スクエニの発表によれば、特許技術によってクラウドをユニークな構造に構築しているという「Project FLARE」を利用すれば、CPUやGPUの面で処理効率が向上しスーパーコンピューター並みのゲーム体験がラグ無しで可能になるとのこと。公式サイトにて公開されているパネルイメージでは、GaikaiやOnLiveが行ってきた従来のデータセンサー型サービスは“ストリーミングゲーム”であり、クラウド技術を利用したスクエニの「Project Flare」が“クラウドゲーミング”であると位置づけています。
同技術を利用した具体的なプランは現時点で不明ですが、すでにフランスのUbisoftなど大手パートナーと提携を結んでおり、カナダのケベックスタジオで開発されている「Arcus」技術が「Project FLARE」のゲームをストリーミングする新しい手法になるともされています。
取締役会長の和田洋一氏は「プロジェクトの成果によりブレイクスルーが実感できたため、今から、この技術を拡張し、事業化し、コンテンツを開発していきたいと考えました」とコメント。「しかしながら、歴史の大きな転換のためには、我々だけでは力が足りません。 このビジョンに賛同いただける方、共に未来を切り拓こうではありませんか。 皆様方とのコラボレーションを心から楽しみにしています」とパートナー企業や開発者を募っており、また詳細情報は今後発表していくとしています。
海外ではメディアを対象に「Project Flare」の発表会が開催されており、『Deus EX: Human Revolution』や『ファイナルファンタジーXI』、さらに昨年E3で披露された「Agni's Philosophy」のデモが登場。発表会に参加した海外メディアPolygonは、『Deus EX: Humans Revolution』では数百の箱を銃火器で撃ち、箱が空中へ飛び地面に落下していくという物理関係が徐々に複雑になっていくデモが披露されたものの、個別のサーバーにてその関係を処理する「Project FLARE」によって、デモはリアルタイムかつ「ラグ無し」でプレイされたと伝えています。
また『ファイナルファンタジーXI』では、パーティーに所属している他のプレイヤー全員をリアルタイムでウィンドウ化して見るというデモも公開。同作にはこのような機能は搭載されていませんが、スクエニによれば「Project FLARE」のクラウドゲーミング技術を利用することでこのようなフィーチャーも開発者がデザインすることが可能になるとのこと。
処理能力の向上により開発者がゲームマシンのスペックにとらわれずデザインを行えるとされている「Project FLARE」。公式サイトのパネルイメージ(pdfファイル)では図解や実演デモのスクリーンショットも披露されているので、気になる人はチェックしてみましょう。
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