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【hideのゲーム音楽伝道記】第2回 サントラは思い出がよみがえる宝箱!

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。ゲーム音楽好きライターのhideです。ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」第2回目となる今回は、ゲームのサウンドトラック、略してサントラについて書いてみようと思います。

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  • サントラがいっぱい。
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インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。ゲーム音楽好きライターのhideです。ゲーム音楽の連載記事「hideのゲーム音楽伝道記」第2回目となる今回は、ゲームのサウンドトラック(以下、サントラ)について書いてみようと思います。

僕は現在、350枚ほどのゲーム音楽サントラを所有しています。高校生の頃からコツコツと集め続けて、気がつけばこの数になりました。基本的には音楽が好きな作品のサントラだけを買っているのですが、よく集めたなぁと自分でも思いますね。ただ、僕の知人にはゲームのサントラを2000枚も所有している猛者がいるので、自分もまだまだです。




サントラは、普段から電車移動中などによく聴いていますよ! これまでいろんなゲームをプレイしてきましたが、ゲームの数だけ様々なゲーム音楽があり、それぞれの楽曲にいろんな思い出があります。なぜ僕がゲームのサントラを好きかというと、「ゲームの思い出を音で振り返ることができる」からです。

僕は基本的に、ゲームのサントラは、ゲーム本編をクリアした後に聴くようにしています。エンディングを迎えた後、余韻に浸りながら、ゆっくりとサントラを聴く。僕はその時間がとても大好きなんです。音楽とともに、ゲームの思い出が色々とよみがえってくるのが心地いいんですよね。

ゲームのサントラは、開くとゲームの思い出がよみがえる宝箱のようなものだと思います。ゲーム音楽だけに限った話ではありませんが、音楽って、思い出を呼び起こすためのきっかけになってくれますよね。

◆サントラが先?ゲームが先?


ゲーム音楽が好きな人の間では、「ゲームをやっていなくても、サントラで音楽を聴く」という人と、「ゲーム音楽はまずゲームをプレイしながら聴くべき」という人で、しばしば意見が分かれがちです。これは、どちらが良い・悪いということはないと思うので、人それぞれが自由に、好きなように楽しめばいいと思います。

そのうえで僕の考えをお話ししますと、ゲーム音楽は“ゲームを演出するために作られた音楽”ですから、作品の音楽世界をトータルに味わうためにも、やはりまずはゲームをプレイしながら音楽を聴きたいなと僕は考えています。

ただ、誤解を招かないように補足させていただくと、「ゲームをやらずに、サントラでしかゲームの音楽を聴かないなんて邪道だ!」なんて言うつもりは全然ありません。ゲームはプレイするのにそれなりの時間が必要なので(特にRPGだとそれが顕著ですよね)、「忙しくてなかなかゲームをプレイする時間が取れない……でも、ゲームの世界観を味わいたい!」という時には、サントラってとても重宝するものだと思うんですよね。

僕も、興味があるものの、時間が無くて手を出せていないゲーム作品は色々あります。そういう作品で、音楽が気になるものについては、サントラを先に買って聴くこともありますし。あとは、ゲーム音楽コンサートで初めて耳にした曲を気に入って、ゲームは未プレイだけどサントラを買って聴いたりすることもあります。

でも音楽を先に知った場合は、やっぱり実際にゲームをプレイして、どんなシーンで音楽が使われているのかを、自分の目と耳で確かめてみたいなと思います。音楽を先に知っておくと、いざゲームをやってみた際に「ああ、この曲はこういう使われ方をしていたのか!」という楽しみ方もできますから。


◆ぜひ作曲家さんの名前を出してほしい!


僕がサントラを好きな理由はもうひとつありまして、それは、サントラ付属のブックレットで読むことができる、作曲家さんのライナーノーツです。「作曲者の方が、どんなことを考えて作曲したか」というのが個人的にすごく気になるんですけど、それを知れるのが楽しいんですよね。たまに、収録されている全曲に作曲家さんの解説が入っているサントラがありますけど(光田康典さん作曲の『クロノ・クロス』などがそうですね)、そういうのってファンとしてはとっても嬉しいです。

時々、作曲家さんの名前が出ていないサントラ(非公開だったり、作曲者がまるまる会社の名前になっていたりする)を見かけるのですが、ぜひ作曲者さんの名前は出してもらえたら嬉しいです。作曲者の方が会社を退職されたなど、権利関係の事情でそうなっている場合には難しいと思いますが、可能な限り名前を出してくれたらいいなとファンとしては思います。

好きな曲に出会った時って、やっぱり、“誰がその曲を作ったのか”って気になりますから。あと、作曲した人のことを応援したいですもんね。


◆ゲームサントラは、プレミアがついているものが多い


昔に発売されたゲーム音楽のサントラだと、廃盤になり、プレミアがついてしまっているものが多いです。たとえばスーパーファミコンソフト『スーパードンキーコング2』のサントラは、某通販サイトでは10万円以上の高値がついています。ファミコンの『星のカービィ 夢の泉の物語』のサントラも、数万円のプレミア価格になってしまっています。

少し僕の実体験をお話ししましょう。僕は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』が大好きなのですが、そのアレンジ盤である「ハイラル・シンフォニー」(現在は廃盤)というサントラが素晴らしい出来だと聞いて、ずっと探していたのです。



