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技術と企画の幸運な出会い・・・NHN JapanとCRIのコラボレーション『倉木麻衣★ムービーパズル』

倉木麻衣さんのミュージッククリップを収録した、世界初の動く映像によるスライドパズル『倉木麻衣★ムービーパズル』。「ハンゲーム」でおなじみのNHN Japanから、無料リリースされたiPhoneアプリです。

ゲームビジネス 開発
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倉木麻衣さんのミュージッククリップを収録した、世界初の動く映像によるスライドパズル『倉木麻衣★ムービーパズル』。「ハンゲーム」でおなじみのNHN Japanから、無料リリースされたiPhoneアプリです。一方、本アプリの開発を下支えしたのが、CRI・ミドルウェアの動画技術「ジグ動/JIG-do」(以下JIG-do)。両社のコラボレーションがどのように進んだのか、NHN、CRIの開発スタッフに伺いました。

■出席者

NHN Japan
・室田典良(スマートフォン事業部 事業部長)
・安居君華(スマートフォン事業部 事業プロデュースチーム プロデューサー)

CRI・ミドルウェア
・幅朝徳(モバイル事業推進部 部長)
・畑圭輔(モバイル事業推進部 ディレクター/iPhoneエヴァンジェリスト)



―――今日はよろしくお願いします。最初に皆さんの簡単な自己紹介をお願いします。

室田: NHN Japanスマートフォン事業部の室田です。昨年夏からスタートした、弊社のスマートフォンサービスを統括する部署を担当しています。本プロジェクトでの役割ですが、自分はこれをやりたいと、強く願うことだけをしました(笑)。とにかく出したいので、一緒に頑張りましょう!と言い続けていました。

安居: NHN Japanの安居です。本作ではディレクションを担当しまして、開発からリリースまで担当いたしました。

幅: CRI・ミドルウェアでモバイル事業推進部の部長をしている幅です。室田さんと一緒に、本プロジェクトの立ち上げにかかわらせていただきました。弊社の「JIG-do」という技術を世に出すにあたって、どのような形が良いか検討を続けていたのですが、幸いにも室田さんから熱いラブコールをいただきまして、iPhoneアプリという形でリリースすることができました。

畑: 同じくCRI・ミドルウェアの畑です。本アプリのプランニングからディレクション、プログラム全般を行いました。本アプリのデザインは、伊南 大氏(dddartwax)にお願いしました。厳しい納期ではありましたが、無事3月9日の新曲「1000万回のキス」発売に、アプリを間に合わせることができました。

―――アプリの概要を簡単に教えてください。

NHN室田氏
室田: 倉木麻衣さんのミュージッククリップ2曲が収録されたパズルゲームです。絵合わせ(いわゆる神経衰弱)とスライドパズルの二段構成で、クリアするとノーマルモードでは「FUTURE KISS」、ハードモードでは新曲「1000万回のキス」のミュージッククリップをフル画面で楽しめます。ノーマルモードは動画が15ピース、ハードモードでは24ピースに分割されており、スライドパズルになっています。静止画ではなく、各ピースが動画になっている点が最大の特徴です。

―――どういった経緯で開発が始まったのですか?

室田:出会いの場は、昨年のある飲み会でした。そこで幅さんから「JIG-do」のデモアプリを拝見して、すぐにラブコールを送ったんです。非常にすばらしい技術だし、これを世の中に送り出していく上で、何か協力しておもしろいことができるんじゃないかと。それで、最初は「年内に出しましょう!」と言っていたんですよね。

幅:飲み会自体が、去年の寒くなりはじめの頃でしたから、いきなりの無茶ぶりでしたね。

室田:さすがに年内は無理でしたが、インパクトのある形で世に出していこうと、共感はいただけました。というのも、いくらすごい技術でも、それだけでは興味を持っていただくのは難しいんですよね。そこで音楽や動画などの素材と相性がよさそうだということで、普段おつきあいのある音楽事務所や制作会社にお声がけしたところ、倉木麻衣さんの所属事務所から前向きなお返事をいただきまして、制作がスタートしました。

―――絵合わせとスライドパズルの二段構成になった理由はなんですか?

