7月15日から17日にかけて、アメリカのラスベガスで開催された世界最大の対戦格闘ゲーム大会「Evolution Championship Series 2016 (EVO)」。1万人以上の選手が世界各地から伝説のステージへ上り、栄光を勝ちに挑みました。今回は『ストリートファイターV』を初め、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に『スマッシュブラザーズ for Wii U』、『ギルティギア イグザード レベレーター』、『ポッ拳』『アルティメットマーヴルVS.カプコン3』、『MORTAL KOMBAT X』などのタイトルが対戦科目として抜擢。この戦いで勝利を掴んだのは知名度の高いベテランのみでなく、新たな伝説を刻み始めた若手選手の姿も見られました。 『スマブラ for Wii U』部門で準優勝を果たしたかめむし選手もその中の1人。5月には『ウメブラ23」で優勝を掴んだ際、「EVOでの優勝」を宣言したのも記憶に新しいところです。初の海外遠征で世界制覇を志そうとしたかめむし選手の言葉は、大会が進むにつれてある種の預言のようにも感じられました。ルーザーズファイナルでは、『スマブラ for Wii U』プロシーンでも最強と言われるチリのZero選手を撃破し、決勝戦に進出。そしてホールいっぱいの観客の前で繰り広げられた対カナダ代表Ally選手戦では、惜しくも敗北。しかしながら、その大会の中で彼が操る“ロックマン”は世界のファンから熱いエールを呼び、「かめむし選手」としての存在感を刻みました。 決勝戦を終えたのち、Game*Sparkはかめむし選手にインタビューを実施。今回は大会の感想から登場キャラクター、練習スタイル、そして今後の活動についてお話を伺いました。――EVO『スマブラ for Wii U』部門で準優勝を果たしたご気分は? かめむし選手(以下、かめむし): 初の海外だったので2位という結果はうれしいですけど、やっぱり優勝はしたかったですね。――「ウメブラ23」での優勝宣言は、本当に確信があったものでしたか。 かめむし: 正直、「EVO優勝します」宣言は軽い気持ちで言ってたので、ここまでこれるとは思っていませんでした。2位までいけて、本当にうれしい。――試合を勝ち進みながらいよいよ決勝戦まで到達した、そのときの気分について聞かせてください。まさか勝てるんじゃないかな、とは感じましたか。 かめむし: まあそう、勝てるかなーと思ったんですけど、やっぱりAlly選手は強かったですね。――そうでしたね。でも、かめむし選手は「Ally選手よりも強い」と言われる相手を破っていました。Zero選手との対戦はいかがでしたか。 かめむし: Zero選手戦の時だけは、まったく緊張しなくて。キャラクターが慣れてたんだよね、“シーク”と“ディディー”。――初の海外遠征で様々な海外プレイヤーと戦ったことと思われますが、そのスタイルやキャラクターの好みなど、日本人プレイヤーとの違いは感じられましたか。 かめむし: スタイルに違いはなかったと思うんですけど、やっぱり海外プレイヤーは強気ですね。――『スマブラDX』の頃も「日本より海外プレイヤーのほうが強い」という印象がコミュニティーで定着していましたが、その理由についてはどう思いますか。 かめむし: やっぱりプレイ時間だと思いますね。――日本の選手は海外の選手のように、長時間はプレイできないと? かめむし: そんな印象はありますね、正直。ずっとやっているわけにはいかないと思うので。――プレイしていない時は、かめむし選手は何をされていますか。 かめむし: 仕事をしているので、最近はそんなにプレイしてないですね。平日も休日も、あまり『スマブラ』はやってないです。――EVOに備えてどんな練習をしましたか。 かめむし: 練習……特に何もこれといった練習をしたわけもなく、オンライン対戦をずっとやってましたね。――海外プレイヤーのスタイルを勉強したり、などは? かめむし: いや、動画を見たりもしてないです、特に。――キャラクターの対策を用意せず「自分の強さをぶつけよう」というわけですね。 かめむし: 対戦前に、この人どんな感じと日本の選手に聞いて。それ以外は本当に何も見ずに、「自分の動き」をしてました。ずっと。――「自分の動き」といえば、やはりかめむし選手の“ロックマン”はとても印象的でしたね。上位プレイヤーではあまり見られない、このキャラクターを好む理由とは。 かめむし: そうですね、自分は昔から飛び道具が好きなので。飛び道具が強いキャラクターは“ディディー”か“ロックマン”ですけど、自分のスタイルはロックマンに合ってました。――この大会で2位という素晴らしい結果を残せましたが、これからより練習時間を増やして、よりプロ選手らしく活動したいとはお考えですか。 かめむし: できるならそうですね。一回海外で優勝してみたいというのもあるのでこれからもうちょっと頑張ります。――この結果でスポンサーからお声がかかると思いますが、打診された際には本格的にプロシーンに進出したい、と思いますか。 かめむし: そうですね (笑)――今の『スマブラ for Wii U』日本国内のコミュニティーは賑やかで、強いプレイヤーも揃っていると思います。そんな環境を生かして日本のコミュニティーをより長く、強くするためにはどんなものが必要でしょうか。 かめむし: 強くなるには…今は月に一ぐらいでしか大会をやってないんですけど、週一とかでも大会ができるならばどんどん上達はすると思います。大会の緊張感ってやっぱありましたから。海外って平日も大会を開いてたりするんですよね。ローカルの大会は一昨日、出たんですけどそのときなんかは出場選手全員が強くて、びっくりして。本当にみんな、大会に慣れてるなーと感じたので、日本もそうなれるなら、と思います。――実現できるといいですね。では、最後に一言メッセージをお願いします。 かめむし: 今回、「EVO」に来れてよかったです。次の海外遠征は……いつ来れるかは決まってないですけど、来る機会があったら、必ず優勝したいと思います。――本日はありがとうございました。
《Game*Spark》
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