
2019年11月のリリースから1年と少し経った『ワールドフリッパー(以下、ワーフリ)』。ハーフアニバーサリー、メインストーリー第1部完結、そして1stアニバーサリーを経て、その世界は今なお拡がりを見せています。
その拡張されていく世界を彩るのは、王道ながら深みのある物語、そして何と言っても「多様なキャラクターたち」でしょう。本作にはケモミミに人魚にロボ娘にサイボーグ等々、様々なキャラが登場します。
彼らは普通の人間とは少し違う特殊な属性を持っていますが、温かく迎え入れられ、ユーザーたちは次々と新しい世界への扉を開いています。「ケモミミから入ったけど、ロボ娘もいいな……」と言った具合に。まるで、アルクたちが様々な世界を渡り歩き、住人たちとの交流を通して彼らを受け入れていったように……。
このユーザーの動きは、ただ尖っているだけではない『ワーフリ』の絶妙なキャラ作りにあると考え、今回は開発へのインタビューを実施。いくつかのキャラを例に、そのキャラ作りの妙について伺いました。なお、インサイドでは以前、ドット絵のインタビューについても実施しています。併せてお楽しみください。
“昔ながら”からの脱却―『ワールドフリッパー』のドット絵はなぜ今風に見えるのか?
――まず『ワーフリ』ではどのような業務を担当されているのでしょうか。
開発『ワーフリ』では、プランナーのリード業務、シナリオ部分のマネージャーを担当しています。プランナー側のスケジュール等の取りまとめや、シナリオ側のキャラクターの発注や調整、人員の採用等多岐にわたりますね。
――今回、キャラクターまわりのお話をしていただけるとのことなので、早速そちらに移っていければと思っております。まず、『ワーフリ』でも屈指の人気キャラ・ディアちゃんについて、コンセプトなど聞いていければと。
開発ディアに関しては、機械の歌姫ということで、「ボーカロイド」の文脈は意識しました。メインストーリーで描かれていますが、ディア自体は、「合成音声なのに声を自由に作る事は禁じられている」というボーカロイドをひっくり返したような存在ですので、多くの着想を得ています。
また、機人の惑星は漂白されたような白い世界をイメージして作っていました。その象徴たるディアも「白いドレスを着せられたお人形」をイメージしていました。


――デザインすごいですよね。機械と少女の絶妙な融合というか、全体としては女の子の柔らかさがあるのに、要所要所でロボ感を出しているというか。
開発絶妙な塩梅ですよね。そこは担当イラストレーターの腕の見せ所ですね。
――通常版の白さに反して、ハロウィンではかなりはっちゃけていましたね。
開発すごくいい反響がありました(笑)。ハロウィンバージョンは、上記のような押し付けからの反抗、10代の女の子のはっちゃけ感をイメージしてます。ですので、あの凄い恰好はディア自身の発案なのです(笑)。担当イラストレーターも、セクシーさとかわいらしさのバランスに大分悩みながら作っていましたね。


(KOAKUMAブラックエディション、ハロウィンイベント限定)
――キャラ同士の関係性というと、やはりレジスとアドミニスターとの関わりが気になるのですが、立ち位置としてはどのようにデザインされているのでしょうか。
開発そうですね。多世界モノとして世界観設定をいくつか立てたときに、その一つとして「機械の世界」が挙がり、先述のような「漂白された世界」を望んだアドミニスター。その象徴としてのディア。レジスはそこに混じった黒をイメージして発注しました。レジスは周りからははみ出ている感じもしますが、ディアに関しては、まさしく「機人の惑星」を象徴する存在としてデザインされたと考えています。


――黒だったレジスは1stアニバーサリーの際に白い衣装を着ていましたね。
開発元々、レジスは海外の刑事モノや探偵のような雰囲気を持っているキャラクターでしたので、そこからどうアニバーサリーに向けた衣替えをしたら喜んでもらえるか考えて、あのような白いレジスになりました。
――ありがとうございます。レジスも大好きです。機人とは違う方向性の機械系として、サイボーグの方々もいますよね。
開発リリース時に制作した100体近いキャラの中に、「中間」のキャラがいないなと思ったんです。新たな世界を拡張してストーリーイベント「光彩の摩天楼」を作るにあたり、サイボーグ化したバレッタなどを登場させました。
――バレッタとラヴの関係性は非常に印象的ですが、どのように作られていったのでしょうか。
開発サイバーパンクな世界で巨大企業2社が対立しているという世界構造を先にシナリオチームで作り、そこにフリーランスの勢力を入れていきました。バレッタがフリーランスとして「自由の弾丸」という設定を与えられ、ラヴは「DayAndNight」の社長という立場に収まり、対立する中で彼女たちがどう結ばれていくのかを考えるなかで「光彩の摩天楼」の世界は作られていきました。