そんなある日、秋葉原のとあるサントラショップでたまたま「ハイラル・シンフォニー」を発見しまして……その時はテンションが上がりましたね! でも、値札を見てみたら「1万2000円」と書いてありました(ちなみに定価は3000円です)。しばらく棚の前に立ちつくし、「どうしよう……」と思いながら、サントラを棚から出したり戻したりしつつ20分ほど悩みに悩みまくった後、決心して買いましたよ。今まで生きてきた中で、一番大枚をはたいて買ったサントラです(苦笑)。素晴らしいアレンジだったので、全く後悔はしていませんけどね。

話が横道にそれましたが、ゲーム音楽のサントラは、プレミアがついてしまって入手困難なものが非常に多いです。なぜプレミアがつきやすいかと言うと、もともとの生産数が少ないうえに、再販されることが基本的に無いからです。ゲーム自体が移植やリメイクをされれば、サントラが再販されたり復刻盤が出たりする場合もありますが、そういう機会でもない限り、過去作のサントラが再び世に出ることはめったにありません。

ゲーム音楽っていい曲が本当にたくさんありますけど、入手困難なサントラが多いのが残念で……。いい音楽が、多くの人に知られずに埋もれていってしまうのは非常にもったいないと思います。過去に販売されたサントラも、ダウンロード販売されたらいいですね。

過去作のサントラは、いざ入手しようとすると、中古で買わざるをえないものが多いのが現状です。しかし、サントラを中古で買っても、メーカーさんへの利益は入らず、メーカーさんや作品に対する応援にはなりません。本や漫画を中古で購入しても、著者の方に利益が入らないのと同じですね。そういう意味でも、過去作のサントラは、出来ればメーカーさんから買えるようになればいいなと思います。


◆作品を愛するファンは、メーカーに声を届けよう


ただ、メーカーさんが過去作のサントラを出すにしても、一番ハードルになるのは権利面の理由なのでしょうね。あともうひとつ、「採算が見込めるかどうか」というのも慎重になってしまうところだと思うんです。

権利面のほうは単純にいかない難しい部分が大きいのですが、採算面のほうは、ファンの声によって充分に後押しができるはずだと思います。『ワイルドアームズ』の全曲収録版サントラや、『ボクと魔王』のサントラのように、ファンの声や署名活動がきっかけで発売にこぎつけたものも過去にはあります。何かのゲーム作品が大好きで、サントラが欲しい、これからも応援していきたいなどの熱い想いをお持ちのファンの方は、ぜひその声をメーカーさんに届けましょう。メーカーさん側としても、ファンの方からの声が多ければ、その気になってくれる可能性は高まるはずですから。

ファンの1人1人が、好きな作品を「好き」と声に出して言うこと、応援することはとても大事だと思います。1人の声だけでは足りなくても、その声がたくさん集まると、一見不可能そうなことも実現させる力があるはずです。長い間新作が途絶えている作品であっても、ファンの要望が多ければ、サントラが発売されたり、ゲーム自体にまた新作が出たりという可能性もゼロではないと思います。


◆好きな作品は、全力で応援しつづけていきたい


冒頭にも書きましたが、僕にとってゲームのサントラは、思い出がよみがえる宝箱のようなものです。今所有しているサントラは、余程のことでもない限り、手放すことはまず無いと思います。ずっと大事に保管して、愛聴していきたいですね。僕がおじいちゃんになる頃には、おそらく世界のどこかにゲームの博物館ができているんじゃないかなと思うので、そこにサントラを寄贈したいなと思っています。

今の音楽の販売形態は、ダウンロード配信が主流になっています。ダウンロード配信は手軽で便利ですけど、個人的にはデータだけだと少々味気なく感じてしまいます。やはり、“サントラという形になって存在していること”って大きいと思うんですよね。モノとして存在していると、大切にしたくなりますし、より愛着もわきますから。

今後はおそらく、CDやBlu-ray Disc Musicといった盤面として発売されるサントラは少なくなっていくでしょう。時代の流れですし、しょうがない部分はあると思います。でも、これからも出来る限り、盤面としてのサントラが出てくれるといいですね。ジャケットデザインやブックレットも含めて、トータルパッケージとして作られたサントラを、僕はこれからも手にとって、見て、聴いて、楽しんでいきたいのです。

そのためにも僕は、今後も惚れたゲーム作品のサントラはぜひ新品で購入して、応援していきたいです。これはゲームソフトそのものに対しても言えることですが、好きな作品に対して“お金を払う”ということは、目に見える形での応援になります。そして、それがメーカーさんの利益にもなって、次の作品につながっていくはずですから。

新作のゲームが開発され、作曲者の方が魂を込めて作ったゲーム音楽が生まれ続けるかぎり、ぜひサントラも発売され続けていってほしいなと思います!


【筆者プロフィール】
 hide / 永芳 英敬

ゲーム音楽ライター&ブロガー。ゲーム音楽作曲家インタビュー記事、ゲーム音楽演奏会レポート記事など、主にゲーム音楽関係の記事を執筆。最近は『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面3D』にドハマリしてました。『ムジュラ』で一番好きなキャラクターはデク姫!

[Twitter] @hide_gm
[ブログ] Gamemusic Garden
《hide/永芳英敬》
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