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植松伸夫氏のバンドEBPとウダーの演奏が響いた!“自由が丘女神まつり”ライブレポート

『ファイナルファンタジー』(『FF』)シリーズなどの音楽で世界的に知られる作曲家・植松伸夫氏の率いるバンド、EARTHBOUND PAPASのライブイベントが、2012年10月7日の「第40回 自由が丘女神まつり」1日目に開催されました。

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植松伸夫氏のバンドEBPとウダーの演奏が響いた!“自由が丘女神まつり”ライブレポート
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  • 植松伸夫氏(左)、宇田道信氏(中央)
  • ウダーを演奏する宇田氏
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  • 岡宮道生氏
  • 弘田佳孝氏
『ファイナルファンタジー』(『FF』)シリーズなどの音楽で世界的に知られる作曲家・植松伸夫氏の率いるバンド、EARTHBOUND PAPASのライブイベントが、2012年10月7日の「第40回 自由が丘女神まつり」1日目に開催されました。

「自由が丘女神まつり」とは、毎年約50万人を動員する、自由が丘最大のイベント(今年は10月7日・8日に開催)。自由が丘駅前の“女神広場”に設けられた特設ステージをメイン会場として、街のいたるところで催しが行われます。

今回のライブには、EARTHBOUND PAPASと、オリジナルの電子楽器「ウダー」の開発者・演奏者である宇田道信氏が出演。ライブは誰でも自由に観覧が可能で、多数の観覧者が集まり、大きな盛り上がりを見せました! 本記事では、このライブの模様をお届けします。


当日は朝からあいにくの雨模様でしたが、開演時間の夜7時半には雨もすっかり止んでいました。自由が丘駅前の女神広場特設ステージ前に集まった多くの観客の声援に迎えられ、植松氏が登場します。「自由が丘女神まつり」に植松氏が出演するのは、一昨年、昨年に続いて今回が3回目。「朝、ここへ機材を運びに来ていた時は雨が降っていて…どうなるかと思っていたんですが、晴れてよかったですね! こんなに集まっていただき、ありがとうございます」と植松氏は感謝の言葉を述べて、イベントはスタートします。


■電子楽器「ウダー」で奏でられる『FF』の旋律
今日は、EARTHBOUND PAPASライブの前におもしろい楽器を紹介しますと語る植松氏。「去年、シンセサイザーフェスタという音楽イベントへふらっと遊びに行ったんですけど、自分で作った電子楽器を展示して演奏している人がいたんです。とても面白かったので、ぜひ多くの方に知ってもらいたいと思ってお呼びしました」

植松氏の紹介で登場したのは、オリジナルの電子楽器「ウダー」の開発者・演奏者である宇田道信氏です。宇田氏は以前から『FF』シリーズのファンだったそうで、「このような舞台にご一緒出来て光栄です!」とのことでした。

ウダーとは、ネジの先端部分を2つ合体させたような形をした、宇田氏オリジナルのユニークな楽器。右手側・左手側それぞれに、黒いロープがらせん状に巻かれていて、それを指で押さえると音が鳴り、押す強さで音量が、押す位置で音程が変わるというものです。

宇田氏の奏でるウダーによってまず演奏されたのは、『FF』シリーズではおなじみの「プレリュード」。ウダーはふわふわとした、やさしい幻想的な音色で、女神広場はウダーの音色で包み込まれます。演奏後、宇田氏は「プレリュード」の演奏法について「人力でディレイをかけておりました」と語ります(同じメロディを、左右の手でわずかにずらして弾き、音に厚みを持たせていた)。この解説に、観客からは歓声と拍手が巻き起こっていました。

続いて宇田氏は、『FF』シリーズの中でも特に人気の高いバトル曲、『FFV』の「ビッグブリッヂの死闘」を演奏。演奏中は観客から手拍子も入っていました! 演奏後は大歓声。「みなさんの拍手が暖かくて、がんばりすぎてテンポが早くなっちゃいました。でも、すごく楽しく演奏できました」とうれしそうに宇田氏は語ります。

