ニコニコ超会議3の初日に行われた「超音楽祭2014」に任天堂スペシャルビッグバンドが登場しました。マリオやゼルダの伝説、ドンキーコングなど任天堂の名曲をビッグバンドが演奏。アレンジャーを務めた笹路正徳氏は過去にスピッツやユニコーン等のプロデュースを務めた人物。18人の演者はそれぞれが音楽界を代表するような大物ばかり、二度と集まらないようなメンバーによる超豪華なステージとなりました。幕開けは、笹路氏が「国民的な曲、"君が代"の次に有名じゃないか?」と話した『スーパーマリオブラザーズ』のメインテーマ。「もともとは3音だけで作られた曲。だけど、はっきり表現されているものがある。それを膨らませました」と語るように、アレンジが加えながらビッグバンドならではの力強い音で演奏され、会場のテンションはスタートから最高潮でした。地下ステージの曲など複数のメドレーでした。続いては『スーパードンキーコング』から。軽快な音楽はまさにビッグバンド向き。サックスがフィーチャーされ、5名のサックスによるソロパートもありました。さらなる盛り上がりを見せたのは『ゼルダの伝説』。トランペットが静寂を破ってメインテーマが始まると、まさに鳥肌もの。あまりのかっこよさに筆者は涙してしまうほど。宝箱を取ったシーンが再現されるなど遊び心も。笹路氏は「重厚なイメージを損なわないようにアレンジした」と振り返っていました。これまた印象的な音楽の多い『星のカービィ』の演奏もありました。駆け抜けるような疾走感のある楽曲です。おなじみの楽曲ばかりでなく、戦艦ハルバードの楽曲などもありました。しっとりした雰囲気も。『とびだせ どうぶつの森』はキーボードから始まるオープニングテーマが非常に美しく心に沁みます。新しく登場した島の音楽などもありました。曲について笹路氏は「落ち着いた感じの曲ですが、研究すると元の楽曲が素晴らしく良く出来ているんです。それを膨らませただけです」とコメント。任天堂ミュージック全般についても「やっぱり凄いですよ。しかも音楽単体だけで作られるものじゃない」と絶賛しました。なかなか珍しい『ポケットモンスター』の楽曲も演奏されました。ポケモンセンターやジムリーダーなどアレンジが秀逸で、こうも変わるのか、という感もありました。最後を締め括ったのは3DSとWii Uで今年発売予定の『大乱闘スマッシュブラザーズ』。ハイテンションなオープニング曲から始まり、静と動を織り交ぜた演奏に鳥肌が立ちっぱなしでした。任天堂スペシャルビッグバンドの演奏は約1時間でしたが、幾度となく歓声が上がり、自然と拍手が起こり、リズムが作られていく、あっという間の1時間でした。演奏後にはこれらの楽曲の作者である、任天堂の近藤浩治氏、HAL研究所の酒井省吾氏、ゲームフリークの増田順一氏が登場。任天堂スペシャルビッグバンドの演奏を振り返りました。近藤浩治氏「素晴らしいミュージシャンの皆さんに演奏していただいて、本当に感動しました。幸せです。今日の演奏で改めて魂を吹き込んでもらったような感じがしました」酒井省吾氏「明日(27日)でカービィが22歳になるんです。よい日に素晴らしい演奏が聴けて幸せでした。会場の色々なところ"超"ってあるんですが、"超超凄い"ミュージシャンの人たちです。脳天に来た、本当に感動しました」増田順一氏「ゲームフリークは今日(26日)で25周年になります。聴きながら後ろで感極まって泣いてしまいました。演奏はポケモンセンターの音楽からで、アレンジも意外な展開で、凄いなと思わされました」レジェンドたちが演奏し、作曲したレジェンドたちも登場したという超豪華な1時間。1日限りの演奏ということですが、せめてBlu-rayだけでも出してもらいたい、そのくらいの価値はあるものでした。ニコニコ動画では有料会員(月額540円)限定ですが、視聴も可能です。繰り返しなりますが、お金を払う価値は間違いなくあります。■演奏曲・スーパーマリオブラザーズ・スーパードンキーコング・ゼルダの伝説・星のカービィ・とびだせ どうぶつの森・ポケットモンスター・大乱闘スマッシュブラザーズ※すべてメドレー■任天堂スペシャルビッグバンド・Arrange&Keyboard:笹路正徳・Bass:鈴木正人・Drums:則竹裕之・Guitar:土方隆行・Percussion:カルロス菅野・Trumpet:エリック・ミヤシロ・Trumpet:西村浩二・Trumpet:奥村晶・Trumpet:中野勇介・Trombone:佐野聡・Trombone:鹿討奏・Trombone:東條あづさ・Bass Trombone:朝里勝久・Alto Sax:近藤和彦・Alto Sax:加納奈実・Tenor Sax:吉田治・Tenor Sax:竹野昌邦・Baritone Sax:山本拓夫