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任天堂が決算説明会―「中期目標は年間ソフト3億本」

任天堂は4月27日に開催した「任天堂株式会社 2007年3月期(第67期) 決算説明会」(会場:東京會舘)のウェブキャスティングを公開しました。説明会には岩田聡社長と専務の森仁洋氏が出席し、決算の数字や今後の方針について説明しました。

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任天堂は4月27日に開催した「任天堂株式会社 2007年3月期(第67期) 決算説明会」(会場:東京會舘)のウェブキャスティングを公開しました。説明会には岩田聡社長と専務の森仁洋氏が出席し、決算の数字や今後の方針について説明しました。

まずは岩田社長から第67期(2007年3月期)の報告があり、売上高などの数字の説明、前期との比較がされました。今回の決算では4回の業績予想の修正が行われたわけですが、その説明が行われました。その要因としては主要なハード・ソフトの出荷台数が大きく伸びたことが挙げられました。前期のニンテンドーDS本体の売り上げは2356万台、ソフトは1億2355万本、Wiiハードは584万台、ソフトは2884万本となりました。4半期毎の業績で見ても、年明けの第4四半期でも昨年の年末商戦を含む第3四半期と同程度の業績が上がったことが説明されました。

配当は配当性向50.6パーセント、年間配当690円(前年度より300円プラス)となりました。

次に欧州市場のレポートがされました。これは任天堂オブヨーロッパが英国・ドイツ・フランス・イタリア・オランダで、『脳トレ』で最初に会員制システムに登録したユーザーを対象としたもので、またゲームを購入するかという質問では「確実に(80%)」「おそらく(17%)」となり、実際に購入したゲームでは『Newマリオ』・『あたま塾』・『Nintendogs』・『えいご漬け』・『テトリス』といった名前が並びました。『Nintendogs』も欧州で強く、米国や日本を上回ったそうです。Touch!Generations以外にもマリオやポケモンなどが好調です。

国内で100万出荷があったDSタイトルは任天堂で15タイトル、ライセンシーは4タイトルでした。説明はグラスを多数用いて行われ、ゲーム市場全体が底を打ったこと、トップ売り上げソフトのリスト、そして携帯市場が伸びたことが説明され、特に2006年には据え置きと携帯が逆転しました。これにより任天堂プラットフォーム関連の売り上げは2倍に増え、シェアは41から61パーセントに拡大しました。

ニンテンドーDSの地域別売り上げでは日本が一番大きく、ついで欧州、北米という形です。、「まずゲーム人口増加が日本で起こり、次にヨーロッパ、しかし米国ではまだ」と岩田氏は説明しました。今年は米国市場に注力して、ゲーム人口増加の確かな手ごたえを掴みたい、とのことです。対してWiiは従来どおり、北米が半分程度のシェアを占め、特にソフトではきくなっていて、特に発売5ヶ月では過去最も売れたハードだそうです。

続いて2005年/2006年/2007年の直近の北米・英国・ドイツ・フランスの売り上げリストを出して、任天堂の存在感が増していることを説明しています。

続いて決算からは離れて直近の市況の説明です。トピックとしては22日の北米での『ポケモン ダイヤ/バール』の発売や、Wiiの状況です。Wiiは現在のところインターネット接続率40%、バーチャルコンソール有償ダウンロード総数330万DL(3月末)となっているそうです。これは非常に良い数字ではないかと思います。

今期の業績予想ではDSハード2200万台、ソフト1億3000万本、Wii本体1400万台、ソフト5500万本を見込んでいて、売上高1兆1400億円、営業利益2700億円、経常利益2900億円、純利益1750億円を見込んでいるそうです。200億の為替差損が起こることを見越してもこの数字です。営業利益の伸びが売上高の伸びと比較して小さいのは、利益率の低いWiiハードの閉める割合が増える、円高で売り上げが減るという2点が説明されました。

一番最後に「中期の重点目標」が説明されました。

DSについてはゲーム人口拡大ということにかなりの程度成功しつつあり、今後は一家に一台から一人一台に「所有者の生活を豊かにするマシン」としたいとしました。岩田氏は過去の限界普及台数の壁を破るチャンスがくるのではないか、とも述べています。

Wiiに関しては多彩なパッケージソフトの充実はもちろん、チャンネルも充実させ、誰にとっても関係のある、コミュニケーションを促進するマシンにしたい、「取り巻く人々を笑顔にするマシン」としたいと話ました。クラブニンテンドーの調査によれば所有者の75パーセントはリビングにおいているそうで(ゲームキューブは45パーセントだった)ということで、任天堂の戦略は上手く行きつつありそうです。

目標普及台数はよく聞かれるが、それよりはソフトが売れるマーケットを作りたいとして、前期はWiiとDS合わせて1億5000万本だったのを、中期的には年間3億本売れる市場を目指したい、そのために更なるゲーム人口の拡大に取り組んでいく、というコメントを残しました。
《土本学》
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