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【レポート】VR版『クーロンズ・ゲート』は“空間”へのアプローチ…その始まりは「Second Life」だった

初代プレイステーションに登場したソフトラインナップは、大作のみならず、独創的なアイディアやチャレンジ精神が光るタイトルも数多くあり、今も展開を続ける名作も数多く生み出されました。

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初代プレイステーションに登場したソフトラインナップは、大作のみならず、独創的なアイディアやチャレンジ精神が光るタイトルも数多くあり、今も展開を続ける名作も数多く生み出されました。

その中でも、アジアゴシックな世界観や登場人物たちの強烈な個性などが非常に印象的で、プレイしたユーザーの記憶に色濃く残っているゲームのひとつに『クーロンズ・ゲート -九龍風水傳-』があります。ゲームの中に描かれた、独特な味わいを持つパラレルワールド「陰界の九龍城」の醸し出す雰囲気は、多くのユーザーを圧倒しました。


本作が登場したのは1997年の2月。実に19年以上もの年月が経過していますが、本作に寄せられる関心は未だに高く、2014年にオリジナルサウンドコレクションが発売。そして2015年には設定資料集がリリースされ、今年の5月22日にはライブイベント「クーロンズ・ゲートコンサート2016 九龍夜奏会」を開催と、『クーロンズ・ゲート』は今も意欲的な動きを見せています。


そんな『クーロンズ・ゲート』に関連するユニークなイベントが、今年の5月21日に行われました。宝塚大学の東京新宿キャンパスにて、『クーロンズ・ゲート』の世界を体験できるVRイベントが実施されたのです。



このイベントは、宝塚大学東京メディア芸術学部とJETMANの産学協同プロジェクト「次世代クーロンズゲートのための研究開発」の映像を、Oculusで体験できるというもの。実際にゲーム内で使用された素材も用いられており、あの「陰界の九龍城」をリアルに体験することができるのです。JETMAN代表、宝塚大学ゲーム領域教授の井上幸喜氏は、『クーロンズ・ゲート -九龍風水傳-』の企画・アートディレクション及びキャラクターデザインに携り、社員の多くはクーロンズ・ゲートの開発に携わったメンバーです。

VR元年とも言われている2016年に、Unreal Engine 4上で『クーロンズ・ゲート』の世界を再構築する。この魅力あふれる刺激を直接味わうべく、イベント当日に東京メディア芸術学部へと足を伸ばし、体験させていただきました。


Oculusを被りスタートすると、目の前に広がるのは薄暗い路地。大きな換気扇や鉄パイプがビルの壁面を彩り、雑多ながらもどこか親しみが感じられるこの空間を見ていると、かつてブラウン管の向こうにあった世界に、今自分が立っている――そんな感慨に駆られます。

VRなので至極当たり前の話ですが、右を見ても左を見ても怪しげな路地。上を見上げればビルの隙間から細長い空が横切っており、入り組んだ町の片隅に紛れ込んだ自分を相対的に実感します。見渡す限り『クーロンズ・ゲート』の世界が続く圧倒的な存在感は、まさにVRならではでした。



操作方法はいたってシンプルで、コントロールレバーの上方向を入力すると前進。視界正面に向かって進むので、行きたい方向に視界を向けてレバーを倒すだけです。恐る恐る進んでみると、視界の隅にあった換気扇が少しづつ近づき、同時に「ゴウン…ゴウン…」と作動音が大きくなります。通り過ぎるとその音も遠ざかっていき、今度は電気コードがショートしているような「バチッ、バチッ」といった音が耳に飛び込みます。

そのまま進むと、階下を見下ろせる場所へと出ました。階下を覗き込むように見ることもでき、世界の拡がりがより立体的に伝わってきます。ゲーム内で実際に使用されていた素材が多用されているため、醸し出す臨場感も並ならぬものがありました。


次の区間では町並みだけでなく天候も変化し、ビルの狭間を縫うように細かい雨が。担当の方曰く、「上を見ているとたまに、カメラに水滴がかる演出もあるんです」とのこと。残念ながら筆者は空振りでしたが、他の参加者の中には運良く出会えた方もいることと思います。

懐かしくも新しい世界に後ろ髪を引かれつつも、雨降りしきる「陰界の九龍城」を後にし、現実に帰還。こうして、約5分のVR体験は終了しました。Oculusを用いた『クーロンズ・ゲート』VR体験イベントは今回が第2回となりますが、告知期間が短かったにもかかわらず応募者が殺到。『クーロンズ・ゲート』への関心の高さを、改めて思い知らされます。



今回のイベントは、「次世代クーロンズ・ゲートのための研究開発」の一環として行われましたが、その背景や今後の展望について、株式会社JETMAN/宝塚大学 東京メディア芸術学部教授の井上幸喜氏と同准教授吉岡章夫氏にお話を伺うことができたので、そちらも合わせてご覧ください。

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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