宇田氏が最後に演奏したのは「ファイナルファンタジー」。ウダーの音色は、『FFV』で流れるバージョンをほうふつとさせる、優しい印象の音色でした。

演奏後には宇田氏からのお知らせが。田園調布の「ダダティーク」にて、10月14日に“ウダーカフェ”を開催するそうです。「ウダーを演奏したい方は、こちらにいらしていただけると、ウダーが触り放題ですよ!」とのことなので、ご興味のある方は足を運んでみてください。

・「ダダティーク」公式サイト
http://dadatheque.com/


■EARTHBOUND PAPASの熱い演奏が女神広場に響き渡る
続いてはお待ちかね、EARTHBOUND PAPASによるライブです!
メンバー:植松伸夫(キーボード)、岡宮道生(ギター)、弘田佳孝(ベース)、成田勤(キーボード&ギター)、藤岡千尋(ドラム)

まず演奏されたのは、『FFX』のバトル曲「シーモアバトル」。原曲よりテンポを落としての、重厚感あふれるロックサウンドが、女神広場に響き渡ります。続いては「ビッグブリッヂの死闘」。先ほどもウダーで演奏されましたが、今度はバンドでギュンギュンに奏でられます! 成田氏はキーボードからギターに持ちかえ、岡宮氏・弘田氏と共に並んでセッション。客席前方では、熱心なファンたちがスタンディングで大きな声援を送っていました。

演奏後のMCで植松氏は、「僕はもう20年ほど自由が丘の界隈に住んでいて、自由が丘は自分にとって一番身近な町ですね」とのこと。おいしいお店や飲み屋もいっぱいあるのだそうで、この女神まつりの出店でも「すっごくおいしい店があるんですよ! どこの店かってのは言わないけどね(笑)。ぜひ屋台にも行ってみてください」と楽しそうに語られていました。

続いては、ボーカリストの遠藤フビト氏が登場しての演奏です。「こういう音楽は、次の世代へ代々受け継いでいくべきじゃないかと思います」(植松氏)とのことで披露されたのは、ジョン・レノンの「imagine」。EARTHBOUND PAPASの演奏をバックに、遠藤氏は情感たっぷりに歌い上げていました。

間髪を入れず、お次は『ブルードラゴン』より「Eternity」。先ほどとは一転して激しいイントロ、「今度は元気よくいきましょうかぁぁーーーーーー!!!」と遠藤氏が絶叫、腕を動かすのに合わせて観客も腕を振りはじめます。会場は一気に大盛り上がり。遠藤氏のよく伸びるハイトーンボイスとEARTHBOUND PAPASの奏でる熱い爆音ビートは、観客の声援と混ざりあい、女神広場に非常によく響き渡りました。そして集まった人々にはみるみるうちに一体感が生まれます! 女神広場の頭上に見える自由が丘駅ホームからも、興味津々にライブを観覧している方が多数見受けられました。演奏終了と同時に遠藤氏が「Thankyooooou!!!」と叫ぶと、盛大な拍手と歓声に包まれます。

続く植松氏のMCでは、「自由が丘女神まつりは明日(10月8日)も続きます。明日のステージでは、僕の高校のときの同窓生だった織田哲郎くんがライブをやるので、是非見てくださいね」とのこと。また植松氏は、EARTHBOUND PAPASがもうすぐテキサスとハワイにライブしに行くことに触れ、「テキサスやハワイにお立ち寄りの際はぜひ!」と茶目っ気たっぷりに宣伝し、会場を爆笑の渦に巻いていました。

ライブの最後に演奏されたのは、自由が丘の街を緑あふれる街にしようという環境活動、“自由が丘森林化計画”のテーマ曲「僕の街が森になるまで…」。植松氏が作曲を担当しています。植松氏のメッセージ性あふれるやさしい旋律が、EARTHBOUND PAPASの演奏によって女神広場をゆっくりと包みこんでゆき……最後の一音の後は惜しみない拍手が巻き起こり、ライブは終演となりました。


今回は、開放感あふれる野外広場で、宇田氏やEARTHBOUND PAPASの演奏を気軽に楽しむことができました! ウダーにご興味をお持ちの方は、ぜひウダーカフェへ足を運んでみましょう。EARTHBOUND PAPASも、次回の日本でのライブ日程は未定ですが、次回開催の際はぜひ会いに行ってみてください。みんなで共に楽しむ生の演奏、最高ですよ!
《hide/永芳英敬》
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