今回はプレイヤー全員がTRPG初体験という状況でしたが、比較的簡単な説明で、キャラクター作成からセッションまで一気に遊んでもスムーズに進行できたというのも印象的でしたね。他の海外製システムに比べてもキャラクターデータの作成や判定の処理は楽な部類だと思います。
参加者の皆様に感想を伺うと、「キャラクターに愛着をもてた」というようなコメントが出るほど楽しんでいただけたようで、キーパーとしては非常に嬉しい限り。また、「リプレイ動画で見た、正気度が失われていくというスリルを体験できてよかった」というような感想もありました。
10世紀から11世紀のヨーロッパという個人的な好みとしてはドンピシャな設定であり、史実をクトゥルフ神話にからめたワクワクする記述が盛りだくさんだったので、趣味を全開に、北欧神話やナチのオカルト要素、ヴァイキングのサガなどのネタを入れらてシナリオ作りがとにかく楽しかったですね。
もしこの続きをやるとすれば、史実(?)ではこの後に続くヨーム戦士団の壊滅を描いてみたいと思っているところ。ヨーム戦士団は実際に存在したかどうか非常に微妙な組織なので、そのあたりのネタも拾っていきたいところですね。
また、時代としては十字軍もカバーしているので、『アサシンクリード』等でおなじみテンプル騎士団と暗殺教団をクトゥルフ神話に絡めたシナリオや、ちょっと時代は遡ることになってしまいますが、5世紀を舞台にアーサー王伝説とクトゥルフ神話をミックスしたシナリオなど、どんどんやりたいアイデアが浮かんできます。
ただ、正直なところ中世ヨーロッパ史の中でも少々とっつきにくい時代設定であるとは思います。もし、中世暗黒時代が大好きというわけではなければ、『クトゥルフ・ダークエイジ』を使って一般的な剣と魔法のファンタジーの世界にクトゥルフ神話を混ぜて遊ぶこともできるでしょう。
例えば、『スカイリム』+クトゥルフとかをやりたければ、剣と魔法で戦うルールは書いてあるので、ちょっとの工夫(ドラゴンシャウトのデータを作ってみるとか)で難なく遊ぶことができるはず。
『クトゥルフ・ダークエイジ』は単体でたっぷり遊ぶ事のできるルールブックですが、モンスターのデータ等で物足りなさを感じ始めた人は『クトゥルフ神話TRPG』(KADOKAWA刊)や、その他のサプリメントに収録されているデータと組み合わせて遊ぶこともできます。
また、クトゥルフ神話の中世暗黒時代と絡めた説明は豊富なのですが、より基本的な部分に関しての説明はたっぷりとページが割かれているわけではないので、より詳しく知りたくなったら、『クトゥルフ神話TRPG』にある説明を読むのはもちろん、無数にあるクトゥルフ神話作品に触れてみるのもよいでしょう。
とにかく、TRPGの初心者はこれを買っとけという入門向けの本ではないかもしれませんが、中世暗黒時代やビザンツ帝国、ヴァイキング、十字軍といった言葉にワクワクできる人や、剣と魔法のファンタジーにクトゥルフを投入したいという人は『クトゥルフ・ダークエイジ』は非常にオススメの一冊です。
『クトゥルフ・ダークエイジ』(新紀元社刊)はTRPG専門店、TRPGを扱う全国の書店、Amazon等で販売中。いきなり買って仲間を集めて遊んでもいいですし、コンベンション等に足を運んでみるのもよいでしょう。TRPGのはじめ方はこちらの記事を参考にどうぞ!
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。先日『フロストグレイブ』のプレイ風景も配信しましたので是非チェックしてみてくださいね!
Twitter:@Sir_Motor
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