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Epic Gamesのジェイ・ウィルバー氏に聞く今後の「Unreal Engine」~日本法人新オフィス訪問

エピック・ゲームズ・ジャパンは「Unreal Engine」の日本での本格的な普及を目指して今年から本格的に事業を開始しました。

ゲームビジネス 開発
Epic Gamesのジェイ・ウィルバー氏に聞く今後の「Unreal Engine」~日本法人新オフィス訪問
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エピック・ゲームズ・ジャパンは「Unreal Engine」の日本での本格的な普及を目指して今年から本格的に事業を開始しました。今回、東京ゲームショウに合わせて本社でVice President Business Developmentを務めるジェイ・ウィルバー(Jay Wilbur)氏が来日しましたので、8月から始動した横浜・馬車道の真新しいオフィスでお話を伺いました。

ジェイ・ウィルバー氏


―――日本オフィスの立ち上げから半年ですが、状況はいかがでしょうか?

成長しています。正式に発表されたグラスホッパー・マニファクチュアが開発する『Shadows of the DAMNED』(発売元:エレクトロニック・アーツ)や、サイバーコネクトツーの開発する『ASURA'S WRATH』(発売元:カプコン)など採用タイトルも増えています。ジャパンが立ち上がるまでは、世界中のライセンスを見ている私が担当していましたが、時間も来日の機会も限られるのでもどかしく感じていました。日本のゲーム業界に精通した二人が専任で就き、顔が見える存在になっているので頼もしく感じています。

広々とした新オフィス


―――今回の来日の目的は?

東京ゲームショウと、それからGameBusiness.jpのためだね(笑)。パートナーさんや感心を持っていただいている色々なお客さんとミーティングをする予定です。本社の人間がときどき来日してお話をするのも必要かなと思っています。

―――ゲーム業界全体が調子が悪く、バジェットが減っている中で、比較的大規模なプロジェクトを得意とする「Unreal Engine」の戦い方は?

日本に限らず、我々が「Unreal Engine」をオススメする際に強調するポイントは、「より小さなコストでもっと多くの事が実現できますよ」ということなんです。同じようなエンジンを作ろうとすれば時間もお金も沢山かかります。「Unreal Engine」を使えば、すぐにゲーム作りをスタートできます。時間もお金も大きく圧縮することができます。

―――iOSバージョンも登場しましたね

僕らはみんな個人的にiPhoneを好きで持っていて、ゲーム機としても非常に良い物だということに気付いたんです。バージョンを経る毎に性能が上がってきていますし、家庭用ゲーム機と比べても遜色のないものになってきています。これまでのiPhoneゲームも大好きですが、「Unreal Engine」を提供すればもっとAAAの大作をiPhoneでも実現できるんじゃないかと思ったんです。その手始めとしてiPhone版のUnreal Engineを採用した『エピック シタデル』を作りリリースしました。

―――iOS向けは既に提供開始されているのでしょうか?

既にパートナー向けには提供開始しています。UDKバージョンも準備中です。つまり無料で、誰にでも利用いただくことができるようになります。

―――Androidなど他のスマートフォンプラットフォームにも?

もちろんです。(と、ここでサムスンの新端末「Galaxy S」で動く『エピック シタデル』を見せてくれました。iPhone版と遜色なく、美麗なグラフィックで動く様子は感動モノ。時期は未定ながら、いつでもリリースできる雰囲気でした)

Android版『エピック シタデル』


―――これまでは家庭用ゲーム機が主戦場でしたが、今後は3DSやPSP2のような携帯ゲーム機にも領域を広げていくのでしょうか?

現時点で公式なアナウンスをしているのはiOSとAndroidだけですが、今後発表されるプラットフォームに関してももちろん否定するものではなくて、性能や状況を見ながら検討していくことになるでしょうね。ただし現時点で言えるものはありません。

―――3D立体視やモーションの対応はどのような状況でしょうか?

3D立体視に関しては早くから研究を行っていて、何社かの有力な3Dベンダーやチップセットメーカーと協力して技術を提供しています。ライセンシーから要望があれば、それに必要な機能をお出しするという形です。史上初の3D立体視対応タイトルとなったアイドスの『Batman Arkham Asylum (Game of the Year Edition)』はUnreal Engineで動いていて、とても誇りに思っています。

モーションに関してはUnreal Engineの中で直接サポートは行っていないのですが、もちろんハード側のAPIのやりとりで使えますので、Unreal Engineでもモーション対応タイトルは当然開発できます。実際にKinectやMoveのタイトルで採用しているものも幾つかあります。どちらもロンチラインナップの中の数タイトルはUnreal Engineを使っています。

―――昨年末にリリースしたUDKは広がってきているのでしょうか?

UDK自体はこれまでに35万ダウンロードされています。使われたゲームは数が多すぎてちょっと分かりません(笑)。ゲーム以外にも我々が思ってもみなかったような使われ方もあって、役所がドライビングシミュレーターに使ったり、アニメを作るために使うというような事例も出てきています。

―――UDKのライセンスが御社のビジネスの中に締める割合というのはどのくらいなのでしょうか?

いい質問だね。でも公開企業ではないので業績に関しての開示は行っていないません。ただ、UDXの商用利用も非常に伸びてきているということは言えます。

―――数年後には「Unreal Engine 4」なども控えると思いますが、エピックが考える次のゲームテクノロジーの進歩とはどういうものなのでしょうか?

エピックの本社ではティム・スウィーニー(創業者でCEO)を中心とした小さなチームが「Unreal Engine 4」を含めて次世代の技術の研究を行っています。ただ、次世代機のアーキテクチャやスペックがまだ出てこないので正確に求められるテクノロジーというのは不透明です。

私個人の予測としては、過激なマルチコアを搭載したものになるんじゃないか思っていて、それを使いこなせるマルチスレッド技術が求められるんじゃないかと考えています。

とはいえ、次世代のハード側の話が聞こえてこないし、まだ誰も知らないので何とも言えないですね。

―――それでは日本のゲーム開発者に最後に一言をお願いします

日本でも大手のパブリッシャーではグローバル志向での物作りというのが定着してきたと思います。そして今後は中小のデベロッパーにおいても、世界を見てゲームを作る必要があるんじゃないかと思います。確かに日本はゲーム発祥の地であり、非常に大きなマーケットを持ちます。その一方で、経済的な低迷や開発費自体の高騰があり、もっと大きく世界全体の市場を考えなければゲーム作りが難しくなっています。

我々はUnreal Engineというその為の強力な武器をぜひ皆さんと共有したいと思っていますし、そうした世界を見据えた物作りや新しい市場へのリーチといったことも相談いただければ、日本のデベロッパーの皆さんと一緒に戦っていくつもりです。ぜひ今後の展開にも期待ください。

左からエピック・ゲームズ・ジャパンの河崎代表、ジェイ・ウィルバー氏、サポートを担当する下田氏
《土本学》
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