「3December」は、1999年ヨーロッパでの初開催以降、2000年より、3DCG ユーザのグローバルコミュニケーションイベントとして、12月に開催されています。3December のコンセプトは、「交流」です。ユーザ、メーカー、そしてたくさんのゲストがこの場に会します。
そして「3December 2013」では、セガの工藤裕一氏により、PS3/PS4タイトル『龍が如く 維新!』の メイキングセッションが行われました。
本作は、『龍が如く』でありながらも歴史モノのスピンオフ作品となっており、「着物」や「和服」を来たキャラクターやオブジェクトが多く登場します。そのため、「布」の揺れる動きなどの処理が多発。また本作では、プリレンダームービーを使用せず、イベントシーンでも全てがリアルタイムで描画されるため、あらゆる場面で違和感なく布が揺れなくてはなりません。
そのため、「揺れもの」処理だけでも「1人でやると6年かかる」という結論になったと工藤氏は言います。
そこで工藤氏は、リソースの需要と供給がマッチしクオリティも一定に保てるベストな人数を3人とし、細分化と統合の時間を考慮したPC8台による分散処理を実施。
これにより、計算上は6年が3か月に短縮できるわけですが、実に短縮できたのはシミュレーションの部分のみ。
この場合におけるシミュレーションとは、簡単に言えば「コンピュータ(エンジン)が自動的に動きを付けてくれる」ということで、このままではまだまだ不自然な動きになってしまうのです。そのため、ここにデザイナーによる調整を行う必要があるのですが、シミュレーション処理自体が重く、さらにフレームレートが重い。また、スクラブ(アニメーションの巻き戻し・進める)ができなく、デザイナーにはパラメータ設定が難しい。つまり、扱い辛いエンジンといえます。
これらの要因がデザイナーの作業時間を増やしており、工藤氏は「これらをクリアすれば題はすべて解決する」と続けます。
そこで工藤氏の取ったアプローチは、不自然な挙動を修正する部分など、デザイナーにしか出来ない本質的な作業は、全てコンピュータ処理で解決しようというものでした。
エンジンに判断させるのを裾、羽織、袴のみに制限。また材質や場面、逐次微分方程式にローバル運動方程式といった要素を削ぎ落とし、軽くフレンドリーなエンジンに改良していきます。
ここで重要になってくるのが、どういった手順でどう調整を行っていくかという点です。工藤氏は試行錯誤の末、「揺らす→ぶつかりの処理→距離の制約付け→重力の加減」という順番に行き着き、エンジンよりも、このノウハウが重要だと語りました。
事例として、会場では映像による紹介が行われました。まず、衣服が身体にめり込む場合は、押すとパラメータを少し揺らして再シミュレーションしてくれる「ピピっとコマンド」を実装。次に「織の決め形状からシーンを始めたい」という要望に対してで、それを初期形状としてシミュレーションができるように対応したそうです。
これらのことから工藤氏は、「独自エンジンを作ったことのメリットは、デザイナーの作業から無益な作業を自動化することにより、デザイナーのモチベーションが上がり効率がよくなること」とし、次世代ゲーム向けソフトにおける、ツールの重要性を語っていました。
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