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【TGS2007】世界中でゲームを販売でき可能性を持ったノキアのN-Gageの可能性!

【講演者プロフィール】

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【TGS2007】世界中でゲームを販売でき可能性を持ったノキアのN-Gageの可能性!
  • 【TGS2007】世界中でゲームを販売でき可能性を持ったノキアのN-Gageの可能性!
【講演者プロフィール】
Nokia N-Gage Head of Global Publisher and Industry Marketing
Nick Malaperiman氏


■大きな可能性を持っている携帯電話のゲーム市場

日本でこそそれほど目立った会社ではないが、世界を代表する携帯電話端末の会社である「ノキア」。そのノキアが、東京ゲームショウ2007のTGSフォーラムで「次世代のモバイルゲームとは」と題して基調講演を行った。講演は、ノキアのマーケティングマネージャー、Nick Malaperiman氏。

最初に紹介されたのは、世界中で5万人もの人を対象にした携帯電話の現状に関するレポートだ。日本でも同様の流れを感じるが、携帯電話を使っている75パーセントもの人が、デジタルカメラや音楽プレイヤー、ゲーム、そしてインターネットブラウザーなどの機能を持った電話を求めているという。そのようなユーザーは、ゲームも非常に積極的に楽しんでいると紹介され、それを裏付けるデータも公開された。

・S60(ノキア端末)にプリインストールされたゲームを、85パーセントのユーザーが楽しんでいる
・上記の85パーセントの人中の54パーセントの人が、1週間に数回ゲームを遊んでいる
・64パーセントの人は、ゲームを自分からインストールしている

非常に好調に思えるノキア端末のゲームだが、実はまだまだ未成熟だという。その証拠として、「ユーザーの5パーセントしかゲームを買っていない」、「2.5パーセントしか、リピートがいない」というのだ。しかし、ユーザーのゲームに対する期待は高く、50パーセントのユーザーが、ゲームを買いたいと願っているのだという。

■ユーザーの要望を実現させた理想的端末である『N-Gage』

では、携帯電話のユーザーはどのようなゲームを望んでいるのだろうか? Nick Malaperiman氏、そこに「ソーシャルゲーミング」が大きく関わっているのだという。ソーシャルゲーミングとは、ゲームが人と人をつなぎ、その関係のなかでゲームがステータスシンボルとなり、よりハイエンドのゲームを求めるようになるというもの。このようなソーシャルゲーミングを楽しんでいる人たちが、ゲーム遊ばない人を含めた携帯電話端末のユーザーの4分の1を占めているのだというのだ。

また、このソーシャルゲーミングを求める人たちは、高性能な端末を所有し、技術の進歩に敏感であり、ゲームにも積極的だという。ハイエンドの端末のユーザーは、
77パーセントが、毎日インターネットアクセス
56パーセントが、音楽のダウンロードサービスを利用している
39パーセントが、1日2時間以上ゲームを遊んでいる
31パーセントが、すべてをひとつの端末でまかないたいと思っている
という結果がでていると紹介。そしてこれらの希望に沿う形で開発されているのが、『N-Gage』なのだというのだ。

■『N-Gage』の残す課題は優秀なソフトを開発するメーカーか!?

日本を除く多くの国で、高機能な『N-Gage』端末は発売されており、購入者に関するデータも揃っているという。

そして、『N-Gage』の特徴は、端末の種類が数多くあっても、ゲーム開発に必要なスキルは統一されており、開発機材も揃っていると点だという。開発はC++で行われ、ゲーム専用機からの移植もスムーズに進められるという。また、開発にもそれほどコストがかからないのも特徴といえるのだ。販売チャンネルは、2007年11月15日にオープンされるオンラインショッピングストアである、「ノキアストア」を利用。他にも既存のネットサービスのチャンネルも利用できる予定だという。

また、『N-Gage』のサービスは、すでに世界規模で販売されている携帯電話を端末にしているため、コンソール端末にない特徴を持っている。それが下記の要素だ。

・グローバル展開が可能
・購入はンラインで、クレジットカードの利用も可能
・23ヵ国で課金が可能
・ヨーロッパ各国、オーストラリア、インド、シンガポールなどで、サービスを現地化していく

ノキアでは、すでに多くのゲーム会社とコンタクトをとっており、開発環境の構築も進んでいるという。日本でもゲームを販売している、主な企業は

・カプコン
・スクウェアエニックス
・コナミ
・エレクトロニック・アーツ
・セガ
・元気
・バンダイナムコゲームス
・Qエンターテイメント
・ハドソン

などが、あげられた。開発環境の充実だけでなく、デベロッパーサポート環境も整えており、開発の環境も充実しているという。

東京ゲームショウでは、一般ブースこそなく注目度も低いノキアだが、世界規模では、数多くの端末を販売している企業でもある。端末の普及、ゲーム開発の環境の構築に成功し、残すはゲーム開発会社の取り込みといったところだろうか。ひとつの端末のみのゲーム開発で、ワールドワイドな環境でのサービスが可能となるのは大きなアドバンテージだが、日本製ゲームの人気の高い日本での発売でのサービスが未定という点など、越えなければならないハードルも存在している。これからの、ノキアと日本メーカーの動向に注目したいところだ。
《内田幸二》
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