19世紀末に活躍し、いまなお世界中の人々に愛されてやまないフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)とポール・ゴーギャン(1848-1903)。生い立ちや性格だけではなく、絵画表現も大きく異なる2人の画家。ファン・ゴッホは現実の世界から着想を得て、力強い筆触と鮮やかな色彩による作品を生み出し、ゴーギャンは、装飾的な線と色面を用いて、目には見えない世界をも絵画に表現しようとした。1888年、彼らは南仏アルルで約2か月の共同生活を送り、ともに制作し、時には激しい議論を重ねながら刺激を与え合ったという。本展では、この共同生活の記事を中心に、2人が影響を受けた画家との関係にも触れながら、共同生活後のそれぞれの歩みを展観。代表作を含む油彩画約60点を展示し、2人の画家の関係性や芸術性に光を当てる。
本展の音声ガイドナレーターを務めるのは、実力派人気声優たち。ゴッホ役を務めるのは、アニメ「黒執事」「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」「進撃の巨人」など話題作でメインキャストを多数演じる小野さん。ゴーギャン役には、同じく「銀魂」「暗殺教室」ほか多くの人気作品に出演する杉田さん。「涼宮ハルヒの憂鬱」ほか数々の作品で共演を重ねる2人が、ゴッホとゴーギャンの関係性を身近に伝える“手紙”を紹介しながら、展覧会をナビゲートする。
小野さんは、「僕自身も、展覧会に行くと必ず音声ガイドを聴いています。皆さんの絵を見る時間がより有意義になればと思い気合が入りました」と、初の音声ガイトに意欲十分。ゴッホを演じるにあたっては「ゴッホとゴーギャンは性格も作風も真逆の2人。杉田君の声と良い意味で対照的になるように意識して演じました」と明かした。
一方、杉田さんは「展覧会は高尚なもの、という先入観や厳かな空気に萎縮しないように意識しました」と収録をふり返る。杉田さんもこれが初の音声ガイドだそうで、収録にあたりゴーギャンの人生を個人的に学んだという。その上で、「画家本人たちは後の世でこのように語られるとは思わなかっただろうなと思いました」と感想を寄せた。
2人の起用について主催者は「手紙に垣間見える2人の心情を伝えるには、“聴かせる”声優さんにお願いしたい、可能であれば、『先輩後輩』『同士』『兄弟』のような関係を共演されたり、演じられる方がいればと…。今回、小野さんと杉田さんにお願いしたのは、なによりもナレーションの技術があることが最大の理由ですが、過去に共演歴もあり、ゴッホとゴーギャンの名画を前に、二人の関係性を身近に感じて頂けるのではないかと思ったからです。是非会場で、ゴッホとゴーギャンの残した『言葉』を堪能してください」と明かした。
「ゴッホとゴーギャン展」は10月8日(土)から12月18日(日)まで東京都美術館にて開催。
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