今週は、海外から対照的なゲーム評価が発表されました。 海外サイトGameDailyは「ゲームのベスト悪役25」をランキングしています。 半分近くを日本ゲームの悪役が占めており、『ゼロウイング』のCATS、『スーパーマリオブラザーズ』シリーズのクッパ、『ファイナルファンタジー』シリーズのセフィロスなど様々なジャンルのキャラクターをピックアップしています。 キリスト教系の投資会社Timothy Planは2007〜2008年に発売されたゲームを採点。 上位のものを「最も不快なビデオゲーム」としてクローズアップしています。 Timothy Planはキリスト教の教義に基づいて投資を行う投資会社。 ゲームを「セックス」「裸」「ゲイ・レズビアン」「暴力」「カートゥーンな暴力」「言葉」「マンガ的なイタズラ」「ドラッグ」「アルコール」「煙草」「ギャンブル」「悪魔崇拝」「ゲーム依存」といった観点から採点しています。 「ゲームのベスト悪役25」は印象的な悪役が上位に来るという方式。ゲーム内で良い仕事をしている部分を探そうという視点に基づいています。「最も不快なビデオゲーム」は問題ゲームが高得点を得る方式。ゲームの中で宗教的に問題のある部分を探す視点に基づいています。対照的な評価方法であるといえるでしょう。 「最も不快なビデオゲーム」では、アメリカンフットボールゲームの『Blitz, The League II』で怪我をした時に体の内部構造が見える演出が取り上げられ、二人の兵士のコンビネーションがテーマとなっている『アーミー オブ ツー』(ARMY OF TWO)は「言及されないものの二人の間にはホモ・エロチックな雰囲気がある」とコメントされています。 これは、ゲームというものがどのように見られがちであるかを示す良い教材であり、こうした評価に対する自分なりの言葉を持てればベストなのではないでしょうか。 「最も不快なビデオゲーム」は「どのような立場に立って言葉を発しているか」を明らかにしています。Timothy Planの公式サイトには、アルコールや煙草、ギャンブルなどを扱う会社に投資しないという見解が明らかにされています。 採点項目は「セックス」「裸」「ゲイ・レズビアン」「暴力」「カートゥーンな暴力」「言葉」「マンガ的なイタズラ」「ドラッグ」「アルコール」「煙草」「ギャンブル」「悪魔崇拝」「ゲーム依存」というアルファベット順ではない並びとなっており、同社が何を問題としているかを明確に示しています。 Timothy Planの「最も不快なビデオゲーム」というリストは、性描写と暴力描写を問題とするキリスト教系投資会社の作ったものであり、そこに注目することで見えてくるものもあるはずです。逆に、自分の立場を隠して発せられる言葉にこそ最も注意すべきでしょう。 ゲーム産業は巨大になり、その影響力も大きなものとなっています。それゆえに、様々な立場の視線にさらされることは避けられません。これは一つの試練であり、ゲームを趣味とするのだからこそ、様々な視点への自分なりの言葉を持ちたいところではあります。
《水口真》
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