室田: そこはすごく悩んだところです。当初幅さんに見せていただいていたデモは、ジグソーパズルのピースに動画が載っているものでしたが、本当にそれでいいのか。また、どうしたら多くの方に、手軽に遊んでもらえるか、試行錯誤しました。そこで今回は、アルバムのジャケット写真を用いた絵合わせと、バラバラになった動画を1つの動画に組み立てていくスライドパズルの二段重ねの形におちつきました。

―――CRIさんとして、JIG-doとアーティストの組み合わせを、どう捉えていますか?

CRI幅氏
幅: 最初に「技術は提供するので、コンテンツは任せます」とだけお伝えしました。というのも、弊社でもJIG-doをデモするにあたって、自社で制作した動画素材などを使っていたのですが、今ひとつ魅力が出ないんですね。そこで、ここは全てお任せした方が良いだろうと。その結果、すばらしいアーティストを選択いただいて、本当に感謝しています。今だから言えますが、実は私はデビュー当時から、倉木麻衣さんの大ファンなんですよ。

安居: ええっ? そうなんですか。それはまったくの初耳でした。

畑: まったくの偶然ですが、僕もファンでした。そのため、最初にお話をいただいた時は、本当にビックリしましたね。

室田: いろんな意味で、私も驚きです(笑)。もっとも倉木さんに決まったのには、ちゃんと別の理由もありました。もともと倉木さんは、アーティスト活動に最新技術を取り入れることに前向きな方で、ブログも最初期から始められていたほどなんです。女性アーティストなので、男性ファンもさることながら、KOSE「エスプリーク プレシャス」CMソングでご自身が出演されるなど、女性ファンも増加中という背景がありました。また倉木さんのファン層が少し年齢層が高めということで、iOSユーザーの主要ユーザー層である、30代後半から40代前半にマッチするんじゃないか、という考えもありました。

幅: さらに、ちょうど新曲がリリースされるという話もありまして。

室田: 倉木さんの方で、昨年末から全国ツアーを開始されるという話があり、それもあって早期リリースをめざしていたんです。ただ、やっぱり時間的に厳しくて。そんな時に3月に新曲が発表されるという話をいただいて、しかもKOSEさんのCMタイアップ曲ということだったので、じゃあそこにリリースを合わせましょうと。そこから逆算してスケジュールを組んでいったんです。当然、鬼のようなスケジュールになりましたが(笑)。中でもApp Storeの審査時間が不明だったので、みんな、かなり苦労しましたね。

―――開発期間はどれくらいでしたか?

幅: JIG-do自体はライブラリとして確立していましたが、ゲームの仕様にあわせたり、素材を撮り下ろす必要があったりで、実質1ヶ月弱だったと思います。

室田: 最初は「JIG-do」というくらいだから、ジグゾーパズルにしなくちゃいけないんじゃないか、とも思っていたんです。ただ、いろいろ考えて、やっぱり「わかりやすさ」や何度でも遊んで頂けることを重視しようということになり、絵合わせとスライドパズルの二段構成をお願いしました。それも1ヶ月弱の間の話でしたから、今さらながらに無茶な注文でしたね(笑)。

―――倉木麻衣さんが題材だった点が大きかったのではないでしょうか?

室田: 実際、開発途中のデザインから、すごくよかったんですよ。きっと誰かこだわっている人がいると思いましたが、実はみんなこだわっていたんですね(笑)。こうしたアプリ開発では、事務所側の細かい指摘が何度となく繰り返されるのが通例ですが、今回は非常に少ない回数でチェックが終わったんです。そこも短期間でリリースできた要因でしたね。

―――僕も倉木麻衣さんの大ファンなので、取材に来られて良かったです。でも、スライドパズルが動画になったことで、結構難しいですよね。

室田: ついつい調子に乗っていったら、難易度が上がってしまいました。ただコツをつかむと、けっこう早く解けるようになるんです。また事務所側からも、パズルを何度も解きながら、くりかえし音楽を聴いてもらうことで、音楽を好きになってもらえたらありがたいというお言葉をいただいていました。ファンの方にしてみれば、そこはあまり気にならないんじゃないか、とも思ったので、この内容に落ち着きました。

