲームボーイカラー)
『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章』(2001年2月27日発売:ゲームボーイカラー)
二作同時に発売された『ふしぎの木の実』は、「あいことば」を使った「リンクシステム」が大きな特徴。これによりシナリオやイベントの変化、アイテムの入手などで有利に冒険を進めることができる。『大地の章』はホロドラムと言う地を舞台に大地の巫女ディン、将軍ゴルゴン等のキャラクターが登場。「四季のロッド」という特殊なアイテムを用いて季節を変え、謎を解いていく。『時空の章』はラブレンヌと言う地を舞台に時の巫女ネール、司祭べラン等のキャラクターが登場。「時のたてごと」によって現在と過去を行き来しながら謎を解いていく。シリーズおなじみの「わらしべイベント」はもちろん、リンクをパワーアップさせる「指輪」を集める楽しみも。

『ゼルダの伝説 風のタクト』(2002年12月13日発売:ゲームキューブ)
『時のオカリナ』、『ムジュラの仮面』で確立された3Dアクションは更に洗練され、動かすことの楽しさ・気持ちよさを感じさせる作りとなった『風のタクト』。トゥーンレンダリングによって表現されたグラッフィックはゼルダの世界にマッチするものであったが、変更されたキャラクターデザイン・また本作のキモでもあった海原の移動は一部のファンには不評をかった。ゲームボーイアドバンスとGBAケーブルを用意することで連携による協力プレイも可能になっている。 また本作の予約特典として『時のオカリナ』のゲームキューブ移植版ディスクが配布された。これには「裏ゼルダ」と呼ばれる高難度バージョンが含まれる。

『ゼルダの伝説 4つの剣+』(2004年3月18日発売:ゲームキューブ)
ゲームボーイアドバンス『神々のトライフォース&4つの剣』に収録される『4つの剣』を発展させた作品。ゲームキューブとゲームボーイアドバンスを連動させるという、任天堂が提唱してきた「コネクティビティ」タイトルの一つ。2Dゼルダの新作と言っても過言ではない「ハイラルアドベンチャー」、パーティーゲームの趣のある「シャドウバトル」、「ナビトラッカーズ」といったゲームモードが用意されている。

『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』(2004年11月4日発売:ゲームボーイアドバンス)
タイトルにもなっている「ふしぎのぼうし“エゼロ”」をパートナーとし、新たなリンクの活躍を描く。舞台はハイラルだがやはり今までの作品とは別の世界だと考えられる。本作の大きな特徴は、そのぼうしの能力によってリンクが小さくなれるということ。小さな世界こそが本作のテーマでもあり、小さくなることで世界中にいる妖精「ピッコル」との交流が行えたり、小さいまま攻略するダンジョンもある。「しあわせのかけら」というアイテムをキャラクターたちと組み合わせることにより、世界に変化が起こったり、アイテムを得たりできる。また「フィギュア」の収集という要素も。

『The Legend of Zelda: Twilight Princess』(2006年発売予定:ゲームキューブ)
そして今年発売が予定されている『Twilight Princess』は『風のタクト』から大きくイメージを変え、大人のリンクをリアルな映像表現で描いたものとなる。本作は『時のオカリナ』の数年〜数十年後の世界とされるが、リンクは『時のオカリナ』とは別のキャラクターという話ある。闇の世界「トワイライト」、狼に変身するリンク、 騎馬戦、ゼルダ姫など、すでに断片的な要素が発表されている。ゲームキューブユーザーにとって2006年もっとも期待するタイトルであることは間違いないだろう。

『ゼルダの伝説』(発売日未定:ニンテンドーDS)
青沼氏のインタビューなどによればニンテンドーDSでも『ゼルダの伝説』は開発されているようです。どうやら「4つの剣」では無いようですが、詳細は不明です。

リンク出演作品

『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』(1999年1月21日:NINTENDO 64)
任天堂の人気キャラが勢揃いしたスマブラに、もちろんリンクも登場しています。リンクはマスターソードやフックショットなどリーチが長くて威力の強い武器が特徴になっています。その反面、走行や跳躍など、運動性能は低くなっています。リンクのバトルフィールドとしてはハイラル城が用意されています。

『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(2001年11月21日発売:ゲームキューブ)
前作に引き続きスマブラDXでもリンクが活躍しました。ソードや弓矢や爆弾を使ったアクションで楽しませてくれました。リンクのデザインはN64版をベースに、シリーズ全体から作り上げたものだそうです。スマブラDXにはリンクだけでなく、ゼルダ姫やガノンドロフ更にはこどもリンクも登場します。ゼルダ姫はシークに変身します。チンクルもこっそりと登場します(使用可能キャラではありませんが)。

『ソウルキャリバーII』(2003年3月27日発売:ゲームキューブ、ナムコ)
ゲームキューブ、プレイステーション2、Xboxで発売された『ソウルキャリバーII』のGC版には任天堂とナムコのコラボレーションでゲストキャラとしてリンクが参戦しました。そのお陰で世界的にGC版はPS2版と同等のセールスを達成しました。登場したリンクはスマブラDXのような大人のリンクで、マスターソードや爆弾やフックショットなど多彩な武器を使って戦いを挑みます。

『チンクルRPG』(2006年発売予定:ニンテンドーDS)
ここで紹介して良いものなのか判断に苦しみますが、ゼルダシリーズに登場してきたチンクルが主役のRPGがニンテンドーDSで開発されています。どのような内容になるのかは不明です。画面写真が一枚だけ公開されています。こちら

このように「ゼルダの伝説」シリーズは多数の作品が発売され、私達を楽しませてくれました。今後もニンテンドーDSやレボリューションで発売される新作がどんな新しい体験を提供してくれるのか非常に期待されます。秋に発売されると言われている『The Legend of Zelda: Twilight Princess』も、風のタクトとは変わって大人の雰囲気のリンクがどんな冒険を見せてくれるのか今から楽しみです。
《土本学》
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