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サンバにも参加!? 「ノリノリ運営」がつくるゲーム世界 ガンホーNIGHT!!レポート(下)

レコード会社や映画配給会社を経てセガに入社、セガサターンの宣伝広報で活躍し、エンタテイメント業界を渡り歩いてきたNHN Japanの黒川文雄氏が企画運営する「黒川塾」。その第3回目は「ガンホー(突撃)NIGHT!!」として開催されました。

ゲームビジネス その他
出演者 左から山本氏、飯田氏、森下氏、田中氏、黒川氏
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レコード会社や映画配給会社を経てセガに入社、セガサターンの宣伝広報で活躍し、エンタテイメント業界を渡り歩いてきたNHN Japanの黒川文雄氏が企画運営する「黒川塾」。その第3回目は「ガンホー(突撃)NIGHT!!」として開催されました。

話題は「パズドラ」の運営のフットワークの軽さに移りました。「パズドラ」では現在、大人気スマートフォンゲーム「ぐんまのやぼう」とのコラボレーションを実施中ですが、「ぐんまのやぼう」のファンであった飯田氏はこのコラボレーションの実現の過程について質問を投げかけました。

山本氏は「ぐんまのやぼう」の開発者であるラッキーゲームズとイベントで出会い、意気投合して何かやろうと思い、軽い気持ちで始めたといいます。9月に打ち合わせを行ない、10月の上旬にイベントを実施という極めてスピーディーな展開だったといいます。また「パズドラ」はスクウェア・エニックスの「クリスタル・ディフェンダーズ」とコラボレーションのCMを行なうことも決定しています。このコラボレーションも山本氏が個人的に「クリスタル・ディフェンダーズ」が大好きであったことから実現しているといいます。

このように運営に関して、ガンホーでは現場の裁量が大きいことを森下氏は強調しました。「パズドラ」に関しては、基本的に山本氏に任せ、ノリノリで運営していくことの重要性が述べられました。また時には失敗することもあるが、失敗したときはお客さんに誠実に謝罪をすることも重要だといいます。

またオンラインゲーム特有の「ノリノリな運営」を行なっていくための社内の雰囲気作りについても触れられました。10周年を迎えるガンホーでは、今年の浅草サンバカーニバルに会社として参加、毎日仕事が終わった後、地下でサンバの練習を行なってきたといいます。8月25日の浅草サンバカーニバルでは、森下社長と山本氏も着ぐるみを着て参加、顧問の田中弘道氏はカメラ係をするなど、尋常ならざる意欲を持ってイベントを行ったといいます。

この浅草サンバカーニバルへの参加は、創業時から考えていた企画だと森下氏は述べています。プロモーションの意味や社内の雰囲気作りなどといった目的以上に、単に楽しいからやりたかっただけだと振り返る森下氏。その様子を横目で見ながら、元スクウェアの田中氏は「旧スクウェア時代、FF5を作っていた時の雰囲気に近い」と感想を述べています。

飯田氏は、このような「ノリノリな運営」というガンホーの姿勢から、オンラインゲームでは運営側の楽しさがユーザーに伝わっているのではないかと指摘しました。これまでのゲームのプロモーションは、広告代理店などによって演出されて作られるものでした。しかしながら、ユーザーとクリエイターの距離感が近いこれからの時代には、作り手や運営側の楽しさをダイレクトに伝わるのかもしれないと指摘した上、「本当に面白いサンバを踊れる運営が、楽しいコンテンツを作るのではないか」と飯田氏は述べています。

トークショーの最後は、新しいエンタテイメントを考えるというイベントの趣旨に立ち戻り、それぞれのゲストスピーカーから、これからエンタテイメント業界を目指す人々へのメッセージが述べられました

ガンホーの山本氏は、ソーシャルゲームがゲームのユーザーを拡大していることには感謝している一方、同じようなゲームが乱立する状況を危惧しているといいます。山本氏はゲーム業界を天職だと考えているため、今後何十年もゲーム業界で働いていくために、本当に面白いゲームを作ることの重要さを強調しました。

目下、LINE Game向けのタイトル「イージーダイバー」を開発中の飯田氏は、初日に500万ダウンロードを達成するという意気込みを語りました。オンラインゲームのマネタイズの方法について経験がなく悩んでいた飯田氏は、「パズドラ」を成功させた山本氏の姿勢に感銘を受け、KPIなどの指標にとらわれることなく面白いものを目指すと抱負を述べました。

ガンホーに移り、企画を構想中の田中弘道氏は、新たなスタッフと共に仕事をすることの楽しさを述べました。いろんな可能性がある中、オンラインゲームの未来を長く見据えたものを作っていくことで、ゲーム業界全体に貢献したいといいます。さらに自身の企画だけではなく、後進の若手クリエイターの手助けも行なっていきたいと述べられました。

最後にガンホーの代表取締役の森下氏は、ゲーム開発や運営に正解はないとしながらも、それが逆にゲーム業界の面白さだと述べます。現在は仕事が楽しくて楽しくてしょうがなく、売上が高いかどうかよりも常にお客さんの評価を大切にしているそうです。さらにエグゼクティブプロデューサーという立場からは、「パズドラ」をヒットさせた山本大介氏のような若い才能を見出していきたい述べられました。

トークショーの後、会場からの質疑応答と交流会が行われました。ワンドリンク付きで3000円という気軽なイベントということも手伝って、第三回目の黒川塾も堅苦しくない和気あいあいとしたイベントでした。当日のトークショーはニコニコ生放送で中継され、視聴者からの「ガンホーにはサンバ採用枠はないんですか?」というコメントに対して、森下社長が「えー我々は基本的にはゲームを作っている会社なので…」という真面目な回答を行なうシュールな場面も見られました。
《今井晋》
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