NHN安居氏
安居: スライドパズルについては、非常にやりこみ要素があるなあ、と思います。私も最初は全然解けなかったんですが、何度もチャレンジしていく中で、サクサクと解けるようになりました。また、私は倉木さんのファンというわけではなかったのですが、開発を通して親しみがわいてきて、今ではカラオケでも歌えるくらいになったんです。そういう魅力のあるアプリに仕上がったと思います。

幅: 実はアプリには弊社のインアプリ告知エンジン「CLOUDIA」も組み込まれていて、楽曲が直接、iTunesでダウンロード購入できるようになっているので、気に入った方はぜひ。

安居: ただパズルを解くだけでなく、クリア時間を短縮することで、倉木さんのスペシャルフォトを閲覧することもできます。もっと写真を増やして欲しいという声もあって、大成功だったと思います。

―――他にユーザーさんの反響はいかがですか?

安居: ユーザーさんからの評価が非常に高いんですね。弊社の他のアプリでは、いろいろと厳しいご意見もいただいているものもあるんですが、App Stroeのユーザーレビューで4.5をいただいています。すごく新しいアプリであるとか、はまるとか。

室田: 僕等にとっても試金石的なアプリでしたので、お客様からどういう評価がいただけるのか、内心ドキドキだったんですよ。おかげさまで、期待以上の反応をいただけましたので、良かったですね。今後は、この枠組みを使いながら、他のアーティストさんや、他の動画コンテンツに、展開を広げていくつもりです。その意味でも良いスタートが切れました。

安居: 無料アプリであることに驚かれたユーザーさんも多かったようですね。

幅: クリアするとPVが2曲分見られるわけなので、これは凄いことですよ。

室田: 倉木さん自身もこのアプリに非常に喜んでいただいたようで、ありがたいですね。今後も、新しいアプリの形や、音楽流通の提案ができれば、良いかなと思っています。年内中に大きなトライアルを進めていきたいですね。

―――アーティスト側としては、どのようなメリットがあるのでしょうか?

室田: 背景には複数の要素があると思っています。音楽CDが売れなくなってきている、ダウンロード市場も伸び悩みなどがある、といった中で、音楽コンテンツの展開に、皆さん苦労されていらっしゃいます。そうした中、こうした「ゲームなんだけど、音楽である」というアプリケーションを、新しいプロモーションや収益源に活用できる点が大きいのではないでしょうか。実際、このアプリを他のレコード会社や事務所の方々にお見せしている最中なのですが、どこでも良い反応が返ってくるんですよ。

―――NHNのスマートフォン戦略の中での位置づけは?

室田: これまでiOSとAndroid向けに全54タイトルを展開していますが、今後のラインアップの一つに定番ゲームの強化があります。もっとも、定番アプリを展開するだけでなく、何かお客様に驚いてもらえるような新しいチャレンジを行ったアプリを提供することで、ハンゲーム自体の魅力を高めることも重要だと思っています。実際、今回の取り組みは、ゲームを他のジャンルやコンテンツに当てはめていくことで、新しい魅力を提案する、という点がポイントでした。それができれば、弊社のブランド価値が上がりますし、一緒にコンテンツを展開させていただくパートナー様にも還元できますし、アプリをダウンロードしていただいたお客様にも喜んでいただけます。

―――なるほど。

室田: 実際、ゲームとアーティストのタッグという意味で、ここまでダイレクトにコラボレーションしたタイトルは、日本ではまだあまり例がなかったと思います。今後はライブ会場で「グッズ」としてアプリを販売してもらったり、ライブで使って楽しいアプリを提供したりと、モバイルだからこそ可能なサービスを展開していきたいですね。

―――最初にハンゲームのIDでログインする必要がありますね。アプリをダウンロードした人の中には、IDを持っていない人も多いのではないですか?

室田: ええ、新規のお客様が増えています。そこも狙いの一つでした。音楽アプリ的なスタイルをとることで、アーティストさんのファンをはじめ、これまではリーチできなかった、新しいお客様に来ていただける機会が生まれます。

―――アプリのアップデートの予定はありますか?

