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『FIFA15』はどこが進化したのか? 牧田和也氏に訊く、最新作の魅力と今後の展開

10月9日に発売される『FIFA 15』。毎年進化を見せてくれるシリーズ作品ですが、最新作の魅力について牧田和也氏にインタビューを行い、システム面はもちろん、日本での展開についても語ってもらいました。

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10月9日に発売される『FIFA 15』。毎年進化を見せてくれるシリーズ作品ですが、最新作の魅力について、Electronic Arts ジャパンスタジオ バイスプレジデントジェネラルマネージャーの牧田和也氏にインタビューを行い、システム面はもちろん、日本での展開についても語ってもらいました。



――本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――まず体験版をプレイさせてもらった印象ですが、本当に選手個々人が本当にリアルな動きをするなと感心しました。

はい、今回CPUのAIを新たに作り直しています。

――完全に新しいものになっていると。

そうですね。今までに無い色々な局面が見られると思います。やはり次世代機は非常にパフォーマンスが高くなっているので、本当に色々な動かし方ができるんです。22人の選手(自チーム/敵チームのフィールドプレイヤー)が、どこにいて、何を考えているかというのをしっかりと表現できるようになっています。そこが本作で1番本物のサッカーらしさを感じられるポイントかもしれませんね。

――AIの作り直しは相当タフな作業になったのではないでしょうか?

確かに難しいことではありますが、長年シリーズを支えている経験あるスタッフのおかげでスムーズに制作が進みましたね。逆に、実際にプレイしてみてどこにリアリティを感じましたか?

――ボールがピッチを出た後の動きは特に印象深かったです。ボールに向かう選手もいれば、跳ね返ってきたボールをリフティングしている選手もいて、一方で他の選手はソックスを直していたりと、本当に細かいなぁと感じました。

そうです! そういう細部もしっかりと作り込んでいます。

――あと、全体的に『FIFA 14』よりも動きが“速い”印象を受けました。

確かに見ているだけでも動きが速く、多様になったと感じられると思います。まず、動きのバリエーションという点で言うと、今作では、1つの局面で500種類くらいの判断をしなければいけないんですね。個々の選手の動きももちろんのこと、他の選手の動きにあわせてそうした判断が下されていくので、これまでの作品にない動きのバリエーションを見ることができると思います。

また、“スピード感”というところでいうと、特にドリブルのプレイフィールが大きく変わっているかと思います。これには2点あって、まずレスポンスが非常に良くなっていること、そして思い通りのコントロールができるようになったことです。デモ版でも皆さんに1番変わったと仰って頂けたところですね。

今作ではボールの触り方も違いがあって、足のどの部分で蹴るかによってボールの動きも変わってきます。摩擦度なども計算された、より忠実なボールフィジックスが再現されているんですね。こうしたフィジックスはパスを出したり、受けたりする際にも計算されていますので、よりリアルな表現になっていると思います。

バルサ(FCバルセロナ)はワンタッチの細かいパス回しを得意としていますが、ああいうプレイがゲームで遊べるようになっているんですね。足を置いてボールの軌道だけを変えるようなパス出しも可能になっています。

あとは、アニメーションのブランチ(分岐)も増えいているので、選手の動きにもよりリアリティを出せていると思いますね。

――フィジックスとアニメーションの改良が“速さ”につながっているということですね。

そうですね。ただ、アニメーション(リアルさ)とレスポンスというのは対称の概念なんですよ。よりレスポンスを良くしようと思えば、アニメーションのブランチを削っていかないといけないので、どうしてもリアルさのない動きになってしまうんですね。今回はその矛盾に対して、いかにリアルに見せるかを追求しました。本当に人間がボールを触っている感覚を味わえて、しかもレスポンスは損なわないようなゲームにできたと自負しています。



――本作では、ゴールキーパーの表現にも注力されていますが、改めてその狙いを教えて下さい。

実際のサッカーでも同じ事が言えますが、ゲームにおいてもゴールキーパーは非常に重要なポジションなんですね。キーパーの動きや判断1つでゲームの展開は全く変わってしまいますよね?キーパーがショボいと、どんなに素晴らしいフィールドプレイヤーがいてもゲームが成立しないので、面白くなくなってしまうんです。

