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【特集】『ロックマン エグゼ』15周年特別スタッフ座談会!プリズムコンボ発覚から完結の理由まで

 

任天堂 GBA
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◆なぜ『ロックマン エグゼ』は『6』で完結したのか

――最初から『エグゼ6』で完結するという構想はあったのでしょうか。

江口:実は開発中に決定したんです。

――あ、だからグラフィックが一新されたんですか?

石原:あれは、『エグゼ6』から新たにリーダーとなったスタッフの頑張りです。PET画面なども気合いを入れて作り替えて、新鮮味を出そうとしていたんですが、程なくして完結が決まって。結果として一作だけのものになってしまいました。


エグゼ1/エグゼ6

――完結の決定を受けて、ストーリーは変更されたのでしょうか。

石原:引越しエピソードは完結が決定してから決まったんでしたっけ?

江口:それは最初から決まっていて、環境を変えたかったんですよね。なので本当は新たな環境で活躍して、また戻ってきてみんなに再会するという収まりでしたね。

因みに、企画的には新しいタイトル作る時に次のことを考えるんですけど、『エグゼ6』に関しては「もうこれ以上はないかもなぁ」と思っていました。

――ではどういった経緯で完結することになったのでしょうか。

江口:『エグゼ』シリーズはゲームボーイアドバンスと共に歩んできたので、『エグゼ6』を作る前から「ハードが変わったら新しいロックマンを作ろう」という話がありまして、DSの発表で方針が決まりましたね。

――因みに『エグゼ6』は読者アンケートの「もっともシステムが良いナンバリング作品」で1位でした。私自身、まさに完結に相応しいシステムだったと思います。

江口:『エグゼ6』は凄かったですね。僕は大会とかで解説してたんですけど、『エグゼ6』になるともう解説が追いつかないし、まったく想定しなかったモノが出てくるんですよね。「それやる!?」みたいな。

◆開発者は何を想い、『ロックマン エクゼ』の物語を紡いだのか



――先ほども少し出ましたが、ストーリーはどの様なテーマが描かれたのでしょうか。

江口:沢山あるんですが、まず前提として「ロックマンという正義のヒーローの物語であること」というのがありました。例えば『エグゼ1』でいうと、「ワイリー」という絶対的な悪を、同じクラスに居そうな少年が立ち向かうという構図とその体験の爽快感ですね。

またシリーズを通してだと、家族愛・兄弟愛を大切にしている作品でもありまして、身近に居る頼れる大人をしっかりと描きたいという思いはありました。あとはネットリテラシーですね。当時はネチケットと呼ばれていましたけど(笑)。

江口:掲示板は荒らしちゃだめとか。

松田:ネットには怖いお兄さんが沢山いるよとかね(笑)

――読者アンケートでは、『エグゼ3』がストーリー的にもっとも好きなナンバリング作品に選ばれていますが、まずはそのコンセプトからお伺いさせてください。

江口:基本は「WWW」(ワールドスリー)との戦いにけりをつけ、「フォルテ」の話をいったん区切ろうというのがありました。

システム的には『エグゼ2』で「スタイルチェンジ」が入ってバトルシステムが洗練されたので、『エグゼ3』でより磨きをかけるというか、より“俺のロックマン”というのを強くするために「ナビカスタマイザー」を導入しました。

僕的には「これでエグゼは完結するんだ」という気持ちで取り組んでいました。ですので『エグゼ4』以降は違うアプローチになりましたね。

――因みに「泣いた」「感動した」というコメントが沢山ありました。

江口:この前ストーリーを見返したんですが、泣けますね(笑)。当時若かったんで、子供たちに伝えたい熱い思いをすべてぶちこんだ気持ちでしたね。

加治:スタッフたちも感動していまして、「名人いいシナリオかくわ!」って言われていましたよ。

江口:当時何かの雑誌で泣けるゲームランキングがありまして「お?」と思ってみたら『マザー2』と並んで同率1位でしたからね。

――ストーリーの話から少し離れますが、プログラム君のボリュームが凄いですよね。
江口:『エグゼ3』までは、ほとんど僕が書いていたんですが、あれは僕のライフワークでした(笑)。なんというか、プログラム君は他人に譲りたくないというか……『エグゼ』の世界ってプログラム君が色々と動かしているんですよ。例えば車の電脳空間だとアクセル担当のプログラム君とブレーキ担当のプログラム君がお互いの役割を持って活動していまして、「世界は誰かの仕事で動いている」みたいな所を描いているんです。

なので「何気ない電化製品の中にもプログラム君が居る」と思って頂けたらモノを大切にするかなと。で、そんなことを考えていたら、そういった体験が結構ありまして。

『エグゼ2』の時は凄く忙しくて朝から朝まで頑張っていて、半年間モニターを消さずにつけっぱなしみたいなことがあったんですよ。そしたら後半調子が悪くなってきまして、「そろそろヤバいな」と。でも忙しいんで交換とかせずに作業していたんですが、マスターを納品して「完成しました!」ってなった瞬間にモニターが「バツン」って切れたんですよ!その瞬間「ギリギリまで頑張ってくれたんやな」って泣きましたね。だから本当にプログラム君はいるんです。

――みんな顔は同じだけど、一体一体違うプログラム君なんですね。



江口:もう顔見たらどこのプログラム君か分かりますよ。そもそもプログラム君って、より電脳空間を面白くするために用意したキャラクターなんですよ。ユーザーさんがせっかく車の中の電脳空間に入ってくれたのに、そこに何もなかったら申し訳ないじゃないですか。

石原:デバックの時はそんなプログラム君のテキストを確認するのが楽しみでしたね。

江口:僕は背景担当からの挑戦状だと思っていまして、毎回マップの隅々まで作りこんだり、しょーもないモンおいたりするんですよ。まるで「この背景でどんなメッセージを考え付くんだい?」と言っているみたいに(笑)。だから僕もそのネタを活用しつつ、ユーザーさんが楽しんでくれる小話メッセージを沢山作りました。

松田:海外版が大変やったけどね……文字が入らへんとか(笑)

――因みに1作に何体ぐらいいるんですか。

江口:……え?



加治:全部覚えているんですよね?

松田:名人!名人!

江口:そうでするね……100体から先は覚えていないです。

一同:笑

江口:でもざっくり計算すると1作品に7,80体ぐらいですね。

次ページ:大胆アレンジの真意

《栗本 浩大》
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