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【TGS 2014】『ディスガイア5』短期の利益には目を向けずPS4独占としたその理由や、本作やキャラの魅力を社長自らが明かす直撃インタビュー

『魔女と百騎兵』といった新規IPも意欲的にリリースするかたわら、ユーザーから強い支持を得るシリーズタイトルも展開している日本一ソフトウェア。そのジャンルも、RPGからアクション、アドベンチャーと多彩に富み、常に刺激ある挑戦に挑むことでも知られています。

ソニー PS4
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『魔女と百騎兵』といった新規IPも意欲的にリリースするかたわら、ユーザーから強い支持を得るシリーズタイトルも展開している日本一ソフトウェア。そのジャンルも、RPGからアクション、アドベンチャーと多彩に富み、常に刺激ある挑戦に挑むことでも知られています。

そんな日本一ソフトウェアの看板シリーズであり、初のPS4タイトルとなる『魔界戦記ディスガイア5』。最凶のやり込みシミュレーションRPGとしてその名を轟かせており、手塩にかけて育成したキャラクターを強大な敵に向かわせ勝利する快感に酔いしれたことがある方も多いことでしょう。

同社のシリーズ展開としては最長の歴史を誇る『ディスガイア』の最新作となる『5』は、どのような発想や姿勢で開発が始まったのか。またどうして、国内での普及に関してはまだ充分とは言い切れないPS4のみのリリースとしたのか。シリーズタイトルだからこそ気になる点や、シリーズでありながらも変わらぬ挑戦への意欲などを、同社の代表取締役社長を務める新川宗平氏に直接お話を伺いました。

◆PS4独占の理由に迫る



──お忙しいところありがとうございます。いよいよシリーズ最新作となる『魔界戦記ディスガイア5』が発表されましたが、ユーザー側からの要望の声などはこれまでずっとありましたか?

新川氏:そうですね。弊社のソフトの中にはアンケートハガキが同梱されているのですが、その感想欄などには、やはり『魔界戦記ディスガイア5』を要望される声などがかなりありましたね。『ディスガイア』シリーズではないソフトのアンケートハガキに書かれていたこともしばしばあり、待望されているんだなと実感します。

また本シリーズは海外でも支持されており、そちらの方からの(『魔界戦記ディスガイア5』への)要望も伝わってきています。そういったご期待に応えられる、PS4でのリリースや発売日の決定などを発表できて嬉しく思っています。

──待望された続編となる本作ですが、その制作が決定し開発に着手した背景には、どのような経緯があったのでしょうか。

新川氏:我々の看板商品でもあるため、2~3年の周期で1本出していきたいと考えており、『5』がこのタイミングというのは必然でもありました。一番最初に悩んだのはプラットフォーム選びですね。弊社は、デビューしてから今日まで、プレイステーション系列のプラットフォームをメインとしてやらせていただいており、最新作も当然PSハードでやろうという方向性はありました。

そして肝心のハードですが、ちょうどPS4が発売され、「海外向けならPS4の方が売れるだろう」「国内ならばPS3の方がいいかな」という葛藤がありました。



──PS4とPS3に、というマルチ展開にはせず、PS4単独のリリースにしたのはなぜでしょう。

新川氏:実は、開発の当初はマルチを想定してスタートを切りました。ですが途中段階でSCEさんとの話し合いなどもしまして、今後は国内でのPS4の普及に今以上に力を入れていきたいというお話を伺いました。SCEさんからは、PS4をしっかり展開していくという姿勢が伝わってきましたし、私どもとしてもPSプラットフォームで育ってきた会社でもあるので、ここはPS4に注力することで盛り上げに貢献すべきだろうと考えた結果です。

ゆくゆくは国内もPS4が主流になることは間違いありませんし、そうでなければ日本のコンシューマー業界はダメになってしまうでしょう。ならば率先してPS4でガッツリやってしまおうという結論を下しました。

──貢献したい思いと先を見通したという、2つの意味がある決断だったわけですか。

新川氏:これまでのPS3基準からPS4基準での制作になったことで、その高スペックを活かした「PS4ならでは」というゲーム作りにもチャレンジできますしね。なので、腹をくくってPS4独占でいきます、と。

