まずはソフトの発売遅延の件についてですが、「『ピクミン3』の他にもソフトの発売が遅延するというリスクを感じている」という投資家の意見に対して、タイトルが順調に仕上がらなかった背景には、ハードを発売し、同時発売するソフトを仕上げるために、「いろいろなチームから人を借り集めて動かした」ためであり、これは『ピクミン3』を始めとしたソフト開発者にすれば、「チームの人手をしばらく取られていた」状況だったと岩田社長は説明します。
そして、単純に「(ソフト開発の中で)ここが苦労しているから」ということではなく、F2Pや単価の安いソフトが出回る中、「50ドル、60ドルで買っていただくソフトはお客様に満足していただける水準が上がっていって、つくるのがますます大変になっている。物理的にこれだけは絶対必要だというエネルギーを、今まで以上に多く使う必要があり、世界中でたくさんの数を売らなければ簡単には採算がとれなくなってきていますので、ソフト作りというのは昔に比べると採算性が悪くなっていると言ってもよいと思います」とハードルの高さをあげました。
その一方で、売れるものは以前よりも売れるようになっており、そのようなソフトを作れば、今でも非常に収益性の高いビジネスなり得るとし、世界中で数百万本以上売れて、それでも採算が取れないというわけではないため、岩田社長は「任天堂は、世界中でそのような形で売れていくソフトをしっかりつくっていく」と、中途半端なソフトを出すよりも、ユーザーに満足してもらえることを、第一に考えた開発形態をとっているようです。
また、Wii Uの性能についても質問され、「Wii Uは性能が低い」という意見を認めつつ、「アーキテクチャーが違うから、他機種と同じようにやっても性能が出ないだけで、きちんとやれば性能が出るよ」という意見も紹介し、そういう情報が今、錯そうしている状態だと言います。
そんな状況を岩地社長は、「その意味では、任天堂自身がそのような誤解を解くためにもっと努力をしなければならないと思います。ソフトメーカーさんの中には積極的にサポートしてくださるところもあれば、そうでもないところもあるというのが現実ですので、積極的にサポートしてくださるところの中から成功例をしっかり出すことで、結果としてやっぱりWii U向けに開発しておいてよかったという状況にしていくことだと思います」という、今のWii Uが抱える課題に取り組んでいくようです。
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