『Beyond: Two Souls』はこの2人の物語とその二人の関係に焦点を当てています。二人とも、この望まれない状況を受け入れなければならないのです。その過程で、二人がどう変化し、どう共存する方法を見つけていくかを語ります。
―――『Heavy Rain』は大きな成功を収めました。続編を作ろうとは思わなかったのですか。 David Cage:今までの私のキャリアで、商業的な理由に突き動かされたてゲームを作ったことはありません。私は運よく、自分の好きなことをやり、クリエイティブ的視点で自由を保てています。私はいつも自分自身をゲームに投影していて、それらは自分の人生の特定の時期に関連しています。与えられた時間内で伝えたいことすべてを伝え、それぞれのタイトルに心と魂を込めています。しかし、たいてい作り終わったときに、自分に変化があったり他に伝えたいことができたり新しいアイデアが浮かんでいたりするので、また新しいプロジェクトに移らなければならないのです。
『Heavy Rain』は自分自身が父親になった頃のことを描いていて、『Beyond: Two Souls』はテーマ的にもゲームプレイ的にも新しいアイデアを模索しています。私は続編でお金を儲けるより、とにかく実験したり、新しいアイデアを試すことに興味があるんです。
―――このゲームのテーマは?どんなことを表現し、どんなプレイフィールをプレイヤーにもたらしたいとと考えていますか? David Cage:本作のテーマは成長、そして人との違いと自分自身を受け入れることです。ですが、死と死後の世界に存在するものについてもテーマにしています。通常とは異なる手法で死を描き、死後の世界についての違う解釈を見つけたかったんです。ゲームではもちろんのこと、映画でさえもそれほど扱われない独特のテーマですから、このプロジェクトの中でも特に面白い部分でした。
―――どんな人にプレイして欲しいですか。 David Cage:私は常に、アドレナリンや銃撃戦よりも独創的で感情に訴えるゲームプレイを求めている人のためにゲームを作るようにしています。本作はリアルで完全にインタラクティブなゲームで、人間と霊体を操作することができるという独自のゲームシステムを持っていますが、同時に人の心に深く感情を刻み込むことのできる感情の旅路を体験してもらえると思っています。プレイヤーの心に残り、異なる感情や思想を与えるゲームを作るよう努力しています。
また、我々が作るゲームは、多くの女性が旦那さんや彼氏と一緒にプレイするということを知りました。女性はたいてい暴力や同じようなアクションを繰り返すような、昔からあるようなTVゲームにはあまり興味を持っていませんが、『FAHRENHEIT』や『Heavy Rain』では、そのゲームの性質上、女性のプレイヤーもひきつけるのだと知りました。ストーリーと登場人物があり、暴力よりも感情をテーマにした、他のゲームとは違うゲームというところが良かったようです。ですから、『Beyond: Two Souls』は強いながらももろく、賢く、チャーミングで聡明で自分と重ねることのできる女性の物語であることからも『Heavy Rain』よりも気に入ってもらえると思います。
―――日本のみんなにメッセージを。 David Cage:日本は私にとってとても特別な国です。初めてプレイしたゲームは日本のゲームでしたし、多くの日本のクリエイターの皆さんには常に何か通じるものを感じています。彼らは西洋のクリエイターとは違う考え方を持ち、感情や情熱、独創性を表現しています。そしてアドレナリンを与えるだけでなく、もっと深い何かを伝えようとしています。