──PS4基準だからこそ実現できた内容は、例えばどんなことでしょうか。現段階で明かせる範囲で構わないので教えてください。

新川氏:一番分かりやすいのはボリューム面になりますね。キャラクターの表示数とか。『ディスガイア4』で採用した高画像度のアニメーションは、職人が一枚一枚手書きをしているんですが、これがかなり容量を食うんです。快適なゲームプレイを実現させようと思ったら、それらをメモリに載せなければいけない。PS3の性能では敵味方合わせて30体くらいの表示が限界だったんですが、PS4独占で考えた場合、ざっと100体くらいいけそうだと分かりました。



──3倍以上ですか! すごいですね。

新川氏:本作のストーリー自体が、魔王が沢山出てきて、魔界大戦争的で派手な展開になるので、敵や味方がワラワラ出てくるんですよ。その方向性ともマッチしているので、PS4独占にしてよかったなと思っています。

短期的な利益だけで見たら、マルチの方がいいんです。しかし、海外展開や今後のPS4市場を考えた場合、貢献したいという意味合いもありますし、いち早く参入することで知識や経験も蓄積できるので、このような形にしました。

──将来を見据えた一歩が、『ディスガイア5』となったんですね。

新川氏:今回の『5』だけでなく、弊社がリリースする今後の据え置きタイトルもPS4へと移行します。ユーザーさんの中にはPS4の購入をためらっている方もいるかとは思いますが、我々は『ディスガイア5』だけでなく様々なタイトルをPS4で展開していくので、これを機会に購入を考えてもらえると嬉しいですね。

──マルチタイトルだと、どうしても性能の低い方に引きずられる部分が出てしまいますしね。

新川氏:そうなんですよ。例えばPS VitaとPSPでリリースする場合、どうしてもPSP基準で作らないといけなくなります。でもPS Vitaを持っている方が、その性能を存分に活かしたゲームが体験できないというのは、あまりよろしくないかなと。

◆待望の最新作、その本質や狙いは?



──本作の新要素として「リベンジモード」が明かされましたが、このような『5』だからこそという要素をお聞かせください。


新川氏:現段階で明かせる内容はまだ少ないのですが、先ほども話した表示数に関わる点、「リベンジモード」が発動した場合に一部のキャラが使える「魔奥義」などは見どころですね。やたらと魔王が出てくるゲームなので(笑)、色んな「魔奥義」を楽しんでもらえます。

ですが、これらの要素はまだ序の口です。まだ具体的には申し上げられないのですが、キャラクターの成長に関わるようなシステムなどを含めて、色んな新要素を搭載すべく進めています。現段階までの情報は、ファンの方々にとってはまだ物足りないだろうというのは承知していますが、まだまだほんの一端なのでご安心くださいとはっきり言っておきます。

そして我々が今回見据えているターゲット層として、従来のファンだけでなく、「現在PS4を持っているけども『ディスガイア』を遊んだことがない人たち」にも注目しています。独自に調べたところ、今PS4を持っていて本シリーズを遊んだことがある方は、1割程度だったんですよ。



──残りの9割の方々は、シリーズ未経験者だったと。

新川氏:それは逆に考えれば、新規のお客様とも言えるわけです。なのでこの機会に、我々はその新しいユーザーを取り込みたいと考えています。東京ゲームショウに出展させていただいた試遊版は、主にそういった『ディスガイア』に触れたことがない方に向けた、お披露目という意味合いが強いものになっています。

──なるほど。だから既にLVが高くて、威力の高い技などが使えたんですか。

新川氏:その方が、『ディスガイア』らしさを味わっていただけますからね。シリーズを重ねて行く中で、「どうせキャラゲーなんでしょう」といったネガティブなイメージで固定されている方もいると思うんですが、そういったユーザーさんに「違います、こういうゲームなんですよ」と今後も力強く伝えていこうと思います。

──新規のユーザーがシリーズの途中から遊ぶには、強いきっかけが欲しい面もありますしね。

新川氏:主人公などを一新しているのは、そういった不安を取り除くためでもあるんです。前作までのキャラクターは、本作のメインストーリーには一切登場しないので、過去作を遊んでいなくても本編を楽しむ上ではまったく問題ありません。既存キャラは、本編以外の場所で顔を出すように考えています。



