毎年9月に開催されるゲームイベント「GAMECITY」では約7万人の来場者を数え、学術系の国際会議「F.R.O.G.(Future and Reality of Gaming)」も併催されます。メディアアートの国際イベントとして世界的に有名なアルス・エレクトロニカもリンツで開催されます。業界団体としては、オーストリアエンタテインメント・ソフトウェア協会や、IGDAウィーン支部、IGDAウィーンから派生した非営利団体のGame Austriaなどがあり、アクティブな活動を進めています。ブロードバンド・インターネットアクセスが80%(ドイツは58.1%)という点も注目でしょう。
ベンチャー企業への支援も手厚く、2014年には1億ユーロ(約145億円)の予算が組まれました。中心となるのがVienna Business Agency(VBA)による助成金です。資金調達や商談目的で2011年から開催されているイベント「PIONEER FESTIVAL」では過去2万人が参加。他にウィーン工科大学のビジネス・インキュベーションセンター「INiTS」による支援や、ゲンザー氏が代表を務めるAWSでも支援を実施。一方で国内市場が小さいため、当初から海外市場の開拓に力を入れているとも説明されました。
◆受注開発だけでなくアプリでオリジナルのヒットも
ミプミゲームは元ロックスターゲームズの社員が独立して5年前に設立したスタジオです。社員数は25人で、「会社は小さくてもおもしろいゲームは作れる!」を合い言葉に、さまざまなジャンルのゲームを作っています。ニンテンドーDS向けの『ANIMAL WORLD』から、PS3&Xbox 360向けの『HITMAN HD TRILOGY』、スマホ向けカジュアルゲームで初のオリジナルIP『CUTE KINGDOM』まで芸風は多彩。スマホ向けの都市育成シミュレーション『ANNO BUID AN EXPIRE』 では、ドイツ・オーストリア・スイスのアプリマーケットでランキング1位に輝きました。