「3D映像は映画ビジネスを保護するための手段として使われた」と海外の業界人は指摘します。 3D Gaming SummitのコプロデューサーであるRobert Dowling氏は、これまで3D映像が普及しなかった理由に関し「映画業界はTVやDVDといった脅威が登場するたび、自分たちのビジネスを守るべく(映画館でしか見られない)3D映像に食指を伸ばすものの、これらの脅威が大したことないと分かると熱意を失った」とする説を展開。 しかし映画「アバター」の成功はこれまでとは質の違ったものである、と氏は語ります。「映画「アバター」の成功により、クリエイティブな人々は「よりよい物語を語るためのツールとして3Dを使えるようになったと信じた」 こうして映画業界には3D映像を普及させる理由と動機が生まれたわけですが、これにはゲーム業界が大きな役割を担っているといいます。 「3D映像、TV、ゲーム機の全てが結合し、お互いを補い合う存在となることで産業は本当に巨大なものとなる」 「アバター」のジェームズ・キャメロン監督はミーティングで常々「3D映像を“スクリーン”ではなく、世界に入るための“窓”に変えたい」と語っていたといいますが、Dowling氏はこれこそ3Dゲームをも普及させる鍵である考えているようです。 「ゲームを遊ぶということは経験するという側面が強い。消費者が中に入れるような3D映像ならその経験はより深いものとなり、誰もがその一部になりたがるだろう」 「中に入れるような3D映像」とはもちろん文字通りの意味ではありません。 単に映像を見るものではなく、体験するようなものになるなら3Dゲームは成功するだろうとゲームプレイの重要さを説いているのです。 これまでも何度か3D映像が持ち上げられては普及しなかったわけですが、今回のブームにはクリエイターからの後押しが加わっており、映画とTVとゲームの融合がかかっている・・・とするのが氏の主張。 業界的な意義はこれまでよりも大きいわけですが、業界側が価格などの諸問題をいかに解決するか、今後の取り組みが注目されます。
《水口真》
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