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【ゲームニュース一週間】ゲームを高くすることと安くすることのメリット

「物理的なディスクを中心とするビジネスモデルは焼けるような状態だ」

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「物理的なディスクを中心とするビジネスモデルは焼けるような状態だ」
EA SPORTSの最高責任者であるPeter Moore氏の発言はゲーム流通への危機感を表しているかのようです。

Moore氏は物理的なパッケージをやり取りする現在の流通形式を「焼けるような場所」であり、ここに留まるのは「確実な死に直面する」ことであると表現。ダウンロード販売とパッケージ販売のハイブリッド方式が現実的な解決策であるとしています。

『World of Goo』(グーの惑星)の2D BoyはPC版のダウンロード販売において「ゲームをユーザーの好きな価格で販売する」というキャンペーンを展開。定価である20ドル(約1840円)に対し、ユーザーたちがゲームに支払った価格の平均は2.5ドル(約230円)。5ドル(約460円)~9.99ドル(約920円)支払ったユーザーが29.2%と最も多く、定価である20ドル以上を支払った人は1.9%と2番目の少数派となっています。
同社のRon Carmel氏は「ゲームの価値というものを直感で決め購入に繋げるユーザーがこれだけ多く存在する事が分かったと言えるのではないか」と語っています。

従来の方法は、ディスクやカートリッジ、カードという物理的なメディアを販売するもので、実体が手にはいるという分かりやすさがあります。
英国のゲームショップGamestationが予定している『ゼルダの伝説 大地の汽笛』の限定版『The Legend of Zelda Spirit Tracks Limited Tin Edition』は通常版より高いのですが、金属製ケースとフィギュア2体が付属しており、高い満足度を提供してくれます。
対するダウンロード販売はデータのみであり、それゆえに流通コストがかからず在庫のリスクもなくなります。また、『World of Goo』のキャンペーンのように、価格を自由に変えることができます。

物理的なメディアや特典の品々は豪華さをアップさせ、ゲームをより印象的にしてくれます。ダウンロード販売における値下げキャンペーンはSteamでの例を見るように効果的で、うまくいけばユーザー数を伸ばすことができます。より豪華にしやすいのが従来の方法、より安くしやすいのがダウンロード販売といえそうです。

ただ、金属製ケースやフィギュアも、どんなタイトルにでも付ければ効果的という訳ではありません。ゲーム及びシリーズが大きな力を持ち、限定版を買うことが一つのイベントとなる位に昇華している必要があります。

野心的なアイデアが許容されるダウンロード販売でシリーズを立ち上げ、ブラッシュアップすることでブランドとして確立、価値を高めた上でパッケージ販売へ移行、限定版などで満足度を高めていく……これがMoore氏のいうハイブリッド方式におけるシリーズの成長なのかも知れません。

一方、ダウンロード配信も完全無欠の楽園とはいかないようです。
キュー・ゲームスの代表取締役であるDylan Cuthbert氏は、自社が開発した『ピクセルジャンク モンスターズ デラックス』に関して語り合うチャットで「全員がリッピングしたバージョンで遊ぶ話をしていた」光景を目撃し、「あまりに多くの著作権侵害があった」とコメントしています。氏はデモ配信やシリアル番号などの対策に関しても「著作権侵害には何の効果もないだろう」と悲観的です。

物理的な実体が存在しないため、正規ユーザーと非正規ユーザーの間に差が出づらいこと、これはダウンロード販売の大きな弱点といえそうです。ダウンロード販売がいくらローリスクで実験的な作品を許容するとはいえ、対価が支払われなければシリーズが開花することはあり得ません。明日のゲーム界を作るのも、野心的なアイデアを支えるのも、正規に支払うゲーム代なのです。
《水口真》

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