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『Dewy's Adventure 水精デューイの大冒険!!』インタビュー/KONAMI向峠慎吾プロデューサー

7月26日にKONAMIから発売される『Dewy's Adventure 水精デューイの大冒険!!』を手掛ける向峠プロデューサーへのインタビューを行う事ができました。場所は東京ミッドタウン イーストのKONAMI本社。この春オープンしたばかりの東京の新名所、KONAMI本社はここにありました。このまだ真新しい建物で開発が進められた『Dewy's Adventure 水精デューイの大冒険!!』、そして注目を集めるきっかけともなった前作『Elebits』について聞きました。

任天堂 Wii


―――そういう意味では今回も全く新作です。でも全然違うタイプのゲームになりましたね

『Elebits』と『Dewy's Adventure 水精デューイの大冒険!!』は、「よーいドン」で同時スタートというわけじゃないんですが、『Elebits』が始まってちょっと遅れて『デューイ』が裏で立ち上がったという同時開発のタイトルなんです。『Elebits』が終わってそのスタッフも何人か入ってます。なんで『Elebits』の続編としては作ってないんです。

なんでそうなったかと言うと、新しい企画を立ち上げようというときに何個か候補があって、そのうちの一個が『Elebits』もうひとつ『デューイ』とあって、最終的にどっちかにしようというときに、インパクト勝負でロンチは『Elebits』で行こうと(笑)。『デューイ』は謎解きアクションなんで、時間をかけてじっくり作りたかったというのもあります。逆に『Elebits』は短い期間で、勢いで作ったところもあります。そういう意味では『デューイ』は開発期間をかけてますし、『Elebits』の時は正直、グラフィックの研究をしている余裕が無かったんですが、その裏でグラフィックの研究もしていたので、絵的にも成熟した感じになったと思います。

―――それでは2つはかなり共通した部分もあるということですか?

専門的な話では、ライブラリは一部共通化して使ってます。ただグラフィック部分は『デューイ』の方が進化しているので、そこは別に作ってます。一緒にしているところもありますけど。

―――『Dewy's Adventure 水精デューイの大冒険!!』はどんな所から企画がスタートしたのですか?

企画の発想は水を転がすゲームでした。いかにもWiiのコントローラーでやりそうなゲームだったんですけど、それが気温変化によって状態が変わるという要素を持ってました。今の最終版よりも最初はもっとシンプルなもので、氷になったら堅いので敵が倒せる、水だと敵が泥んこなので敵に汚される、雲になると空を飛ぶので好きなところに飛んでいける、そんな企画でした。そこから発展させていって、気温が変わると自分の状態が変わるところから、自分だけじゃなくて環境全体の気温が変わって変化するという風にしていって、これを謎解きにすると幅が広がるんじゃないかという企画になりました。

なのでゲームは一言で言えば「気温を変化させてデューイを操ったり謎を解いたりするアクション」ですね。

―――例えばどんな謎解きがあるのでしょうか?

例えば単純なものを挙げると、行く手を阻む池がありますと。そのまま行くとデューイは水なんで、落ちてヒットポイントが減っちゃう。でも気温を下げて冷やして水の部分を凍らすと、その上をデューイは進むことができる。そういう仕掛けがたくさん入ってます。別の例では、途中に回転する仕掛けがあって、そのままでは回転しっぱなしだけど、ある一定の角度にして、凍らすとそのまま通れるというような。後半に行けば行くほど色んな仕掛けの解き方があります。でも、基本的には温度を上げたり下げたり、地震を起こしたり、風を起こしたりということなので、なんかやればなんか起こります(笑)。

―――マルチプレイはどのようになりますか?

遊んだ方は分かると思いますが、『Elebits』の時はあわてて入れたマルチプレイだったんです。単純に四人まで遊べるようにして、はいマルチプレイといった感じ。ゲーム性としてはイマイチ詰め切れてないというイメージが僕にはあるんです。『デューイ』の場合は、マルチプレイで遊ぶ場合はこう、というように一から作ったので凄く面白い物になってます。ルールはメインモードと違って、星があってその取り合いです。面白いのが、場から星が無くなったら、相手を攻撃して星を落とさせて取ることができるんです。とても熱い戦いになると思います(笑)。


また、前作はヌンチャクも必要だったのですが、やっぱりヌンチャクを何個も揃えるのはなかなか大変ですよね。今回はリモコンだけでできるので気軽にできると思います。

―――今回のエディットはどのような内容になるのでしょうか?

『Elebits』の場合は、オブジェクトを置いて、エレビッツを置いて、フィールドは元々あるのが入ってて、といった形でしたが、『デューイ』の場合は専用のフィールドが用意されていて、これを自由に弄って使えます。フィールドの形は帰られて、坂道を作ったり、段差を作ったり、その上に仕掛けや敵やアイテムを配置する、ステージをまるまる作るようなイメージです。もちろんWiiConnect24で交換できます。

―――なるほど。今回はかなり自由度が高そうですね。こんなステージを、という期待はありますか?

