発表会では、アナログゲーム制作団体「BakaFire Party」代表・BakaFire氏と、ディライトワークスプロデューサーの立山幸介氏が登壇。本ボードゲームのコンセプトや特徴など、詳細についてのトークセッションが行われました。本稿では発表会について、レポートをお届けします!

ライトノベルとボードゲームを組み合わせた“ラノボ”爆誕!?
白衣をまとった赤毛の少女が腰に手を当て、自信に溢れた様子でこちらを向いている。その後ろには、一癖も二癖もあるような美少女たちが佇む。一番後ろの位置にいる、決意に満ちた目をした女の子は、きっと本作のラスボスに違いない……。
イラストだけで様々な妄想が捗ってしまう『この天』は、タイトルもライトノベルのように長く、今風でキャッチー。一目見て、ついつい手に取ってしまいたくなるような魅力がある作品です。

制作スタッフの立山氏は、本作のコンセプトはライトノベルとボードゲームを組み合わせた“ラノボ”であると発表。BakaFire氏の過去作である『惨劇RoopeR』や『桜降る代に決闘を』を例に挙げ、同氏が作り出すキャラクターと世界観が放つ魅力を最大限に活かした作品に仕上げたかったと続けます。
立山氏の言葉通り、コンポーネントはかなりの凝りよう。それぞれのキャラクターについてのストーリーがまとめられた読みごたえ抜群の取扱説明書や、プレイの流れが記載された学生手帳などのアイテムがぎっしりと詰め込まれていました。




BakaFire氏は「ボードゲームと世界観はルールに寄り添うべき」だと持論を展開。キャラクターの性格や背景といったプロフィールを分かりやすくすることで、それぞれが持つ固有の能力をプレイヤーが理解しやすいように努めたと振り返りました。

カードを組み合わせて“超光学レンズ”を作り出し、勝利点を大量にゲット!
本作の舞台について立山氏は、「光からエネルギーを生み出す“超光学”と呼ばれる科学が発展した世界」であると紹介。最先端技術を扱う学院で、天才科学者たちが研究の成果を競い、タイトル通り学院の首席になることが目的となります。
本作の大きな魅力の1つとなっているのが、研究成果である「超光学レンズ」の作成。超光学レンズは透明なカードを重ね合わせることで作成でき、さらにはカードを上下に回転させることで効果を変化させることができます。


超光学レンズを用いることで、ゲームを有利に進めることができる様々な「エネルギー」や、VP(勝利点)を獲得することが可能となります。もちろん、最も多くVP(勝利点)を稼いだプレイヤーが勝利。そのため、カードを回転させながら様々な組み合わせを試し、強力な組み合わせ発見することが勝利へのカギとなっています。

VPは超光学レンズを用いる以外にも、キャラクターの特性を活かして獲得することもできます。本作に登場する6人のキャラクターについて、以下に紹介していきましょう。
●赤嶺ひより(あかみね ひより)
自他ともに認める天才科学者であり、本作の主人公。数多くのレンズを起動してVPを獲得できるなど、初心者にとって扱いやすいキャラクター。

●青野春陽(あおの はるひ)
ひたすらに努力を続ける秀才で、本作唯一のメガネっ娘。自身が作成したレンズを起動させることで、コツコツとVPを貯め込むことができる。

●橙堂アキラ(とうどう あきら)
表裏の使い分けがしたたかで、ボーイッシュな才人。相手プレイヤーが作成したレンズを利用しつつVPを獲得できる。

●翠川燐名(みどりかわ りんな)
チビッ子、萌え袖、メカクレなど属性モリモリでマッドなサイエンティスト。ゲーム終了時にマイナス評価になる「淀み」を利用してVPを獲得できる。

●黄昏灯純(たそがれ ひずみ)
全身からキラキラオーラを漂わせた、アイドル活動中の天才科学者。自身が持つエネルギーを相手プレイヤーに配ることでVPを獲得できる。

●白神幽(しらかみ ゆう)
一目見て「ラスボスかな?」と思ってしまうほどの迫力を持つ孤高の天才少女。マイナス評価をVPに繋げたり、相手を妨害することができるが、様々な面でハンデを抱える上級者向けのキャラクター。

キャラクターにはそれぞれ成長ツリーがあり、ゲームを進めながらキャラクターを成長させることで強力な能力が使用できるように。例えば橙堂アキラはプレイヤー間の交渉が得意だったり、黄昏灯純はリソース管理が得意だったりと、キャラクターごとにそれぞれ異なるプレイスタイルが楽しめるようです。

最後に、BakaFire氏は「このゲームは無限に遊べるような様々な広がりがあるゲームで、頭脳の閃きがスパークするようなゲームに仕上がっています。ボードゲームで新しい体験をしたい方に、ぜひ手にとっていただきたいです。クレイジーで素晴らしいゲームだと約束できる、自信作でございます。どうぞ宜しくお願いします」とまとめ、発表会を締めくくりました。

『この天』体験会の模様をお届け!
発表会の後には、『この天』の体験会が行われました。1ゲームにかかるプレイ時間は、約2時間ほど。手順は必要なトークンを獲得する「供給フェイズ」と素材の獲得や超光学レンズの作成を行う「メインフェイズ」、行動の処理を行う「終了フェイズ」の大きく3つに分かれます。


実際にプレイしてみると、様々なカードを試行錯誤しながら組み合わせ、より効率の高いレンズを作り出していく作業が面白く、クセになるような楽しさがありました。狙い通りのレンズを完成させた時の嬉しさや、苦労して完成させたレンズをまんまと相手に利用されたときの悔しさなど感情の変化が目まぐるしく、どんどんプレイに熱が入ってしまうことに……!
学園が舞台になっていることもあり、最終的に獲得した勝利点によって「可」「良」「優」などのランク付けが行われます。そのため、単なる勝ち負けに留まらず、「もっと高いスコアを目指したい」といった、次に繋がる目標が生まれやすいです。プレイヤー同士のゲームの振り返りも楽しいと同時に学びがあり、何度もやり込んでみたくなる作品に仕上がっていると筆者は感じました。


『この天』は、11月14日(土)から11月15日(日)に東京ビッグサイトで開催される「ゲームマーケット2020秋」のディライトワークスブースにて、先行販売されます。価格は5,300円で、購入者特典としてオリジナルデッキケースがプレゼントされます。
また、ディライトワークスブースの『この天』体験会に参加された方全員に、作品のビジュアルステッカー付き成績証明書もプレゼントされる予定です。


ブースでプレゼントされる成績証明書は、プレイ結果に応じて内容が変化するとのこと。本作が気になる方は、ご自身の腕試しをかねて、ぜひ体験会まで足を運んでみて下さいね!