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【囲みレビュー】『ドラゴンクエストヒーローズ』 ― アクションになったドラクエ最新作の出来栄えは?

2月26日に発売されたアクションRPG『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』。今回Game*Sparkとインサイド編集部から、本作を実際にプレイした担当者が集まり、そのゲーム内容や出来について、率直な意見を交えながら語り合う「囲みレビュー会」を実施しました。

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2015年2月26日に発売され、PS3とPS4の2機種合計販売本数が50万本を超えるヒットとなっているアクションRPG『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』。今回、Game*Sparkとインサイド編集部から、本作を実際にプレイした担当者が集まり、そのゲーム内容や出来について、率直な意見を交えながら語り合う「囲みレビュー会」を実施しました。
※プレイしたのはPS4版になります。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


──まず、皆さんの簡単な自己紹介とドラゴンクエストのプレイ経験について教えてください。

服部: 編集部の服部です。ドラクエのナンバリングタイトルでは、1から8はクリア済で、9と10は少しだけプレイしました。外伝は不思議のダンジョンシリーズ、モンスターズシリーズ、いただきストリートシリーズなどひと通りクリア。一番好きな作品は『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』です。

栗本: 編集部の栗本です。ナンバリングは5と8だけですが、外伝は上記のタイトルに加えて、Wiiで発売された『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔 』などをプレイしています。一番好きな作品は『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』です。

原田: ライターの原田です。私は1から8までプレイしました。外伝では、いただきストリートシリーズだけプレイしています。一番好きな作品は『ドラゴンクエストVI 幻の大地』で、ハッサンを重用していました(笑)。

──早速ですが、プレイした率直な感想を教えてください。

服部: 満足度は高かったです。元々正統な続編に期待していたので期待値が高くなかったというのもあるのですが、実際にプレイしてみると、モンスターやキャラクターの描写がとてもリアルに表現されていて、まさにイメージしていたドラクエという感じでした。

栗本: 面白くなるのにちょっと時間がかかったかな?という印象がありました。数時間プレイして、モンスターを仲間にしたり、ルーラが使えるようになってからが本番かなと。PS4版では処理能力は高く、終盤になって巨大なモンスターを召喚しまくってもフレームが全く落ちなくて良かったですね。キラーマシンの目がちゃんと動くみたいな細かな演出も良かったです。

原田: ゲームシステムやキャラクターの頭身が全く違うのに、プレイしていると思っていた以上にしっかりドラクエを遊んでいる気分になりました。セーブポイントの教会で定番のセリフがあったり、バトルフィールドではルーラが使えたり、攻撃ミスした時の音がお馴染みの効果音だったり──ちょっとした要素にもドラクエらしさが感じられたのも要因かなと思います。


──それでは具体的な内容について、まずはストーリーやドラクエシリーズ初のキャラクターボイスについてはどうでしたか?

服部: 昔のドラクエの世界観を味わっているような王道ストーリーで安心してプレイすることができましたが、新鮮味という意味では薄いかなと。

栗本: ムービーは、ザ・スクエニという感じでしたね。キャラクターの動きとか表情の作り方とか。主人公ごとに一部分岐があるのも良かったと思います。ボイスについてはアクションしながらということもあり、特に抵抗はありませんでした。

原田: ボイスは序盤気になることもありましたが、終盤は違和感なくプレイ出来ました。

──ゲームのボリュームについてはどうでしたか?

原田: クエストを全部クリアして、ストーリークリアまで25時間ぐらいだったのでちょうど良かったかなと思います。戦いのバリエーションがあるわけではなく、敵がどんどん強くなっていくだけなので、これぐらいだと飽きること無く楽しめると思います。


――それでは、ゲームの核となるアクション要素、操作性や爽快感についてはどうでしたか?

原田: 全体的な完成度が高く、プレアブルキャラクターは全員で12人なのですが、それぞれ特徴があり違う役割を担えるので、自分のプレイスタイルに合わせて選んでパーティーを組めて面白かったです。技もドラクエで馴染みのある技がリアルなグラフィックかつ迫力のある演出で使えるのでテンションが上がりました。

服部: 呪文の演出がまさにこれだと思いました。ドラクエシリーズの呪文には、グループ攻撃とか全体攻撃という効果範囲があるのですが、それを上手に今作の攻撃範囲に対応させている感じで熱かったです。ゆえに、自分が昔2Dのゲーム画面でプレイしながら想像していたものが、リアルに再現されている感も強かったですね。

原田: 敵の大きさとかも良かったですよね。スライムベホマズンを初めて見た時の衝撃たるや。こんなにでかかったんだなと(笑)。

栗本: 敵モンスターの種類が絶妙に良く、それぞれ攻撃方法に個性があるのも楽しかったです。

──お気に入りのパーティーメンバーなどはありましたか?

