見吉氏がセガに入社したのは、ネットワークゲームを作るため。ゲームのダウンロード販売の先駆けと言える『ゲーム図書館』でゲームを開発するなど、そのキャリアは常にネットワークと共にありました。
そんな氏が手がけたのが、家庭用ゲーム機では初の全世界対応オンラインゲームである『PSO』。「ジャンルを普及させる存在として、ネットワークゲームの『ドラゴンクエスト』を目指す」というコンセプトのもとで開発がスタートしました。時代が時代だけにスタッフもネットワークゲームをプレイしたことがなく、まずは他社のゲームで面白さをレクチャーするところからスタート。ジャンルはアクションRPGに決定するも、当時の回線事情にあわせてナローバンドでも実現できる内容を志向。全てが未整備だったため、ライブラリの不具合を修正しながらの開発となりました。
2000年末にドリームキャストで発売された『PSO』は、2〜3ヵ月間プレイできる設計となっており、ユーザー数もそれに会わせて推移。大型アップデートがないとユーザー数の減少も激しいということが改めて浮き彫りにされました。また、データの改造から、他のユーザーのデータを破壊するものまで様々なチートが横行。クライアント側のアップデートが不可能であるためサーバー側で対応したものの根絶には至りませんでした。
後に発売された『PSO』のPC版は台湾・韓国などアジア圏でも展開されましたが、ここでもチートへの対応が問題に。データをクライアント側に保存していたため、チートへの対応ができなくなり、台湾・韓国共に最初の一ヶ月でユーザー数が激減する事態となりました。この反省から中国の『PSO BB』ではサーバー側にデータを保存。チート対策を行ったため、ユーザー数は緩やかな降下曲線を描くこととなりました。
『PSU』(ファンタシースターユニバース)では「2年間以上運営すること」をコンセプトに、チート対策としてクライアント側もアップデートできる構造に。2008年8月末をもって24ヵ月運営という目標が達成されました。但しトラブルがなかった訳ではなく、発売直後3万5千人程度のアクセスを見込んだところに5万人が集中、ゲームに接続できないという大規模なトラブルが発生。更に課金システムの変更が重なり、最初の5ヵ月でユーザー数が大幅に減少することとなりました。
『PSU』では発売直後の接続トラブルから見吉氏のブログに批判のコメントが殺到。これを見たスタッフが精神的に不安定になるといった事件が発生。『PSO』ではBBSを荒らすユーザーが出現、弁護士との連携を含めたワークフローを制作しながら対策するなど、ネットワークゲームならではの事例も解説され、見吉氏は「ネットワークゲームの運営にはメンタル面でのメンテナンスも必要」とする見解を明らかにしました。
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