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ゲームと映画から考える海外と日本の感性の違いとは・・・黒川塾(19)

6月26日、ゲーム業界の恒例イベントである黒川塾が開催されました。第19回目のテーマは「ゲームと映画の創造性と、その未来へ」です。同じエンターテイメント産業として発展してきたビデオゲームと映画ですが、それぞれの世界の共通点と相違点はどこにあるのでしょうか。

ゲームビジネス 開発
ゲームと映画から考える海外と日本の感性の違いとは・・・黒川塾(19)
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  • 西部劇の世界を描いた『レッド・デッド・リデンプション』
  • 須田氏の新作『LET IT DIE』
さらに高橋氏は映像への意識の違いが、西洋と東洋の文化から生まれているのではないかという議論を紹介しました。一般に西洋美術と東洋美術の違いは、影を重視するのか、輪郭を重視するのかといった点で説明されます。こういった議論が通俗的なものであると認めつつも、実際に日本で育つクリエイターには輪郭によって描く漫画の影響が強く、アメリカで育つクリエイターは影を描写するアメコミ等の影響が強いのではないかと、高橋氏は指摘しました。

アメコミの巨匠であるフランク・ミラーなどの作家には、日本の劇画の影響もあるため、それらの分類はそれほど単純ではないと高橋氏は補足します。しかしながら、ライティングやカラーリングの趣味嗜好の多くは、やはり文化から作られているのではないかと指摘されました。

一方、日本で生まれ育ったクリエイターである須田氏も、自身の背景に永井豪などの日本の漫画の影響があることを認めています。しかしながら、いつも独特な表現を目指しており、そこではジャンルにとらわれず、ゲーム、映画、漫画、プロレス、ロック、アイドルというものが並列して存在しているそうです。

千葉氏は映画プロデューサーとして非常に個性が強い日本の監督と仕事をしてきました。彼らを北米向けに売り出すために、千葉氏は過激なアクション、バイオレンス、ホラーといった要素を全面に打ち出してきました。世界のトレンドに合わせるのではなく、海外の日本好きが好きな要素を過剰に取り入れ、それを「スシタイフーン」という映画レーベルにパッケージング。「日本オリジナルものを外人に売りつける」という姿勢で取り組んできたそうです。

映画プロデューサーの千葉善紀氏


そのような千葉氏の活動をゲーム業界の中で真っ先に評価したのが須田氏。千葉氏にとっては、アクが強い世界観で海外での人気が高い須田氏は、自身と同じく「日本オリジナルものを外人に売りつける」ように映ったそうです。意気投合した二人は、ぜひとも一緒にゲームを作りたいと展望を述べています。

■洋画劇場からゴアスプラッターまで多様なコンテンツと才能を求めて
《今井晋》
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