George Woo: ESLはeスポーツリーグのオペレーターです。IEMはそのリーグ内にあるトーナメントの一つとしてESLが所有するもので、我々Intelはそのタイトル(ブランドの)スポンサーに当たります。
競技種目については、そのゲームのコミュニティー、ユーザー規模の大きさを元に選んでいます。我々が大会のために何百万ドルも投資して、何が返ってくるのか? そこである程度のコミュニティーが出来上がっていて、たくさんのユーザーに観戦してもらう必要があります。例えば『League of Legends』は3,000万以上の登録ユーザーを抱え、『StarCraft』は韓国などでの人気でeスポーツの世界を変えたゲームです。
―――『League of Legends』と『StarCraft II』はいずれも日本でローカライズされていません。今後、Valveの新作で同じジャンルの『Dota 2』が日本でパブリッシングされることが決まったのですが、将来的にIEMで『Dota 2』が種目に選ばれる可能性や、大会側に興味はあるでしょうか?
George Woo:『Dota 2』は素晴らしいゲームですが、残念ながら現状のRiot Games(『LoL』の開発・運営会社)との関係もあり、両方をサポートすることは難しいです。なぜなら全く同じゲームジャンルであり、競争相手ですからね。万が一、今の関係に何か変化があった場合、間違いなく『Dota 2』に注目するでしょう。
George Woo:そうですね、今のところはこの2つで満足していますが、3つ目のゲームも検討していて、やはりFPSジャンルになると考えられます。何と言っても、ゲームのことが分からない観客でも、FPSならプレイヤーが敵を銃で撃って倒すというだけなので、すぐに入り込めるからです。(※過去のシーズンでは『Counter-Strike』や『Quake Live』が実際に選ばれている)
―――最近のニュースで、ESLとMLG(Major League Gaming)、DreamHackという3つのeスポーツ団体が、アライアンスを結成したと発表がありましたが、これによってIEMにも何か影響や変化がありますか?
George Woo:素晴らしい話だと思っています。現状のeスポーツの問題点は、余りにも分裂しているということで、WCG、MLG、IEM、それぞれに『StarCraft II』のチャンピオンがいて、観客としては「じゃあ誰が一番強いんだ?」という話になります。そこで今回のアライアンスが結成されて、各団体が話し合いを行い、共同のポイントシステムを用意することで、プレイヤーの(総合的な)強さ、ランクを定めるというアイデアも検討中です。
―――大会用ディスプレイを提供するスポンサーのBenQについてコメントをお願いします。
George Woo:Intelの自身の分野でベストであるのと同じように、BenQもまたゲーミングモニターではベストの製品を持っていて、Intel、ESL、BenQのパートナーシップはまさに“Marriage(結婚)”とも言える完璧なものだと思います。
観客が巨大モニターで試合を観戦するステージの裏側では、スポンサーTwitch.tvを介して、インターネット上でブロードキャストを行う放送席が3つあり、『League of Legends』と『StarCraft 2』それぞれのマッチをプロの解説者やコメンテーターが実況。現実のスポーツ同じような審判役、音響や映像編集者、カメラマンなど、ESLだけで60名ものスタッフが配置されているそうです。