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『零 ~濡鴉ノ巫女~』メディアミックス発表会レポート、宮本茂氏などの各ゲストコメントも掲載

7月17日、ラフォーレミュージアム六本木において、『零』シリーズの最新作である『零 ~濡鴉ノ巫女~』と小説・映画・コミックスなどのメディアミックス発表会が行われました。

任天堂 Wii U
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7月17日、ラフォーレミュージアム六本木において、『零』シリーズの最新作である『零 ~濡鴉ノ巫女~』と小説・映画・コミックスなどのメディアミックス発表会が行われました。

来賓には、KADOKAWAの角川歴彦氏と井上伸一郎氏、言わずと知れた任天堂の宮本茂氏、漫画原作他多彩な顔を持つ樹林伸氏を迎え、また、スペシャルゲストとして「劇場版 零~ゼロ~」から監督の安里麻里氏、キャストの中条あやみさんと森川葵さんが登場。そしてコーエーテクモからは襟川恵子会長と襟川陽一社長、プロデューサーの菊池啓介氏が『零』への想いを語りました。




◆最新作『零 ~濡鴉ノ巫女~』とは


人気和風ホラーゲームである『零』。その最新作である『零 ~濡鴉ノ巫女~』での舞台は、自ら死を選んだ者が訪れる「日上山(ひかみやま)」。日本家屋などの探索が主軸であった従来のシリーズと違い、山中などの開けた空間を探索する事になります。つまり、肝試し的な怖さがあるのです。画面は後方視点のフロントビューを採用。主人公に振りかかる災難を余す事なく見られます。
今年の晩夏、あなたは主人公の目を通して、そこで繰り広げられる恐怖を余さず体験する事でしょう。


今作の主人公
本作の主人公は、「影見」という特殊な力を持つ「不来方 夕莉」(こずかた ゆうり)。

「影見」とは日上山近辺に伝わる特殊な力で、神隠しに遭い、この世ではない場所に捕らわれて見えなくなった者を現世に引き戻す事ができるというもの。そんな不思議な力を持つ彼女が、人捜しの依頼を受けて「死の山」で見る光景とはなんでしょうか?

ゲームの特徴
多くのコアなファンを抱える同シリーズは、他のホラーゲームにない大きな特徴を備えています。それは「射影機」と呼ばれる、浮遊霊や怨霊といった「ありえないもの」を写しだすカメラの存在。これは撮影する事で攻撃や攻略のヒントを得られる「武器」でもあります。また、効率的なプレイを目指すなら「ありえないもの」と近いほど撮影の効果は大きくなるため、「向かい来る敵から逃げない」という恐怖心を味わうのも『零』の醍醐味。最新作も当然「射影機」で怨霊に立ち向かいます。

今作における射影機
今作では、Wii U GamePadを構えるというアクションがそのまま射影機を構える事になります。ある時は下、またある時は後ろから、そして肩越しに天井から誰かがぶら下がっているかも知れません。Wii U GamePadを構えて振り向いた時、そこに「ありえないもの」の顔があったら……これにより、今までにない、より臨場感のある恐怖を楽しめるのです。
これ、考えてみるとかなり怖いですよ……電気を消したりカーテンを下ろしたりした室内でのプレイでは、自分の生活空間に怨霊が現れたかのように感じるのではないでしょうか?



◆関係各者の熱い想い


それでは、イベントで登壇された方々の言葉をお届けします。



コーエーテクモ襟川恵子会長
『零』は、ハリウッドも巻き込む大型メディアミックスになりました。これはひとえに、任天堂様の岩田社長が『零』を気に入ってくださった、そして、共同開発に漕ぎ着けたというところが切っ掛けでございます。岩田社長はここにお立ちになる事を楽しみにしておられましたが、病後の療養中との事で、大事を取ってご欠席されています。
『零』(『フェイタルフレーム』)は、ハリウッド映画化に際しても数社からオファーがありましたが、私はAMD(デジタルメディア協会)の理事長でありまして、クールジャパン構想、日本のコンテンツを世界に広めていく中で、AMDの副理事でもある角川歴彦さんに「まずは日本で映画を作りたい」とお声掛けしたところご快諾いただきました。
小説は「多重人格探偵サイコ」でも有名な大塚英志先生に、コミックスはマンガボックスで編集長を務める「金田一少年の事件簿」や「神の雫」で有名な樹林伸先生がこのテーマを気に入ってくださいました。
ゲーム本編の主題歌には、現役女子高生のAnJuさんを起用したのですが、今イベントには学校の規則で来られないとの事です。また、ハリウッドからは、実業家であり映画プロデューサーでもあるサミュエル・ハディダ様の「最も怖いムービーを作ります」という想いを込めたビデオレターが届いています。
……私、学生時代には変な迷信を信じていまして、一人でトイレに行けなかったんです。だからいつも2、3人と一緒に行っていました。迷信とは「赤い手に青い手、開けてください三番目」という歌がありまして、三番目の個室に幽霊が出るというもの。だから友達に待ってもらって、「私がキャーと言ったらドアを開けてね」と頼んでいましたね。

