4月20日、全世界同時で発表された、Bethesda SoftworksとTango Gameworksの新規IPサバイバルホラー『Psycho Break(サイコブレイク)』。その開発を指揮する三上真司氏へのインタビューをお送りします。―――まずは、Tango Gameworksについてお聞きします。前回の取材時は積極的に人材募集をしていましたが、実際に優秀な人材は集まりましたでしょうか。 三上真司氏: 順風満帆とまでは行きませんが、高い技術をもっている人は、たくさん集まりましたね。id TECH5を相当カスタマイズして、全く違う仕様で今のグラフィックを表現することも可能になったので、それはうちのスタッフならではです。―――Tango Gameworksを設立してから約3年が経ちましたが、これまでの経緯や開発を振り返っていかがでしたか。 三上真司氏: そりゃもう大変でしたし、これからも大変だと思います。―――スタジオのカラーというか雰囲気はどうでしょうか。 三上真司氏: だいぶ僕のむちゃくちゃな作り方に馴染んできましたね。その分スタッフは苦労したようで、それは分かっているつもりなので感謝しています。―――むちゃくちゃな作り方というと。 三上真司氏: 右往左往したり、作りながら手探りが多いところですね。―――三上さんがサバイバルホラーというジャンルを手掛けるにあたって、サバイバルホラーを定義する要素とはなんでしょうか。 三上真司氏: まずは怖さ、次にそれをぶっ潰して、スカッとするバランスが取れているのか。それがしっかりしているのがサバイバルホラーだと思います。―――三上さんが過去に手がけた『バイオハザード4』は、『Dead Space』や『Gears of War』といった海外TPSタイトルに大きな影響を与えたと認知されていますが、今作『PsychoBreak』は、そうしたTPSジャンルの模範、王道となるような作りなのか、それとも全く新しい作りになるのでしょうか。 三上真司氏: 昔の怖くて難しかった、アクションゲームではなく、ホラーゲームを遊びたいという声に応えて、サバイバルホラーの的を外れないゲームを作っています。そういう意味では、原点回帰のゲームですね。―――シングルプレイ専用のゲームということでしょうか。 三上真司氏: そうですね、プレイヤーに、より「恐怖感」を感じてもらうために、オンライン無しのスタンドアローンタイプのゲームにしました。仲間が常に傍にいると「恐怖感」が薄れてしまうので。―――では、主人公はどのようなキャラクターなのでしょうか。 三上真司氏: 刑事で名前はセバスチャン、まぁ、おっさんですよ。ただ、恐怖を目の前にしても逃げるタイプではないです。内面はビビッてても怖さに耐える芯の強さを持っています。ダメな例として、敵が迫ってきてロッカーに隠れるじゃないですか、それでロッカーから出たら敵と鉢合わせて、お互い「キャー!」なんていやなんですよ(笑)―――主人公がかっこよくないというか、怖めでイケメンじゃないですよね。 三上真司氏: 多少はイケメンを意識しました(笑)―――デモの最初は精神病院のシーンでしたが、あそこはゲーム序盤だけで登場する舞台なのでしょうか。 三上真司氏: 実はとても大事な場所で、最初から最後まで精神病院に缶詰になるわけではなく、他のステージに行きますし、途中に精神病院のステージもあります。―――ゲームの細かい部分でこだわった点はどのあたりでしょうか。 三上真司氏: 主人公のアニメーションですね。せっかくTPSで主人公が画面に映っているんで、それをホラーに活かさない手はないなと。ただ歩く走るでも、緊張している、警戒している、怪我をしているといった様々なバリエーションがあり、それによる多彩なシチュエーションや、主人公が携帯している武器を手に取る様子をプレイヤーが見て、「やばい」とか「何か出そう」と思ってもらえるように、ホラーの導入として活かせるので、そういった細かいアニメーションにこだわっています。―――シューティングの部分はどうでしょうか。 三上真司氏: シューティングの部分は、ヒットした時の気持ち良さですね。ただ、まだ完全ではないので、製品版に向けて力を入れている最中です。―――デモではステージ上で多くのアイテムを入手していましたが、探索の要素は強いのでしょうか。 三上真司氏: 基本は一本道なんですけど、探索する楽しさっていのうは、世界観的にもゲームプレイ的にも重要な要素だと考えているので、「怖いフィールドを自由に探索して自分に有利なアイテムを集めてください。」という考え方で作っています。―――では、サバイバル面ではどうでしょうか。 三上真司氏: いつもより弾数少なめで、エコな感じです。エコってしんどいですけどね(笑)そのかわり、例えばトラップを使ったり、スニーキングして背後から一突きとか、背後から爆弾つけたりもできるので。―――あの爆弾って敵につけられるんですか。 三上真司氏: つけられるんですけど、敵に見つかった状態だと難しいんですよ。今回のデモのステージは始めから見つかっている状態だったので……。でも成功すれば一撃ですね。そういうプレイの幅は広いです。―――そういえば、敵のゾンビは堅そうで、足を撃っていましたよね。 三上真司氏: 敵は頭を撃てばそうでもないですよ。足を撃ったのは、こかして燃やすと弾の節約になるので。ただ、なかなかこけてくれなくて内心焦ってました(笑)ちなみに、今回は弾が多い状態でプレイしたので、本来ならもっと焦っていたと思います。その焦りの中、限られた弾でどう敵を倒すか考え、感じるのが楽しいところですね。―――アイテムと武器の種類も多いのでしょうか。 三上真司氏: 武器はぼちぼちで、トラップの種類が多いですね。数は言えないんですけど、バリエーションは豊富ですね。―――では、トラップを活かしたゲームデザインになっているということでしょうか。 三上真司氏: というよりかは、トラップがアクセントになっています。トラップを使わないと、絶対にクリアできないという訳ではないです。トラップは場合によっては敵が使ってくる時もありますし、そのトラップを逆に利用したり、使われる前に倒したりと、そういった遊びの幅を広める意味合いがあります。その分弾は少な目で、知恵を使うゲームです。―――では難易度は高いのでしょうか。 三上真司氏: 高いですね。でもイージーモードつけますよ。―――それでは最後にGame*Sparkの読者にメッセージをお願いします。 三上真司氏: 「コントローラー握って手に汗握るほど怖かったゲームなんて久しぶり」という声を期待して作っています。それもジャパンメイドでワールドワイドに向けてビックタイトルとして出しますんで、応援のほどよろしくお願いします。―――本日はどうもありがとうございました。
《Game*Spark》
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