人生にゲームをプラスするメディア

「暴力描写がゲームを楽しくするわけではない」−米調査結果

過激な暴力描写を扱う海外ゲームが増えていますが、「暴力描写がゲームを楽しくするわけではなく、暴力描写よりもチャレンジが好まれる」とする研究結果が発表されました。

ゲームビジネス その他
過激な暴力描写を扱う海外ゲームが増えていますが、「暴力描写がゲームを楽しくするわけではなく、暴力描写よりもチャレンジが好まれる」とする研究結果が発表されました。

米ロチェスター大学とImmersyve社は2670名のゲーマーと300人の学生を集めて暴力描写がプレイへのモチベーションに与える影響を調査しました。

実験の一つは『Half-Life 2』を改造したもので行われました。
暴力描写が過激なものと暴力描写が皆無のものをプレイして貰い、再度ゲームをプレイしたいかどうか尋ねたところ、暴力描写とゲームの満足度は無関係という結果が出たとのこと。暴力描写が過激なものはショットガンを武器とした血まみれの戦闘が行われ、皆無のものはサイキックパワーを使った鬼ごっこ的なゲームとなり攻撃された相手は蒸発するかのように空中へと浮かんで消えたといいます。

調査を行った一人であるAndrew Przybylski氏は社会心理学を研究する大学院生で「暴力的なコンテンツそのものがゲームを遊ぶモチベーションとなるのかどうか知りたかった」と語ります。「ゲームの人気は、プレイヤーが共に相互作用し上達する余地を与えることにある」「彼らが引き金を引いていた時は本当の喜びを得ませんでしたが、次に何を成すべきかの目的を与えた時、ゲームを再度プレイしたいと答えたのは攻撃性の低い人々でした」とコメント。暴力描写とゲームの満足度は無関係であり、プレイヤーに目的を与えることが重要であるとする見解を明らかにしました。

Immersyve社の社長であるScott Rigby氏は「我々の調査は、暴力が価値を構成する要素ではないかも知れないことを示しました。これは市場を広げると同時に、開発者は暴力から解き放たれたデザインができます」とコメントしています。

海外市場で暴力描写が重視される中、任天堂は過激な暴力描写を含まないゲームをリリースし続けていますが、今回の調査結果があらゆる状況に当てはまるとするなら、任天堂の手法の有効性を示すものとも言えるのではないでしょうか。
《水口真》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. ゲームプロモーションは何が大事? ネクソン最新作「カウンターサイド」担当が語る“今やるべきプロモーション術”

    ゲームプロモーションは何が大事? ネクソン最新作「カウンターサイド」担当が語る“今やるべきプロモーション術”

  2. ジェームス・ボンドはゲーマー?

    ジェームス・ボンドはゲーマー?

  3. 自分のファンを大事にしたゲーム開発で劇的な広告収益を実現・・・『俺の農園と弁当屋』のAlchemister

    自分のファンを大事にしたゲーム開発で劇的な広告収益を実現・・・『俺の農園と弁当屋』のAlchemister

  4. なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る

  5. 「キミの心の応援団長」バーチャルYouTuber富士葵が込める想いとはーーキーマンインタビュー

  6. アバターの口の動きがより滑らかに!音声認識リップシンク「CRI LipSync」が「Animaze」に標準搭載

  7. ゲーム開発のマイルストーン社長が逮捕、金融商品取引法違反

  8. 「パワプロ」生みの親、大阪電通大教授・長江勝也さん死去

  9. 戦慄ホラー『Outlast 2』開発元が「専用おむつ」を発表!ファンからの「漏らした」報告を受け

アクセスランキングをもっと見る