2005年5月、その会社は興隆を極めていました。売上高は初めて30億ドルに届き、株価は過去最高を記録し、買収に次ぐ買収、そしてスポーツライセンスの獲得・・・全てのゲームメーカーが飲み込まれていくのではないかという危惧すらありました。しかし2年後の今、投資家やアナリストは、エレクトロニック・アーツの将来に不安を持ち始めています。
「この変化はEAにとって少し苦痛に思われます」とNollenberger Capital PartnersのTodd Greenwaldアナリストは述べています。しかし「EAは800ポンドのゴリラです。彼らは常に有利に立っています」
変化とはもちろんWiiやDSによる任天堂の復権です。EAは世界一のソフトメーカーになりましたが、それはソニーがナンバーワンを取る過程と一致していました。「そこに大きな意味があります。任天堂は恐らくナンバーワンのハードメーカーでありソフトメーカーであるという歴史的な地位を取り戻すでしょう。そして他の全ては2番手を掴む戦いをするようになります」と匿名のアナリストは述べました。
もちろんこれはある程度は予測されていたことではあります。EAに限らずどのハードメーカーもプラットフォームの移り変わりは困難です。2年前、任天堂の成功を予期した人は余りいませんでした。しかもEAは実に11ものプラットフォーム、そして日米欧のみならずアジアなどでもゲームを販売しています。それにしては、EAはWiiやDSに注力する方針を掲げ、多数のタイトルをリリースしようとしています。ロンチの段階ではそれなりに成功したようです。
またEAは組織を変える議論を行っているようです。ゲームメーカーはいずれも長く続いた成長で大企業化していってきました。一度考え直す時期に来ているのかもしれません。
《土本学》
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