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【GDC 2014】 カスタマーサポートと QAの連携が今後のカスタマーリレーションズの鍵となる。大手企業のスタッフが語る

サンフランシスコで開かれている Game Developers Conferenceの初日、大手企業のQA (Quality Assurance = 品質管理)とサポート事業が熱いディベートを披露しました。

ゲームビジネス 開発
【GDC 2014】 カスタマーサポートと QAの連携が今後のカスタマーリレーションズの鍵となる。大手企業のスタッフが語る
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サンフランシスコで開かれている Game Developers Conferenceの初日、大手企業のQA (Quality Assurance = 品質管理)とサポート事業が熱いディベートを披露しました。ActivisionのPaul Boustanyが取り仕切るQ&A形式セッションに MicrosoftのRandolph D’Amore、EAのDave Firth-Eagland、UbisoftのBret Wilkonsonが参加しました。

Q1. Boustany氏: 各社でのQAの役割と、QAにおける成功の評価基準はどのように決められているかについて教えてください。

最初にEAのDave Firth-Eagland氏が返答しました。
「今までのQAの仕方では、壊れたものを直すという基本で仕立てられたものだったが、今の業界では壊れた後に直し始めるともう遅いです」今後のQAは対応から予防に変わっていく必要があることを強調しました。「EAではQAチームは必ずサポートと連携をとり、事前に顧客の観点からゲームのQAの見方を改める必要があります。発生したバグにリアルタイムで対応しながら、今後発生しないよう取り組むように頑張っています」

カスタマーサポートとQAは初期のデザインに取り組む必要があるとMicrosoftのRandolph D’Amore氏がコメントを添えました。「一番成功したサポートは、気づかれないサポートである」と。「よく壊れること、よくあるバグを最初から考慮に入れた上でゲームのデザインをしなければいなりません。そしてそのよくあるバグに対して、できるだけゲーム内対策、チュートリアル、ヘルプシステムを取り組むようにします」

サポートをよりインターアクティブな方面に持っていくことも強調した。コールセンター、サポートに問いかける前に、プレイヤー同士が中心のサポートを強めていきたいとD’Amore氏が説明しました。

Q2. Firth-Eagland氏:QAとサポート業務をどのように連携していくのか、もしくどのように既に連携されているのか、教えてください。

連携をとるのに、まずはお互いの評価基準を理解する必要があるとD’Amore氏が先に発言しました。「一つの問題を様々な基準で評価し、その基準が合わないとなかなか連携がとりにくくなります」

Boustany氏が、Activisionではカスタマーサポートが評価基準になっていることを指摘しました。QAやバグの重大性を「Customer Effort (努力)」と言いました。「起きた問題を直すのにどれほどの力が必要なのか、どれほどゲームの邪魔をするのか、また、ゲームにまた取り組むまでにかかる時間などを基に測定しています。そして、測定することだけではなく、その結果を今度はQAと連携をとり、学んだ情報をシェアすることが大事です」

それから、おなじみの「エラーが発生(番号)」という典型的なエラーメッセージも改めていきたいとD’Amore氏が加えました。「プレイヤーが番号をみただけでは、エラーを理解することや、自分で対策することが不可能に近いです。これからは番号ではなく、『エラーが発生、ここのボタンを押してヘルプサポートにつなぎます』のようなエラーメッセージを目指しています」

サポートは、マーケティングよりも、カスタマーと触れる機会があるので、愛すべき企業を築くにはまず充実したサポートが必要になると、彼が続きました。「充実したサポート対応はゲームの初期の開発からすでに取り組み、バグやエラーを予想しながら対応する形になります」

とにかくサポートとQAは、今までと違った形で対応していかなければならないということが、今の業界の主流になってきています。初期段階、オープンもしくはクローズβ、様々な形でサポートに取り組み、QAとサポートの連携を出来るだけ充実させることによって、よりプレイヤーの体験を充実させることができます。
《ハナ》
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