服部: 僕はレベルを均等にしたかったので比較的固定せずに使っていたのですが、好んで使用していたのはアクト・メーア・アリーナ・クリフトです。

栗本: テリーとビアンカは便利でした。特にテリーは分身を生み出すはやぶさ斬りが1対1に便利で、ビアンカはチャージ攻撃を使ってテンションを溜めて……というのをループしていました。分身ならアリーナも出来たので、アリーナ・テリー・ヤンガスと組むとパワータイプ勢揃いという感じでボコボコにできました。

原田: 基本はアクト・テリー・ゼシカ・クリフトで、自分はテリーを操作して雷鳴斬りや稲妻雷光斬で目の前の敵を蹴散らすのがメインでした。ゼシカは必殺技のマダンテが乱戦時に役に立ちました。クリフトは……色んな意味で外そうにも外せない感じで(笑)。アクションとして面白かったのはマーニャで、平面で戦うキャラクターが多い無双シリーズの中で、空中主体で動くのは個性的でした。


──本作には、無双シリーズでは必ずあったマルチプレイがありませんが、それについてはどう思いましたか?

栗本: 出来た方が楽しい部分もあるとは思いますが、今のパーティーメンバーを切り替えるシステムを残してしまうとキャラクターが増えすぎてしまう。なので、このシステムを変えてしまうぐらいならシングルでも十分だと感じました。そもそも、4人パーティーでは呪文を詠唱しつつキャラクターを切り替えて攻撃するみたいな連携プレイも出来ましたし、そこまでプレイ人数を意識することはありませんでした。ただ、オンラインなどで4人プレイは出来たら面白かったですよね。特に防衛戦とか。

服部: ミッションの種類が増えればマルチでも良いのかもしれませんが、そこまで遊びの幅が広くないのでシングルの方が結果的には楽しめるのではと思います。

──思ったより無双ではなかったという声もありましたが、実際にプレイしてみてどうでしたか?

原田: 戦いが主に3種類──ザコと戦う無双バトル、巨大な敵と戦うボスバトル、拠点を守りながら戦う防衛バトルがありました。それらを交互に行いながら進めていくので、純粋な無双アクションを楽しむゲームではなかったですね。中でも、モンスターを仲間にして使うというシステムがあったので、これ活用する必要があるタワーディフェンスゲームのような防衛バトルが印象的でした。

栗本: 防衛する時って頭を使いますよね。どの順番に倒していこうか、どこに仲間モンスターを置いて、どのキャラクターで戦おうかみたいな。特に後半は敵がいっぱい出てくるので、工夫する必要があって面白かったですね。

服部: 良くも悪くも、仲間モンスターのAIが賢くないおかげで指定した場所にいてくれるし、敵は真っ直ぐに直進してくるのでやりやすかったですよね。

栗本: オメガフォースのタイトルの美味しいとこ取りという感じもしました。敵の多い『討鬼伝』みたいな感じ。無双シリーズと一番の違いは攻撃範囲で、今作では狭かったです。敵の密度も違っていて、無双は平面に広いフィールドなのですがドラクエには段差があって、ゆえに敵の密度が低くてわざわざ敵を倒しに移動するのがちょっと面倒でしたね。

──残念だった部分はありますか?

服部: ロト三部作ファンとしては、事前にアナウンスはありましたがロトシリーズのキャラクターがいなかったのは残念でした。あと、せっかくホミロンがいるのでライアンが出て欲しかったです(笑)。

栗本: 1つのステージが終わると拠点に戻るのですが、錬金釜での調合やホイミストーンの補充など1つ1つのUIが遅くてストレスになりました。ドラクエらしい演出という点では良かったのですが、スキップ機能があると繰り返しのプレイがしやすいと思います。あと、ガードの使い勝手が悪くてもったいないなと感じました。パリィのスキルも使う意味がないというか、回避したほうが早い。あと、混戦になるとキツイですよね。これでもかというぐらい敵をつっこんでくるので、囲まれて身動きが取れないということもありました。

服部: ガードについては、ボス戦の飛び道具に対しては使いましたが、ボタンを押してから実際にアクションするまでが遅かったですよね。せっかく盾を買っても活躍の場がないのはもったいなかったです。

原田: 私は仲間のAIがあまり賢くないので敵の目の前で棒立ちになっていて、自分だけ必死に戦っているということが多々ありました。

栗本: 敵のヘイト管理も変でしたよね。それまでの攻撃対象に関係なく、プレイヤーが操作しているキャラクターのところに攻撃に来るので、他のキャラクターで引きつけて遠距離タイプのビアンカで撃つみたいなのがあまり出来なかったのは気になりました。

服部: モンスターののけぞりのアクションがあまり無いのも気になりましたよね。弱点の攻撃を当てたらそれなりにあるのですが、弱点の場所や種類も分かりにくかったです。


──では最後に、『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』をどんな人にオススメしたいですか?

服部: 鳥山明ファンでドラクエファンにオススメしたいですね。鳥山明のキャラクターデザインが3D化されてキレイに表現されているので、是非見て欲しいです。

栗本: アクションゲーム好きだったら、ドラクエを知らなくても楽しめると思います。ボリュームもそこそこなので、さくっと遊びたいプレイヤーにも良いですね。

原田: 誰にでも遊びやすいゲームシステムですし、難易度も高くはないのでクリアも難しくない。ドラクエシリーズをプレイしていればニヤリとさせられる場面もあったので、やはりシリーズファンにはオススメですね。モンスターを使った防衛戦など新感覚のバトルもあり、無双シリーズ好きにも良いと思います。

※「囲みレビュー」は、話題の新作ゲームや賛否両論のタイトルを1本取り上げて、実際にプレイした編集部スタッフ同士でじっくり語り合う座談会企画です。発売されるすべての作品を取り上げるわけではないのであしからず!

記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》
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