室田: やっていきます。実際、3月9日にアプリをリリースして、11日に震災があったため、私たちとしてもアップデートに関する議論の時間がとれなかったので、これから巻き返しでやっていきたいですね。:

幅: 我々としても、次のアーティストさんが誰なのか気になっているのですが、教えてもらえないんですよ。

室田: ぬか喜びさせてしまっても申し訳ないので(笑)。でも業界関係者の方には皆さん、好評いただいていますので、新しいアーティストや、新しい楽曲など、今後も良い形で連携が出来ると思います。CRIさんは、他にさまざまな技術をお持ちですので、うまく乗せていければいいですね。

幅: サウンド関係のミドルウェアも弊社にはたくさんあります。そうした技術を使うと、これまでのスマートフォンでは実現できなかったインタラクティブなサウンドが可能になるので、いろいろご提案できればと思います。また、そのための技術的なバックボーンもありますので、さまざまな対応が可能です。実は本アプリの開発も、技術的に一筋縄ではいかない部分がありました。

CRI畑氏
畑: もともとJIG-doは技術デモ的な性格が強く、ゲームに応用しづらい仕様になっていました。そこで実際にアプリを開発するにあたって、一部改良する必要があったんです。その際、たまたま自分が策定に関わっていた、「cocos2d」というオープンソースのアプリ開発フレームワークを利用することで、短期間に納品できました。具体的には、cocos2dにJIG-doで使っている、弊社の「CRI Sofdec(ソフデック)」という動画関連ミドルウェアを統合することで、実現させています。もともとNHNさんでもゲーム系アプリにcocos2dを使われているとお聞きしていたので、今回もそれでいこうと考えました。

幅: そういう意味でも今回は奇跡的なコラボが続いたんです。

安居: 一緒に畑さんと仕事をしていて、作業がすごく速いので驚きました。かなり徹夜作業をしていただいて、申し訳なかったです。

畑: それにつきあっていただいた安居さんにも、ありがたかったです。

室田: 小気味良いメールのやりとりが午前2時くらいにされていたんですが、私は静観していました(笑)。

―――JIG-do自体は、今後の展開はありますか?

幅: さっきも畑が簡単に説明しましたが、JIG-doは弊社のSofdecという、家庭用ゲーム機向けの動画ミドルウェアがベースとなっています。家庭用ゲーム機では「このミドルウェアでは、こういうことができるから、こういう風に使ってみよう」といった、エンジニア主導の発想がおこなわれる傾向にあり、我々のお客様も技術系の方々が対象でした。しかしスマートフォン業界では、プロデューサーやディレクタークラスの方々にお話をする機会が多いため、Sofdecをそのまま営業しても、うまくいかなかったんですね。そこで「動画ジグソーパズルなどが作れますよ」という、具体的な活用提案も盛り込む形で、JIG-doというミドルウェアを開発したんです。その結果NHNさんにこうして、ご関心をもっていただくことができました。

―――なるほど。

幅: 本アプリでは平面ポリゴンに対して、ムービーをテクスチャとして貼りつけているのですが、JIG-doを使えば、他にもさまざまなことが可能です。3Dポリゴンにムービーを貼り付けて、見たこともないようなGUIを作成する、などはその一例でしょう。もっとも、我々の脳みそは技術系なので、おもしろい発想は苦手です。しかし、クリエイターさんにいろいろ無理難題を出してもらえれば、挑戦心がかきたてらえるのが弊社の社風です。今後も無理難題をぶつけあって、ユニークなものを提供していきたいですね。答えになっているかわかりませんが。

―――無理難題どうしのコラボですか。

幅: そうですね。実際、うちが「こんな技術ありますが、何かできませんかね?」とお話ししても、なかなかマッチングしないんです。「良い技術」と「良い企画」が出会うのは、非常に難しいんですよ。それはもう、宿命みたいなものです。恥ずかしながらJIG-doも作ってから、こうしてアプリとなって世に出るまで、1年半もかかっています。今後はもっともっと、最新技術が世に出るまでのリードタイムを短縮していきたいですね。

―――今回は実質的なアプリの開発にまで踏みこまれましたね。

幅: ええ。弊社は本来ミドルウェア屋なので、我々がそこまで踏み込むのは、非常に珍しいんです。もっとも今回はJIG-doについて熟知しているのが弊社のスタッフで、そこにcocos2dも詳しい人間がいたので、良かったですね。

―――Android版のアプリは発売されますか?