本当に著名なクリエイターの方々が、個性豊かな表現を展開してコラボレーションしてくださる事になりましたので、みなさま是非、この『零』にご期待いただければ幸いでございます。



任天堂専務取締役 宮本茂氏
岩田は元気にしております!
襟川会長にも「キャー」なんて声を挙げる時代があったんだなあという気持ちなんですが、私も怖いのあまり好きじゃないんですよ。作った中で一番怖いのが『ルイージマンション2』くらい。
しかしこの『零』はWii Uの画像を上手く活かして、本当に怖いものに仕上がっています。今までのシリーズで一番怖いんじゃないでしょうか。

Wii U なんですが、リビングで使ってもらえるいい機会ができたと思っていまして、それを信じて開発を続けています。ただ、「名前は聞いた事があるけれどよく知らない」という側面があるのは事実。ですから、GamePadをリビングで使う感覚を知ってもらい「他に替りのないゲーム機なんだ」という事をご理解いただくための活動に取り組んでいます。
E3でもGamePadを如何に使うかというゲームをたくさんお見せしたり、それを快適に使ってもらえるためのバージョンの更新をしたりという事をPRしました。是非とも一度触っていただければWii Uの魅力も分かってもらえるのではないでしょうか。今回の『零』の、Wii U GamePadをカメラの様にして使う遊び方は、サブではなくメイン、目玉です。Wii Uでしか遊べないこのシリーズを大いに楽しんでください。

今回のメディアミックスは、映画・小説・コミックス、次にハリウッドという事で、非常に珍しい機会をいただきまして、一緒に取り組んでいます。この取り組みによって、少しでも幅広い人達にゲームを見てもらう機会が出てきて、そしてWii Uのジャンルも少しずつ広がっていく事ができればと思いますので、みなさま今後とも宜しくお願いいたします。



マンガボックス編集長 樹林伸氏
この話は、個人的にも親しい襟川会長からいただいた話でした。
最初はホラーゲームという事でどういう形でやっていくか分からず、とりあえず前作をプレイしたらどはまりしてしまいまして(笑) これはもう引き受けるしかないと。
タイミングよく先日500万DLを達成したマンガボックスの編集長をやり始めたところでしたので、そこでの連載はどうだと襟川会長に打診したところ、それはいいじゃないかと言っていただきました。
やるからには最高レベルの漫画家をつけたいと考え、選んだのがhakus。新人ですが、優れたイメージの画を描ける若い男性作家です。そして原作には、僕にとって一番大切な名前である「天樹征丸」を使って、連載させていただこうと思っています。
マンガボックスは今イケイケなんで、新しく面白い連載ができるんじゃないかと。紙ではできない新しい試みも色々できますので、それを活用しながらの連載となるでしょう。是非、ゲーム、映画、小説と合わせて、マンガボックスの「零 影巫女(ぜろ かげみこ)」を宜しくお願いたします。




