日本とアメリカに続き、遂に新国家ドイツツリーの実装が発表された『World of Warships』。ドイツで開催されたgamescom 2015の会場にて、本作のグローバルディレクターIvan Moroz氏にインタビューを実施しました。
Ivan Moroz氏は、昨年の東京ゲームショウの際にも編集部でインタビューを実施した人物。オープンベータテストの反響、艦船の実装予定、新ゲームモードなど興味深い話を聞くことができました。
――今現在オープンベータを実施中ですが、反響はいかがでしょうか?
Ivan Moroz: 特にアジア地域で興味深い結果を残しています。日本だけでなく、アジア地域全体に関してのことですが、今までで一番多い新規プレイヤーを獲得しています。この新規プレイヤーと言うのは『World of Tanks』など、今までWargamingタイトルを遊んでいない人たちで、アジア地域が一番高い数値を出しており、驚いています。オープンベータテストに対する意見や要望などのフィードバックが多いこともアジア地域の特徴です。
また、アジアにおいては『World of Tanks』よりも同時接続者数が多く、プレイヤー数も、ロシア、北米、ドイツに次ぐ4番目の多さで、沢山の情熱的なプレイヤーに楽しんでいただいていると認識しています。
――Ivanさんは普段からユーザーやプレイヤーの声を見られているんですよね?
Ivan Moroz: はい。もちろん。それ以外でも、つい先日、日本の大学でちょっとしたリサーチを実施して、興味深いデータを得られました。
――日本の大学?それは学生からですか?
Ivan Moroz: そうですね。プレイヤーの声を聞くというよりも、研究目的で実施したものです。大学生に直接プレイして貰って、普段ゲームのどういった部分を見ているのか、どういった操作をしているのかを調査しています。
Ivan Moroz: 艦船には非常に多くの乗員が乗っているので、それを全て反映すると大変なことになってしまいますし、ゲームが非常に複雑になってしまいます。ですので、艦長1人だけにして、スキルツリーという形で充実させていこうと考えています。今あるスキルツリーはまだ開発途中のもので、空いたスロットにも新しいスキルが追加されるでしょう。
例えば、『World of Tanks』では1両の戦車を砲手や車長などの複数のクルーで運用していますが、車両の乗員数によっては使えないクルーが出てきます。そういったことを考えると、艦長1人とした方がプレイヤーが理解しやすく、他艦への転換も容易に行えると思います。
Ivan Moroz: 通常戦において引き分けがおきやすいことは認識しています。我々としても引き分けが多いことを良く思ってはいないので、バランス調整を考えています。ちなみに「ランキングバトル」モードではドミネーションルールのみを採用して、引き分けが起きない試合になる予定です。
――史実をベースにしたマップの導入などは考えていますか?
Ivan Moroz: ヒストリカルマップの導入はとても難しい要因があります。まず、史実の海戦では、ただの大海原を舞台とした戦いが多く、マップとして成り立たないことがとても多いです。また、導入したとしても史実の戦闘では、ほぼ必ず戦力差が存在するため、ゲームにおいても初めから優劣が決まってしまい、あまり良くない状態となることが想像できます。仮に導入するとすれば、PvEモードの一環として史実戦闘が体験できるものを導入するかもしれません。
Ivan Moroz: 新しいゲームモードは常に考案して、テストを行っています。過去には「コンボイモード」などもありましたが、面白いかと言われると微妙な部分だったので、更なる研究を行っているところです。
――正式リリースに向けて、オープンベータテストは順調に進んでいますか?
Ivan Moroz: 基本的にオープンベータテストは順調に進んでいます。数字上でも良好で、プレイヤー数が下がることもありません。これは重要なことで、ためしに遊んで飽きてやめるプレイヤーが少ないと言うのは我々にとって嬉しい出来事でした。また、オープンベータが始まって間がないですが、既に世界中で200万人のアクティブプレイヤーがおり、この数字はこれからも伸びていくと思います。
Ivan Moroz: とても印象的だったのは、『World of Warships』をリリースするにあたり、Wargamingの他タイトルと競合するのではないか、と懸念があったのですが、思いのほか新規のプレイヤーが多く、自社タイトル同士での潰し合いにならなかったのは喜ばしい出来事でした。
――逆にアクシデントのような想定外の問題はありましたか?
Ivan Moroz: (しばらく考えて)オープンベータテストでは、起こりうることを予測しており、アクシデントはありませんでした。アクシデントが唯一過去にあったとすれば、ベータウィークエンドテストを実施した際に、日本から想定数の4倍以上のプレイヤーからのアクセスがあり、用意していたホームページがクラッシュしてしまったこと。一番の驚きでした(笑)。
Ivan Moroz: 日本の方々に楽しんでいただけているのはとても喜ばしく、とても感謝しています。今後も皆さんが楽しんでいただけるように、より良いゲームを提供できるように改良していきたいと思っています。何よりも今、日本とアメリカのツリーがメインになっており、半分を日本が占めています。そういった意味でも私も日本を大切な国と認識しており、今後も様々な新しいスペシャルアプローチなどを実施していきたいと思っています。