室田: うちとしては、やりたいと考えています。

幅: そのミーティングの日時を今、お待ちしているんですよね(笑)。CRIとしても今後、Androidに力を入れていきます。

―――iPad版はリリースされないのですか? せっかくのPVなので、大画面で楽しみたいというニーズもあると思いますが。

室田: 現段階でもiPadで遊ぶことはできますが、確かにiPadに適したカタチではまだ出せていませんね。さまざまな調整が必要ですので、がんばります。

―――今後もさまざまな展開をされるとのことで、最後に抱負をお願いします。

室田: 新しい技術を見た時の感動って、それを素直に形にしてあげるだけで、けっこうお客様にも伝わるんだなあと、改めて思いました。というのも、はじめてJIG-doを見た時、僕は「すぐにやりましょう!」と言ったんですが、実際にリリースした後で、いろんな方々にアプリをお見せしたときも、非常に良い反応が返ってきましたので。課題を一つずつクリアしていきながら、今後につなげていきたいですね。

安居: 今回震災があって、いろいろ世の中も価値観が変わったように思います。その中でゲームを作る側として、どんな価値観が提供できるか、自分も考えた1ヶ月だったんです。たかがゲームと言われながらも、過酷な日常の中で5~10分でも楽しんでいただいて、癒されて、日常生活に戻れるような、日常生活の潤滑油のようなゲームを提供していきたいと思っています。高い技術とすばらしいデザインが集約されている、クオリティの高いものを提供できれば、自分にとっても誇りに思える仕事になると感じました。今回CRIさんと組んでよかったなと思いますし、今後もすばらしいアプリを提供していきたいです。

幅: 技術は技術のままだと、社会的には無価値なんですね。それが企画と結びついて、商品になることで、初めていろんな価値が出てきます。本アプリも、まずはNHNさんに技術を理解していただいて、実際にプレイされたユーザーさんにも喜んでいただけたことで、実に技術会社冥利だったなあと思います。これを次につなげていきながら、常に最先端の技術や驚きを提供していきたいですね。また本アプリを通して、倉木麻衣さんの新しいファンが増えてくれて、音楽CDを買ったり、ライブに行ったりするきっかけになると、最高ですよね。そんなところまで技術が協力できればいいなと思っています。

畑: なんだか、いろんなハードルを上げられた感じがするんですが(笑)。私はエンジニアとして参加したわけですが、今回我々がこだわったのは、技術を「デザイン」して、幅広いお客様に楽しんでいただくことでした。SofdecやJIG-doといった部分は意識せずに、動画がゲームにできるんだ、ということを、なるべく良い形で表現できるように、最善が尽くせたかと思います。今後もさまざまな技術をデザインして、新しい感動を提供していきたいですね。それが我々の使命だと思います。

―――ありがとうございました。



■「倉木麻衣★ムービーパズル」アプリ概要
アプリ名:「倉木麻衣★ムービーパズル」
発売日:2011年3月8日
価格:無料
販売:NHN Japan株式会社
開発:株式会社CRI・ミドルウェア、NHN Japan 株式会社
紹介URL:http://info.hangame.co.jp/index.nhn?m=detail&infono=2832
ダウンロード:http://itunes.apple.com/jp/app/id420912351?mt=8
(C) 2011 NHN Japan Corp. All Rights Reserved.

■使用楽曲情報
楽曲名:倉木麻衣 35th SINLE 「1000万回のキス」 
発売日:2011年3月9日
大きな愛情をテーマに、大切な人に想いをなかなか伝えられないもどかしさを歌った、ちょっぴり切ないミディアムチューン☆
本人出演!KOSE「エスプリーク プレシャス」CMソング
《小野憲史》
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