コーエーテクモ菊池啓介プロデューサー


本作のタイトルは、『零 ~濡鴉ノ巫女~』。
『零』シリーズでは、キーカラーとテーマを合わせてサブタイトルを付けていまして、今回のキーカラーは「濡鴉(ぬれがらす)」色。濡れ羽色とも言われる色ですが、これは日本女性の美しい黒髪を形容する言葉で、黒が光を反射して、青や緑に映る事を言います。しかし、今作の「濡鴉ノ巫女」は恐怖の象徴。まだ詳しくは言えませんが、「濡鴉ノ巫女」の秘密を追っていく話となっています。
『零』シリーズは、「怖いモノ見たさに着眼し、世界で一番怖いゲームを作ろう」と2001年以来13年間に渡って作ってきました。みなさんの一番怖いものはなんでしょうか? 私は人間の想像した事が一番怖いと考えています。そこで、『零』シリーズのコンセプトには「想像力に訴えかける怖さ」を選びました。人は見難いものがあれば姿形を想像し、聞きにくい事があれば耳をそば立てながらも想像で補いますよね? これを利用して、三つの要素でシリーズを構成しています。
一つめは日本家屋。縁の下や屋根裏、障子の向こうなど、何もなくても怖そうな空間が舞台です。二つめは、敵が怨霊だという事。壁の中から出てきたり天井から出てきたりという驚きもありますが、幽霊になったそれぞれのバックボーンが怖さを引き立てます。三つめが射影機。怖いモノに目を向けて、それを撮影しないと倒せないというジレンマにも似た部分が怖さを引き立てます。
さらに、今作ではWii Uで二つの怖さを表現しました。一つは和風ホラーを凝縮させた世界で、水を中心にした怖さを演出。山中の水が溢れているところを体験してもらう事になります。もう一つが、Wii U GamePadを構えての写真撮影。これで体感的な怖さを提供いたします。

冒険の舞台ですが、今回の恐怖の舞台は、死に誘われる山、日上山。

頂上に大きな湖があり、そこを水源として山全体を水が覆っています。ここは所々にお社やお墓がある神聖な場所であり、「自ら死を選んだものだけが訪れる死の山」とも言われる場所。山に入れるのは現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)が曖昧になる逢魔が時で、プレイヤーは水の流れる山を探索して謎を解いていきます。従来のシリーズだと比較的日本家屋内の探索が主でしたが、今作はオープンエリアが多く、心霊スポットでの肝試し的な怖さを味わえます。


本作の主人公は、「影見」の力を持つ不来方夕莉。

夕莉は、神隠しに遭った人の人捜しの依頼を受け、日上山を訪れる事になります。彼女は幼い頃から、物に触るとその秘密を見る事ができる力を持っていたため孤独に苛まれるのですが、孤独の中で過去に死を覚悟した事のある夕莉がこの山に挑みます。
射影機はWii U GamePadで操作。縦にしたり横にしたり見渡したりして写り込んだ霊を撮影する事で、倒したり浮かび上がらせたりする。そんな体感的な恐怖をご用意いたしました。

シリーズ最大のボリュームを持つ当作は、過去にまつわる因縁であるとか、さまざまな人間ドラマ、禁断の儀式を多く盛り込みました。和風ホラーの集大成として仕上げ、新しい試みにも挑戦していますので、どうぞみなさまご期待ください。



◆主題歌は現役女子高生AnJu



主題歌「HIGANBANA」を歌うのは、今年の秋にデビューが予定されている現役女子高生であるAnJu。現役女子高生という以外、詳しいプロフィールが公開されていません。シンガーソングライターである彼女からもコメントが寄せられていました。
「曲のテーマとして生と死の狭間」を示された彼女は、「非日常的なテーマを表現しよう」と考えたそう。作曲のためにピアノに向かっている内に、「三年前に亡くなった祖父の墓へ続く道にあった彼岸花を思い出し、これを主題にして歌詞を紡ぎました」との事。また、、「彼岸花の花言葉には情熱、再会、思うはあなた一人、又会う日を楽しみに、といった意味もあり、曲中の主人公の気持ち、月明かりに照らされた幻想的な光景など、ゲームを終えた余韻の中で、みなさまの心に何か残るものがあれば幸いです」と結びました。これまでのシリーズとは違いますが、涼やかな声質の歌声でした。なお、楽曲に関する情報はまだ他にもあるそうなので、これからの発表にも期待しましょう。
ゲームの発売日は2014年9月27日を予定、「HIGANBANA」は9月24日先行配信、10月8日リリース予定となっています。



◆『零』の角川映画化に際して


「角川グループの総力を挙げて応援したいと考えております。角川としては、小説と映画について、全力を尽くしてまいりたいと思っております」そう語ったのは、角川歴彦取締役会長。

井上伸一郎取締役専務は「一年前に角川会長から、零の新作が出るからそのホラー映画を作ろうという提案を受けました。映画とゲームって制作のペースが違うため、一緒の時期に公開と発売が重なる事は難しいんです。コーエー・任天堂様に協力していただいて、本当に同時期での公開と発売が重なりました。こうする事で、大きなメディアミックスの効果が発揮できるものと確信しています」と語りました。