──『5』ではあっても、物語的にはまっさらで楽しめるんですね。

新川氏:あと、やり込み要素に関してちょっと誤解されることが多いんですが、本シリーズはやり込まずに本編だけでも充分に楽しめます。やり込みは、そのコンテンツを楽しみたい方に遊んでもらうためのものなので、「やり込まなければいけない」ということはありません。メインストーリーを追うだけでも、1本のゲームのボリュームとしてしっかり遊べます。

◆設定から展開まで、キャラの魅力もたっぷり凝縮



──それでは、本作におけるもうひとつの魅力となるキャラクターに関して、詳しくお聞かせください。

新川氏:そうですね。まず主人公のキリアに関してですが、クールで恰好いいキャラクターですが、ちょっとお茶目な部分もあるので取っつきやすくもあります。また心の中ではトラウマや重い過去を抱えており、『ディスガイア』史上もっとも複雑な心理描写のキャラクターになると思います。

──物語的にも目が離せないキャラクターですね。

新川氏:はい。そのため設定などを煮詰める段階でも、非常に悩むことが多いキャラだったんですが、宮野真守さんに声を当ててもらった時に「キリアというキャラクターが完成した」という実感を得ました。

──その瞬間に全てが噛み合ったんですね。キリアと出会う発売日が今から楽しみです。

新川氏:次はセラフィーヌですが、魔界で一番のお金持ちの彼女は、ワガママで世間知らずでして、これまで一度も自分が直接戦ったことがないんです。ずっと部下任せで。



──戦ったことがない魔王というのも、斬新な感じです。

新川氏:そこがまたいいところですね(笑)。なのでチュートリアルも、キリアがセラフィーヌに戦い方を教えるという形で進行します。既に戦い方を熟知しているキリアが、戦闘方法を教わるのはおかしいですからね。

──ワガママで世間知らずというのは、ヒロインの設定としてはちょっとした冒険にも感じられますね。

新川氏:そうですね。こういった設定は一歩間違えると嫌われがちになるので、すごく気を付けています。また、物語が終わった時の彼女への印象は、最終的に「カッコイイ」と感じてもらえると思いますよ。

──ヒロインの結末で「カッコイイ」というのは、ちょっと意外です。

新川氏:愛すべきキャラクターに仕上がったかなと思っています。スタートから最後までのギャップを楽しんでもらいたいですね。そして3人目のウサリアですが、まずマスコット的な立ち位置のキャラクターが欲しいなと思って生まれました。

──見た目も可愛いですよね。

新川氏:はい。ですが彼女もヘビーな過去を持っておりまして、争いを嫌う変わった悪魔達が集まる「兎兎魔界」の跡取り娘なんですが、その祖国が滅ぼされてしまい、亡国の姫として逃げ延びながらも、父と母の敵を討つために立ち上がるという背景を担っています。そんな彼女がどのように「復讐」と向き合っていくかというのが、見どころのひとつです。



──ちなみに、人間年齢で想定すると何歳くらいでしょうか。

新川氏:そうですね、9歳くらいと思ってもらえるといいかもしれません。

──そんな幼い頃に天涯孤独の身となって、しかも復讐に挑むというのは、胸に迫るものがありますね。このウサリアとセラフィーヌが、本作のヒロインと考えて問題ないでしょうか?

新川氏:この2人がヒロインなのは間違いありませんが、ヒロインについてはまだ明かせない秘密があります。こちらは、続報を楽しみにお待ちください。

──嬉しいサプライズになりそうな発表がまだまだあるわけですね。心待ちにしておきます。それでは最後になりますが、本作を待ち望んでいる方々に、メッセージをどうぞ。



新川氏:3年ぶりのナンバリングとなる『魔界戦記ディスガイア5』を来年3月にリリースします。やるからには、PS4にした意味があるもの、そして『ディスガイア5』ならではのものをしっかり作るため、スタッフ一同が全力で取り組んでいます。ファンの方はもちろん、シリーズを触った事がない方にも楽しんでもらえるよう頑張っているので、今後の発表も合わせてどうかご期待ください。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

『魔界戦記ディスガイア5』は、2015年3月26日発売予定。価格は、通常版が7,776円(税込)、限定版が11,016円(税込)、ダウンロード版が6,171円(税込)です。

(C)2015 Nippon Ichi Software, Inc.
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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