
カプコンが12月8日に発売・配信予定の3DSソフト『めがみめぐり』は、「Suica」などの交通系ICカードと連動する要素を持つなど、これまでにない切り口で大きな注目を集めているコミュニケーションゲームです。
もちろん、本作の魅力は連動要素だけでなく、新米めがみの「ツクモ」をはじめ、箕星太朗氏がデザインした可愛らしいキャラクターたちも重要な存在です。ツクモとの交流が本作の軸となりますが、惹きつけられるそのビジュアルは、コミュニケーションをより楽しく演出してくれます。

また、ツクモとの会話を支えてくれる「めがみスピークエンジン」も、本作に欠かせない大事な要素。東芝とカプコンで共同開発した「めがみスピークエンジン」により、肉声に近い音声合成での会話が現実のものとなりました。
カーナビなどの音声合成は正確さを重視されるため、感情表現は軽視・削除される傾向にあります。ですがコミュニケーションにおいては、感情はとても重要な要素。入力に対し知的に解釈して自然な応答を行うだけでなく、ツクモが見せる様々な表情に負けない豊かな感情表現が、「めがみスピークエンジン」の特徴です。
今年の9月に行われた東京ゲームショウ2016にてプレイアブル出展を実施しており、「めがみスピークエンジン」が持つ実力の一端に触れることができました。入力した名字を正しく発音する“声”の自然さを耳にした時には、ゲームが持つ表現が新たな階段をひとつ上ったと実感したほど。
衝撃を受けた技術なのは確かですが、それだけに気になるところが多いのもまた事実。先日の出展ではチェックしきれなかったアレコレを試すべく、『めがみめぐり』の特別バージョンを試遊させていただきました。
『めがみめぐり』は、ツクモを立派な“めがみ”にするため、全国9,000以上の駅を網羅した広大なマップを鉄道で巡る旅に向かいますが、今回用意していただいたのは、「めがみスピークエンジン」やツクモの魅力をピックアップした特別バージョン。ツクモとのコミュニケーションに特化した内容となっていて、様々な言葉の入力や、髪型の変更などが行えました。

まず「ヌシ様の名前を教えてください」と言われたので、今回は「インサイド」と入力。細かく切り分けると「イン」や「サイド」など別の意味になる言葉が入り交じっているせいか、一発で正しい発音にはなりませんでしたが、この『めがみめぐり』では発音の修正が可能。発音が違うと返すと、「じゃあこんな感じですか?」と、いくつかパターンを変えた発音をツクモが提案してくれます。
やり直すごとに、ツクモが新たな3パターンを提示し、近い発音がなければ更にやり直しが可能。あくまで、「ツクモとのコミュニケーションの中で正しい発音を模索する」という形で進んでいきます。そんなやり直しを経て、無事正しい発音で呼んでもらうことに成功。発声も滑らかで、不自然さを感じません。こうして、当サイトのマスコットキャラ“インサイドちゃん”ならぬ“インサイドさん”と、新米めがみ“ツクモ”の交流が幕を開けました。

「めがみスピークエンジン」の実力を試す前に、まずはこのツクモの髪型を変更。お馴染みの髪型も可愛らしいのですが、他の装いが見てみたい気持ちも隠せません。本作には200種類以上もの髪型が用意されており、その変幻ぶりも大きなポイントです。
髪型を変える際は、まず「ショート」「ミディアム」「ロング」の3系統からひとつを選択。これで、大まかな方向性を決めることができます。ですが、細かい指定などはなく、ツクモが提案する髪型をOKするか否かのみ。こちらも発音同様、コミュニケーションによるやり取りの中で取捨選択する流れとなります。
技術的には、例えばメニュー画面を出してそこから選択する方法なども可能でしょう。しかしそれでは、ただの“セッティング”になってしまいます。本作の軸はコミュニケーション。決して、ツクモを思い通りにするゲームではありません。ツクモとの交流を経て沸き上がる感情こそが、本作の目指すプレイ体験なのでしょう。

それに、自分好みの髪型を自分で設定するよりも、ツクモ自身が「ヌシ様はこういうのが好きかも」と模索してくれたのかな……と想像できる方がいいじゃないですか! “便利”だけでは味わえない刺激も、なかなかオツなものです。
今回、まずツクモが提案した髪型は、横で結んだサイドアップ。「インサイドだから“サイド”アップにしてくれたのかな?」と(完全な想像で)ニヤニヤしたものの、広報の方から「別の髪型にもしてみましょう」と強く推されて変更。
※入力している際の待機中を編集でカットしています。
YouTube 動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=Wt0Waa-8bYY

今度は「かわいい感じで」とリクエストしてみたら、ツインテールなツクモが降臨。しかも、ウェイブをかけた前髪を左右に分けた髪型です。なおツクモ曰く、「おでこを出して賢さをアピールしてみました」とのこと。“インサイドちゃん”もツインテールなので、やはりこれは、ツクモの心遣いに違いありません!(違います)

ちなみに今回の試遊には、他の編集部員も同行。もちろんプレイも行っており、それぞれ異なる髪型をチョイスしていました。縦ロールなお嬢様風や、自然に流す清楚なセミロング、輪っかを2つ作るような変形ツインテール(これもインサイドちゃんっぽい?)など、いずれも特徴的なものばかりです。



しかも他の人の髪型を見ては「ウチのツクモの方が可愛い」とか言い出す始末。まったく大人げがなく、実に困ったものです。どう考えてもウチのツクモが一番なのに! なお、いい大人たちが「可愛い可愛い」とあまりにも連呼したため、広報さんの視線がやや冷ややかになったことも併記しておきます。
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様々な形で「めがみスピークエンジン」に挑んでみた結果は、次のページでご覧ください。