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【プレイレポ】スチームパンク+クトゥルフ神話なんて最強過ぎるだろ!芸術レベルの謎解きゲーム『スチームパンカー』

東京ゲームショウ2014で偶然通りすがりに発見し、それ以降トチ狂ったようにプレイしていたiPad向け謎解きアクションゲーム『スチームパンカー』を遂にクリアしました。

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東京ゲームショウ2014で偶然通りすがりに発見し、それ以降トチ狂ったようにプレイしていたiPad向け謎解きアクションゲーム『スチームパンカー』を遂にクリアしました。

『スチームパンカー』はポーランドのインディゲームディベロッパーのTelehorseが開発・運営するスチームパンクをモチーフとしたゲームです。

※スチームパンクとは…電気よりも蒸気機関を主な動力とする世界を表現したSFのサブジャンルの一つ。ヴィクトリア朝のイギリスや西部開拓時代のアメリカ世紀など19世紀~20世紀初頭の世界が舞台になることが多く、当時の人々が想像していた”レトロフューチャー”な時代錯誤的テクノロジーが描かれる。80年代に勃興し現在も世界的に流行中。


こちらが『スチームパンカー』のスタート画面なんですが、もうこの時点で最高です。敢えて破れや折れ、シミなど劣化具合まで再現された古い紙の質感!四隅の歯車は全てバラバラに動いています。スチームパンクが好きな人ならノックアウトされることまず間違い無し。



ストーリーは、宇宙から謎の侵略者が襲来し巨大ロボットを使って世界中を破壊し尽くすところから始まります。古い写真に後から着色したようなレトロな感じがむしろクール!


ゲームの内容は、謎の侵略者にたった一人で立ち向かう主人公「ヴィンセント」を画面タップで操作し、30種類以上のミニゲームを解きながら冒険を進めて戦いに挑むというもの。画面中に表示されるテキストは最小限で、どこを触って何をすればいいのかを探ること自体がゲームになっています。



一見クールな2D絵のみで構成されているように見えますが、実際はUnityで開発されているため一部に3Dモデルが使用されており、例えば背景絵の一部だと思っていた巨大ロボットが背後で動いて町を破壊していたり、計器や時計の針が全部動いていたり、歯車が回っていたりなど随所に細かな演出が加えられています。また主人公のヴィンセントも3Dで表現されており、タップした方向に歩いたりはしごを上り下りしたり、扉を開けたりとモーションが付いています。


背景絵の気になるところをタップすると突然本作のコンセプトアートやスケッチが画面いっぱいに広がったりと(ストーリーのヒントになることもあり)、プレイしていると徐々に「『スチームパンカー』はゲームというより自分で動かせるスチームパンク画集なのでは?」と思えてきます。実際それくらい美しいグラフィックが次々と出てきて非常に見応えがあります。


壊れた潜水艦を修理するミニゲームを進めている途中、室内に「クトゥルフ」の絵が貼られているのを発見。その後様々な場面に同様の絵が現れ、謎の侵略者の正体がこの「クトゥルフ」であることが示唆されます。スチームパンクにクトゥルフ神話もぶっ込むなんて本作の開発者は良い趣味をしていますね。

※クトゥルフ神話とは…アメリカの小説家H.P.ラヴクラフトの作品をもとした架空の神話体系。もともとはラヴクラフト及び彼の友人間で架空の神々や地名などの固有名詞や設定の共有が行われ、様々な文学作品が創作されたが、現在では世界中のアーティストがこれをモチーフに文学、音楽、映画、漫画などありとあらゆるジャンルの作品を発表している。主体となるモチーフは、太古の昔に地球を支配していたが現在は姿を消している強大な力を持つ異形の”旧支配者”で、特にタコに似た頭部を持つクトゥルフは有名。


なお、本作で一番難しいミニゲームは背景絵の中に隠されたアイテムを探す「もの探し(Hidden Object)」ゲームです。例えば上記のスクリーンショットでは、潜水艦内の各部屋に散らばっている地図の切れ端を探して一枚の大きな地図を作ろうとしているのですが、2Dの背景絵と3Dモデルの質感合わせが完璧過ぎてマジで見つけるのが難しく、探しているうちにだんだんと腹が立ってくるほどです。嫌でもアートワークを穴が開くほど見なければならないとはよく考えられています。


やっと潜水艦が直ったと思ったら突然巨大ロボットの大群が襲ってきた!ここからいきなり360°画面のシューティングゲームになります。iPadを自分の正面に持ち、実際にその場でグルグル回って方向を変えながら潜望鏡の視野の中でロボットを探し、スコープで狙いを付けて砲撃するというもので、このシーンは外出先ではちょっとプレイできないかも。



その後なんだかんだあって宇宙ロケットを隠している島へ行き…



月までの距離を観測してロケットを修理し…


宇宙空間へGO!19世紀~20世紀初頭に宇宙に行けるか!…なんてことを考えていてはスチームパンク世界を楽しむことはできません。



ちなみに本作では潜水艦やらロケットやら壊れた機械を修理するミニゲームがやたらと多く、敵と戦っている時よりも機械いじりをしている時の方が多いくらいなのですが、鍵穴やスイッチ盤、基盤などちょっとした小物類のディティールがとても細かく、それだけ眺めていても飽きないくらいです。


クトゥルフとの最終決戦に向けて武器を作っているところ(ジグソーパズル)。歯車好きにはたまらないアートワークです!


そして遂にクトゥルフと対決!…って、なんと銅板溶接&歯車の機械仕掛けのクトゥルフ!かっこいい!!それにしても金属を繋ぎ合わせているのにウニョウニョ動く触手は一体どういう構造になっているんでしょうか…まあ深くは考えず、とにかく息の根を止めるべく銃をぶっ放します。



このように、どのシーンのスクリーンショットを撮っても”絵”になるハイセンスなタイトルです。iPadを持っているスチームパンク愛好家は是非プレイしてみて下さい。フルカラーの動くスチームパンク画集が400円で買えると思えば安いもんです。紙の本でこのレベルの画集は同人誌でも400円では買えません。iPadなんか持ってない!という方もご安心あれ。現在iPhone版とAndroid版、PC版の開発プロジェクトが始動しており、昨日よりクラウドファンディングプラットフォーム「Indiegogo」にて開発資金の募集も始まっています。1ドルから支援できるそうなので、気になる方はチェック&支援してみては如何でしょうか。
《vsmedia》
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