また、「映画は大塚英志氏の書き下ろしで、映画の中に大塚さんの「黒鷺死体宅配便」のキャラクターが出てきます」との事。メディアミックスならではの展開が期待されます。
映画は山の中のミッション系女子校を舞台にしており、ゲームと同様、水を随所に使用して恐怖を煽ります。「クラス全員が美少女」というファンタジックな中で、どのような恐ろしい物語が展開されるのでしょうか。全国ロードショーとなる9月26日が待ち遠しいですね。






◆「女の子だけがかかる呪いがある、私はそれにかかっている」


「零 ~ゼロ~ 女の子だけがかかる呪い」を原作とした映画「零~ZERO~」。会場に現れたのは、監督の安里麻里氏、そして主演の二人である中条あやみさんと森川葵さんがトークセッションに参加しました。

安里麻里氏は、「今作では十代の女の子達が多く出てきます。エキストラも十代の女の子ばかり。十代である事にこだわって作りました」と語り、「十代の女の子達だからこそ醸し出せる、大人になる一歩手前の独特な空気感、そういったものが映し出されている」と撮影中にも考えていたそう。また、「ゲームは映像もさる事ながらこだわりもすごくて、ヘッドフォンを付けながらプレイしたいと思います。私たち三人とも、予想以上に怖かったってぐったりしてますよ(笑)」とニッコリ。
大塚英志氏と共に脚本開発をしていった安里監督は、零の世界観の一つ「美少女ホラーである事」を外したくないという強い想いがあり、そこを一番大事にして「あくまで十代の女の子にこだわって女子校を舞台にして、女の子達の内的な世界の中でのホラー映画、物語の作り方を入れていこう」と大塚英志氏と喧々諤々作り上げたのだそう。
「少女や水、美しいのに怖いというホラーを作りたかった。美的な事に重きを置いた」というこだわりの映像は、ゲームのファンだけでなく、セブンティーン読者の方にも是非観て欲しいと締めくくりました。



「初出演で初主演、プレッシャーを感じながら、毎日監督に怒られつつも楽しく撮影をしました」そう笑顔で語るアヤ役の中条あやみさん。

すらりとした少女で、1997年生まれの17歳。セブンティーンの人気モデルにして本作がスクリーンデビューとなる彼女は、まさに「大人になる前の少女」の危うさと可憐さを湛えた表情。「アヤはクラスの憧れの存在で、クールビューティー。謎めいた独特な雰囲気を持った人。自分と違うので、演じるのが大変でした」とも語りました。この辺りはスクリーンで確認してみたいですね。

「普段デジタルで撮る事が多いんですが、最初から最後までフィルムカメラで撮っていてキレイな映像になっているのが見所になっていると思います」そう話すミチ役の森川葵さんは、1995年生まれの19歳。小柄で可愛らしい印象を受ける彼女も、セブンティーンのモデルとして活躍し今に至ります。

「劇中に射影機が出てくるので、みなさんに探してもらいたいです」と語るその表情は、どこかコケティッシュなイメージ。「ゲームをプレイしていた人に見て欲しいポイント」として「自分が射影機になったつもりで、射影機目線で映画を観てください!」とPRした彼女には、恐怖に歪む表情が間違いなく似合うと思います。

きっと似合いますよ。
間違いなく。

アヤはミステリアスなクールビューティー、ミチはそれと対照的に元気でアクティブな女の子。しかし実際の二人はお互いの事を「不思議ちゃん」と語りました。その彼女たちがスクリーンの中でどのように行動しどんな表情を見せ、そしてどこに辿り着くのか。どうぞ映画館へ足を運んで確かめてください。


大塚英志原作の小説、「零~ゼロ~ 女の子だけがかかる呪い」は8月25日の月曜日発売。

樹林親原作・hakus作画のコミックス、「零 影巫女」はマンガボックスにて公開中です。




◆ハリウッド版タイトルは「Fatal Frame(フェイタルフレーム)」


『Fatal Frame』は、海外での『零』の名称。ハリウッド版映画では、このゲームのタイトルがそのまま使用されます。キャストなどの情報はまだ何もありませんが、プロデューサーにはなんと「サミュエル・ハディダ」氏を起用する事が判明! そして、ハディダ氏から寄せられたビデオレターが会場に流れました。


