前回の「フィグライフ!」は、コトブキヤから4月に発売される「完全変形ダンボー」をご紹介しました。その最後に予告していたとおりダンボーさんとおでかけしてきました。
今回の外撮りスポットは、ヤングなITベンチャーが集まる魔境めいたコンクリートジャングル渋谷。ダンボーの目線で見た世界をお届けします。

撮影を行ったのは3月10日――アップルの発表会があった日です。時差の都合で深夜スタートだったイベントをリアルタイムに追いかけて、筆者のように徹夜した人も多かったことでしょう。
そんな徹夜明けの謎テンションで、真っ先に向かったのは渋谷のアップルストア。毎度おなじみの行列が始まっていないかと期待していったのですが……誰もいませんでした。さすがに早すぎたようなので、せっかくですしダンボーさんに一番乗りの栄誉を受け取っていただきました。こういった時事ネタを絡めたフィグ撮りというのも楽しいですよ。

渋谷の名所のひとつでもある「ハチ公」の前でも記念写真。足元にダンボーを置いて撮影していたら、海外から旅行にきた人たちも興味深そうに眺めていました。もしかして、ダンボーって世界基準でカワイイのかも。

渋谷のあちこちに花壇があることに気づきました。いつも何気なく通る道にも花が咲いていて、今回のフィグ撮りがなかったら、きっともうしばらく気づかないままだったと思います。日常では「見えているようで、見えていないもの」がたくさんあって、そういったものに目線を向ける良い機会も与えてくれる。それがフィグ撮りなのです。

やはり「完全変形ダンボー」は素晴らしいですね。想像以上です。壁や支えがなくても、単独でお座りさせることができるのは、ダンボー写真家たちにとってはめちゃくちゃ嬉しいはず。これも変形のために用意された新しい関節機構のおかげですね。
今回の撮影では、主にフィグ撮りの基礎となる「フィギュアと同じ目線からカメラを構える」を実践してきました。カメラを低い位置に構えることで、2.5次元的存在のフィギュアたちの目に映る世界が、ようやく私たち人間の目にも見えてくるわけです。人間にとっては小さな犬でも、フィギュアたちには超巨大怪獣のように見えているかもしれない。小さな川でもフィギュアたちには四万十川のように見えているかもしれません。
人間とはスケールの違う世界を楽しむ最初の鍵は、「カメラをフィギュアの目線に」にありますよ。最後はノスタルジックなダンボーさんで締めます。 次回はどんなフィギュアで遊ぶのか!お楽しみに!
(C)KIYOHIKO AZUMA/YOTUBA STUZIO