実はスタッフの中で期待しているものがありまして。『Elebits』の時もピタゴラ的なノリのものが流行ってたと思うのですが、ああいうノリのステージが『デューイ』ならもっとうまく作れそうだなと。坂道ではデューイは滑って行くのですが、そこに入るとデューイが「ピョーン」と飛ぶような仕掛けユニットも色々な種類があって、それと坂を上手く組み合わせるとデューイを操作しなくても、ゴールまで導けるようなステージが作れるんじゃないかなと。ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

(*)「ピタゴラスイッチ」HNK教育テレビで放送中。最初のきっかけを人力で与えた後は、すべての動きが連鎖して起きてゴールまでボールを導くという装置を紹介する「ピタゴラそうち」というコーナーがある。密かに大人に人気。

―――ゲームのボリュームはどのくらいでしょうか?

たぶん『Elebits』と同じくらいあると思います。そのまま、ただ解くだけならばそんなに時間はかからないと思います。ただ解いた後のやりこみをやってほしいんですね。それをやるとトータルでどのくらいかかるか分かりませんね。今回もエディットモードを入れましたので、ステージを作って交換してもらったり、色々な遊び型がありますのでやってみてください。具体的に何時間だと言えば、すっごいエキスパートな人なら10時間あればエンディングを見れるかな。普通の人だと20時間くらいかなと思います。

―――具体的なやりこみ要素とは

ステージの中には、「オー」という敵に捕まってしまった仲間がいるんです(1ステージ目のオーはキノコみたいな姿)。各ステージに100匹いるんです。それを全部解放するとコンプリートなんですけど、そのコンプにはタイムがあって、どれだけ早く全部のオーを解放してゴールするかというのが裏の遊び方というか、それを目指していくとまたアイテムが手に入ったり、隠しアイテムがあちこちにあって(エディットモードで使うパーツとか)、そのパーツがちょっと謎解きの中に紛れてあったりするので、それを見つけるというのもいいと思います。あとは裏ルートとかもあるので、それも見つけないとオーが全部見つからないというなやり込み要素は沢山あります。

―――キャラクターや音楽は向峠さんのチームのテイストなんでしょうか

『Elebits』もそうですが、なんとなくこうなっちゃうというような感じですね。今回も絵本のような絵が登場しますが、ああいうテイストですよね。うちのカラーなのかなと思います。

音楽に関しては『Elebits』とは少し違うテイストですね。一応テーマ曲はあるんです。曲は何かしら全編通してのテーマが流れています。オープニングムービーでも、ストーリーの中で、「この曲なあに?」と語られるように、ストーリーにかかわるのものなで実際触ってみてのお楽しみに、ということで!

―――ホビーフェアやおもちゃショーで実際に触って貰ってどうでしたか?

遊んでくれたのは小学校の低学年のお子さんが多かったのですが、とても評判は良かったですね。「出たら欲しい」というような意見が多かったですね。このゲームを知ってるかというと、初めて出たタイトルなので、知名度はないですが、食いつきはいいという感じでした。財布を握ってるのはお母さんお父さんだけど、自分としては欲しい、みたいな(笑)。

―――Wiiで2タイトル作ってみて、こんな機能やジャンルに可能性を感じた、というのはありますか?

Wiiはまだまだ色んなことができると思いますね。

『Elebits』でFPSはいいと単純に思いましたし。まあ他がやってくるでしょうけどね。『デューイ』では傾きを使いました。次やると何か?、というと難しいですが、あまり使いきれてないのはオンライン機能だろうと思います。ニンテンドーWi-Fiコネクションを使った何かというのはこれから可能性が手でくるんじゃないでしょうか。WiiConnect24は使いましたが、あれも使い方次第で面白いことができると思いますが、あまり他の会社はやってきませんね。そろそろコントローラーの目新しさというのが普通のものになってくると思うので、今度はオンライン機能を使うとか、そっちの方で遊びを広げていけたらいいなあと思いますね。

―――向峠さんとして今後こんなゲームを作ってみたいというのはありますか?

今までオリジナルゲームをやってみて、今までなかなかチャンスがなかったのですが、実現することができました。ただ、『Elebits』は昔からアイデアがあって、いつの日か作りたいゲームだったということではなく、Wiiのああいうコントローラーがあって出たものです。でもオリジナルの良いゲームを作りたいという意味では達成できたと思います。

で、どういうジャンルが作りたいかというと、ロールプレイングを作りたいんです。今は作ってないですよ(笑)。アクションRPGとかやりたいですね。そういう要素も『デューイ』にはちょっぴり入ってるかもしれません。謎解きで、アクションで、という。でも実際にRPG作るとなると色々大変だろうなと。

―――最後に期待している読者に一言お願いします

はい。まず、『Elebits』を遊んで頂いた方には、非常に期待通りのものになっていると思いますので、ぜひ買ってプレイしてください。

これが初めてという方には『Elebits』はFPSっぽくてちょっととっつきにくいかなという人もいたと思うのですが、今度はキャラが画面内にいて、とっつきやすいアクションゲームになってますので是非やったことない人もプレイして欲しいですね。どうぞ宜しくお願いします。

―――本日はどうもありがとうございました!

(C)2007 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.
《土本学》
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