ヒューマンアカデミーは、2016年11月9日、各校のゲームクリエイター志望の学生らを対象にスクウェア・エニックス本社の見学会を実施しました。
見学会には、日本各地のヒューマンアカデミーからゲームクリエイター志望の学生30人以上が一同に会しました。皆、リクルートスーツに身を包み、緊張した面持ちのまま、憧れのゲーム会社へと足を運びます。
東京・東新宿のスクウェア・エニックス本社では、社内のセミナールームにて人事担当者によるオリエンテーションが行われました。まず、最初に各学生らが自己紹介を行い、現在学んでいる専門分野について、また、将来どのようなゲームを作っていきたいかをアピールしました。
続いて、スクウェア・エニックス作品のデモリールを上映。同社が手掛けてきたあまりにも有名なゲームの数々が映し出されます。学生たちは自分たちがプレイしてきたゲームを手掛けた会社の中にいるということを実感しているのか、神妙な面持ちで映像を見つめていました。
映像上映が終わると、同社第9ビジネス・ディビジョン シニア・マネージャー兼プロデューサーの時田貴司氏による挨拶が行われました。時田氏は、『ファイナルファンタジーIV』や『半熟英雄』シリーズ、『ナナシノゲエム』シリーズなどの大ヒットタイトルでディレクターやプロデューサーを務めた人物で、ヒューマンアカデミーで学生向けのゲーム開発セミナーも行っています。
人事担当者による会社概要説明では、スクウェア・エニックスのグループ体制について、また、同社が展開する事業について説明されました。
スクウェア・エニックス・グループとしては、日本だけでなく北米や欧州など、海外にも拠点を有し、そのネットワークの強みを活かして、世界に向けてコンテンツを発信しています。
展開する事業は、デジタルエンタテインメント事業/アミューズメント事業/出版事業/ライツ・プロパティ等事業です。デジタルエンタテインメント事業は、『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズ等のゲームを始めとした、デジタルエンタテインメントコンテンツの企画・開発・販売・運営を行う事業。アミューズメント事業は、『ガンスリンガー ストラトス』などのアミューズメント施設向けのゲーム機や関連商品の企画・開発を行う事業。出版事業は、「ヤングガンガン」などの定期刊行誌や『黒執事』『鋼の錬金術師』をはじめとした大ヒットコミックス、また、ゲーム関連書籍の出版を行う事業。ライツ・プロパティ等事業は、グッズやCDなどの二次的著作物の企画・制作・販売、またライセンス管理を行う事業です。
スクウェア・エニックス単体で2,000人強、グループ全体で4,000人弱の社員を抱えていますが、社内コミュニケーションが活発であると人事担当者は述べます。スポーツや文化系のサークル活動による社員同士のコミュニケーションだけでなく、社員の家族を招いた催し物も開催されているのだそうです。また、健康促進にも力を入れており、ストレッチのトレーナーによる社内の巡回、社内ヨガ教室の開催、外部のフィットネスクラブの優待、東京下町のウォークラリーイベント等、様々な活動を行っています。
会社概要の説明が終わると、学生たちは社内見学へ。今回、見学した場所は、モーションキャプチャースタジオ、『ファイナルファンタジーXV』開発オフィス、社員食堂も兼ねているコミュニケーションスペースのLounge、リフレッシュスペースであるGardenの4か所。
モーションキャプチャースタジオでは、自社ゲームのムービーを手掛けるヴィジュアルワークス部の、ジェネラルマネージャー/チーフクリエイティブディレクターを務める生守一行氏が、直々に最先端の機材やどのようにモーションキャプチャーを行っているかを説明しました。スタジオでは、スタッフによるモーションキャプチャーの実演も行われ、学生たちは初めて見る世界トップレベルの設備や技術に興味津々の様子でした。
次に訪れたのは、『ファイナルファンタジーXV』の開発チームフロア。端から端まで見渡せる開発フロアは圧巻の一言。広い居室には、開発者のデスクがひしめき合っており、壁には設定資料や取材資料が所狭しと配置されていました。オフィスの一角にはフィットネス機器のコーナーが設置されており、座りっぱなしの作業が多い開発者への配慮が印象的でした。続いて、開発者の交流や勉強の場となっているというLounge・Gardenを周り、会社見学は終了。
最後は、スクウェア・エニックスで働くヒューマンアカデミー卒業生との座談会が行われました。登壇したのは、第4ビジネス・ディビジョン ゲームデザイナーの鈴木恭平氏。鈴木氏は、ニンテンドーDSタイトル『キングダム ハーツ 358/2 Days』『キングダム ハーツ Re:コーデッド』でバトルプランナーとプランニングディレクターを務め、現在はモバイル向けタイトルのディレクターを経て、『ファイナルファンタジーVIIリメイク』のゲームデザイナーを担当しています。
学生たちは、先輩がどのようにして憧れのスクウェア・エニックスに就職できたのかや、ゲーム開発者となってからの職場・生活環境について質問。同じ学校を卒業し、実際に第一線で活躍している先輩を前にした学生たちは、自分たちも続くことができるように鈴木氏の返答を細かくノートに書き記していました。これまで夢だと思っていた憧れの会社でゲーム開発者になることが、目の前にある実現可能な現実であるということを体感していたのではないでしょうか。
見学会が終了し、様々な思いを胸に日本各地への帰路へ着いた学生たち。数年後、もしかしたら数カ月後、彼らは開発者としてスクウェア・エニックスへと戻ってくるのかもしれません。
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