「素晴らしいストーリー、生き生きとしたキャラクターなどに私も負けないように、これから映画製作をしていきます」と映画化に対する意気込みを語ったサミュエル・ハディダ氏。
同氏と言えば映画「サイレントヒル」「バイオハザード」シリーズを思い浮かべる方も多いと思いますが、ここは映画「ジェヴォーダンの獣」の製作でもある事に注目したいと思います。同作は恐ろしさやアクションの他にミステリー要素も濃く、「サイレントヒル」の感覚と合わせる事で、高いドラマ性を持った作品が生まれるのではないか、と期待せざるを得ません。恐怖の中に、物悲しくも複雑な物語性を持つ『零』シリーズだけに、このハイブリッドが良い結果をもたらしてくれる事を強く願います。


◆襟川会長、宮本茂氏、菊池啓介氏による質疑応答コーナー


多く集まった取材陣による質疑応答コーナーでは、様々な意見が飛び交いました。

―――襟川会長にお尋ねします。今後、御社の他作品・他シリーズに対しても、同様な展開を考えておられるのでしょうか?
襟川会長:志を同じくできる方がいらっしゃいましたら、是非一緒に。制作者として、一人で作るよりも、地位とか金銭ではなく、一つの目標に向かってメディアミックスできたらと考えております。

―――濡鴉ノ巫女がこれまでの作品と比べて、一番よいと思われる部分はどこでしょうか?
菊池氏:同シリーズを何作も作ってきましたが、ボリュームが一番大きいという部分と、「Wii Uのマシンスペック」と「Wii U GamePad」という二つの大きな特徴に最適化した物をご用意していまして、特に水の表現やGamePadを構えて撮影するですとか、そういった「かつてない新しい体験」をもたらすように任天堂さんと開発してきました。そうする事で、一つ上の商品に仕上がったと思います。

―――Wii Uの今後の展開などをお伺いします。
宮本氏:Wii Uはマリオカートで勢いがついてきまして、世界中で動き始めております。それと同時に、6月のシステム更新で使いやすくなったという評価をいただいていますし、ゼルダ無双もE3で気持ちよく遊べるゼルダという事で好評でした。どうぞご期待ください。
襟川会長:ゼルダ無双は宮本さんを必至に口説き落としました(笑)

―――ホラーと言えば怪奇現象。今作の開発中にも、何かそのような事が起こりましたか?
菊池氏:零開発チームの蛍光灯だけが何故か割れやすいとか、同じ電気が点いていても0時をまわると現場付近から変な音が聞こえたり……という報告が出ています。


◆大トリを務めるのは襟川陽一社長


襟川社長:『零』のシリーズは世界で一番怖い、恐ろしいゲームを作ろうという現場の発意から生まれたシリーズでして、とにかく怖い事に特化していこうという部分が大きなメディアミックスにつながったんだろうと思います。角川さんやDeNAさん、マンガボックスさんと共に、映画、小説、コミック、さまざまなグッズなども進めていきます。当社はこういった大型のメディアミックスは創業以来初めてでして、特にアメリカはハリウッドも賛同してくださってスタートするというところに立ち、私もこれからもっと大きなメディアミックスに取り組んでいきたいと決意しております。丁度いま梅雨が明け、そして段々と夏の日に入ります。また映画とゲームがリリースされる9月は残暑で、まだまだ暑さの残る時期。『零』は恐怖をテーマにしておりますので、背中が凍るような体験をして残暑を乗り切ってください。






◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


多くの来場者と登壇者を迎えた、内容盛りだくさんのイベントであった、ゲーム『零 ~濡鴉ノ巫女~』と小説・映画・コミックスなどのメディアミックス発表会。
歌ありトーク有りと、来場者のみならずニコニコ生放送の視聴者もご満足いただけたと思います。興味深い話も飛び出した同イベントが終わって思うのは、粗品にあった「お礼」を「お札」と見間違えた事でしょうか。恐怖ですね……。

また、主人公の苗字である「不来方」というのは現代の盛岡近辺を指し、当地は今なお羅刹の伝承が残る地。その名前を冠する彼女が辿り着くのは、人を喰らう鬼への道か、邪を滅ぼす羅刹天への道か。強い異能の力を持つ夕莉は、どのような結末を迎えるのでしょう。
そしてもう一点気になるのは、公開された動画の怪しげな巫女風の女性の目が夕莉に似ているところ。彼女が「濡鴉ノ巫女」だとすれば、夕莉は人を黄泉路に誘う存在なのかも、などと深読みもしてしまいます。彼女の濡れたような黒髪がまるで鴉の羽のようにも見えるウルフカットであるため、憶測は尽きません。
さあ、発売日となる9月27日が……今から……楽しみですね……。



《平工 泰久》
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