「『CRI ADX2』は単なるパッケージではなく、より素晴らしいゲームをサポートするサービス」・・・。同社の櫻井敦史氏は、こう語ります。機能面にとどまらず、オーサリングツールの『CRI Atom Craft』が強力で、サウンドデザイナーが直感的に音作りを進められる点が特徴です。
『CRI Atom Craft』はタイムラインベースのUIを持ち、ファイルフォルダから複数のサウンドデータをタイムラインにドラッグ&ドロップし、タイミングを見ながら鳴らすことができます。サウンドデータごとにエフェクトや3Dポジショニングデータを設定したり、プログラム情報(ヘリの回転数など)に応じてエンジン音や風切り音をリアルタイムに変化させる・・・などの設定も可能です。
インゲーム・プレビュー機能を用いる際の典型的なワークフローはこうです。まずサウンドデザイナーがオーサリングツールの『CRI Atom Craft』上で仮組み用のサウンドデータを作成し、プログラマーに渡します。プログラマーはそのデータをもとにゲームプログラムに実装し、サウンドデザイナーに返します。
あとはサウンドデザイナーがプログラムを実行させながら、インゲーム・プレビュー機能を用いて、『CRI Atom Craft』上で細かい調整を行っていくだけです。音の出方も実機のスピーカーで上で確認できるので、間違いがありません。こうして完成したサウンドデータをプログラマーに渡して、最終版のゲームプログラムに実装すれば終了です。
■「ROMだからストリーミングが早い」は幻想
他に『CRI ADX2』の新機能として、動画再生によるシーケンス作成支援機能や、多言語対応などが紹介されました。前者は動画ビューアで動画を再生しながら、『CRI Atom Craft』のタイムライン上で効果音をつけられる機能です。後者は言語別にサウンドのサブフォルダを設定できる機能です。プレビューやビルド時に使うファイルを、自動的に切り替えることができ、間違いがありません。