その反面、キーパーを動かすロジックというのは非常に設計するのが難しいんです。どのタイミングでどこにポジショニングして、どう動くかという基本はもちろんのこと、相手がボールを蹴った後の動きというのもありますよね。例えば、ディフェンダーに当たってボールの軌道が変わることもありますし、ポストに当たってリフレクションすることもあります。途中途中で判断を変えなきゃいけないんです。そうした技術を作り込むのが非常に大変で、実は2年くらいかけてずっと開発を続けてきました。日本人のプログラマに優秀な人物がいて、彼がずっと作っていてくれたんですが、ようやく製品版としてお披露目することができました。

――では、ずっと温めてきたものがようやく『15』のタイミングで導入できたと。

そうですね。今回は本物によりちかいキーパーを描くことができたと思います。

――その他、注目してほしいポイントがあれば教えて下さい。

オンラインについては、大きなシステムの変更はないのですが、これまで以上に快適に遊べるようにチューニングしています。また、チームマネジメントでは、戦略を各選手のポジションにあわせて細かく設定できるようにしました。例えばディフェンダーに対してオーバーラップの頻度を指定することもできます。CPUの選手は通常、自分では操作できませんが、できる限り自分好みのプレイができるような仕様になっています。過去には「オフェンシブ」とか「ディフェンシブ」といったざっくりとした指定しかできなかったのですが、戦略を細かく決められるようになったことで、ユーザーさんごとの特徴がより出しやすくなったのではないかと思います。ぜひ注目してほしいですし、活用してもらえるともっと楽しくなると思います。

――オフラインのモードで大きな変更はないのでしょうか。

今回は基本的には変えていません。やはりユーザーさんの多くはオンラインで遊んでいますので、プライオリティの問題ですね。改善したいポイントもありますが、まずは多くのユーザーさんが遊んでくれているところに注力しています。

――ちなみに先日W杯が開催されましたが、最新のデータにも反映されているのでしょうか?

はい。我々は世界中に数100人のスタッフを抱えていまして、全試合をチェックしています。そこで収集したデータは、逐次EAのデータベースに入力されていきます。なので、データはすぐに反映できるんですね。W杯のデータももちろん入力されているので、活躍した選手は能力値が高く反映されています。

――本当にみなさん各リーグの試合を実際に見て入力されているのですね。

『FIFA』の場合、収録チーム数が600くらいあって、16,000人以上のプレイヤーが収録されています。その全部のデータを入力するというのは非常に大変で、日本からイギリスの4部リーグの情報を収集するというのはとても困難なんですよね。そうした場合は現地のサッカーに精通したスタッフを雇ってデータを入力できるようにしています。

――なるほど。ちなみに現在ワールドワイドで見るとどこのリーグが人気なのでしょうか?

やはりオンラインの統計を見ているとイギリス(バークレイズ プレミアリーグ)が人気ですね。アーセナルやチェルシー、マンチェスター・ユナイテッドなどは本当にファンが多いです。ただ、欧州各国でFIFAのファンが増えてきていて、ドイツの盛り上がりも凄いですし、最近はフランスやスペインもだいぶ遊んで頂けるようになってきました。

また、アメリカのMLSも結構人気がありまして、アメリカ人のサッカーファンも増えてきていると思います。特にヒスパニックの方の影響が大きくて、マーケットとしても重要な地域になってきています。

――セールスではやはり欧州が1番なのでしょうか?

地域別でみると欧州が1番シェアが大きいですが、国別だとアメリカもかなり大きな市場になってきています。

――余談になりますが、昨年ブラジルゲームショウに取材に行きまして、トランジットで降りたドバイでも、ブラジルでも『FIFA』を見て、世界中で人気の作品なんだと実感しました。

海外でも「EA SPORTS」と書かれたシャツを着ていると、ファンが来てくれたり、『FIFA』を作っていると言うと、良い待遇をしてくれたりもしますね(笑)。



――ワールドワイドでは本当に凄いセールスですよね。

ワールドワイドでは1600万本近いセールスを記録していますが、日本での知名度やブランド力はまだまだだと思います。遊んで頂いている方には非常に評価して頂いていますが、セールス面でもまだまだ拡大できるとポテンシャルはあると思っています。現在日本市場の特性にあわせて、オリジナルのモバイル版も展開していますが、従来のコンシューマーとあわせてモバイルとの両軸でシリーズのファンを獲得していければと思います。
《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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