――彼女たちの物語はイベントとは思えないほどの豪華さでした。ちなみに、ラヴ自体はサイボーグという認識になるんですか?
開発機械化が最も少なく、最も人間に近いデザインドヒューマンにあたりますね。「光彩の摩天楼」の世界では、人間に近ければ近いほど富裕層であるという設定があります。つまり、雑多な機械化に手を出さなくても生きていけるほどの財力がある、と。ラヴはその中でも、会社(統夜企連)によって育てられてきた娘なので、機械化されている部分が少ないんです。
――いやしかし、歩けないほどだとは思いませんでした。
開発ラヴのデザインについては、車椅子に自由を奪われた女の子というイメージで制作しています。彼女のキャラエピソードでは、ずっと守られ続けて、歩くことさえ当たり前じゃない状態だとどうなるのか、というのが描かれています。実際に機能不全というわけではないと思うのですが、彼女にとっては不慣れでおぼつかない事も、これからは挑戦していくのだろうというストーリーの作りになっています。


――個人的にはキング・ジョンソンやコンダクターも気になるところで、ぜひプレイアブルとして出してほしいなと……。
開発かなり個性の強いキャラたちですからね(笑)。もし、ユーザーからの声が多ければ、そこは検討させていただきます。その場合は、ちゃんとまたステージも用意すると思うので、ご期待ください。
――楽しみにしています。特殊だなと思っているキャラとして、ホーニィとモーラがいるのですが、この2人はどのように作られているのでしょうか。
開発森の世界に相応しいキャラを……と考えて、「人間が一人残らず居ない世界」という設定があるので、人間と離れた見た目であることは重要と考えていました。
とはいえ、苦手に思う方も多いモチーフなので、先人による素晴らしいデザインも参考にしながら、そこのバランスには気をつけてデザインしてもらいました。ケレン味やエグみが強すぎると、中々食指も伸びないと思いますので。ギリギリ可愛いと思えるラインに留まっているのは良いと思いますね。


――特殊さで言えば、ドラゴン系のキャラも相当個性がありますよね。ラムスやシュルト、ヴァーグナーなど古龍系は見た目も設定も特別です。
開発アニバーサリーのイベントでも改めて触れましたが、『ワーフリ』では物語上、ただのドラゴンと古龍とは明確に区別をつけています。古龍は6匹の龍しかおらず、仮に死んだ場合も転生する設定になっています。7章に登場した聖龍ラフマーノも、一旦は役目を終えて消えましたが、もしかしたらどこかで生まれ変わっているかもしれません。その他の古龍(水、闇)についても、いずれユーザーの皆様に披露できればと考えています。
――古龍たちは非常におもしろい性格をしていますよね。
開発浮世離れした存在というのをどう表現しようかと考えたときに生まれてくることは多かったですね。特に長く生きていると、関わってくる人たちがどんどん狭まっていきます。その中で新しい場所に迎えられて、古龍の方々はどうリアクションするんだろうと考えながら作っていますね。


――デザイン的にも、各属性を象徴するようなものになっていますね。
開発実は古龍に関しては、古龍としての属性や性別以外は大きく指定せずに、イラストレーターさんに膨らませてもらっています。強大な力を持っていることを、イラスト的にどう盛ればいいのかというのが難しいところなので、イラストチームに全面協力して頂いている形になります。
――古龍以外のドラゴンだと、ファフやアプロがいますね。このような存在って、パルペブラでは「普通」なんですか?
開発パルペブラやそれを取り巻くファーランドについては、『ワーフリ』の中でも特に「一般的なファンタジー世界」に近い世界です。そういう意味では、ドラゴンと仲良くなる可能性も他の世界と比べたら高いですね。
降臨討伐で登場する「廃竜」もいますし、恐れられている存在ではあるのですが、時折人間と仲良くなるようなドラゴンもいますよ、ということで描かれています。


――廃竜の存在も気になりますね……。
開発すべての属性を出し終えたあと、どこかで廃竜の話もできればなと思っております。
――人間とは違うキャラと言うと、シロやミアちゃんといったいわゆる「獣人系」もいます。
開発二足歩行ながら少し「濃いめ」の獣人に関しては、ファンタジーモノの定番なのかなと。主要キャラには必ず入れたいと思っていて、そうして作られたのがシロでした。ゴツくてかっこよくて強いけど、強いからこそ本人の内面の弱さや立ち向かうべき逆境を描いていきたいなと。
容姿というのは、どうしても強い意味を持ってしまうものです。人間とは異なる造形であるという事は、通常の容姿に関する価値観をリセットしてくれる作用があるのではないかと、「獣人」というワンクッションを挟むことでそれを期待したという面もあります。
ミアに関しては、獣人系を見慣れている方にとってはひと目で「美少女」とわかるデザインになったので良かったなと(笑)。夏の水着バージョンも評判が良かったですね。


――濃いめの獣人が居る一方、ルナールさんやミノ、レベッカなどの「薄め」の獣人もいますよね。
開発毛色は様々あり、部分的な差異もありますが、そこは各キャラの出身地を変えて理由付けをしています。例えば、3章「大海の果て」の世界と、4章「牙の戦場」の世界とで、ケモミミ系と獣人系とを線引きしていたりしますね。
――ちなみに、「大海の果て」のキャラに獣人の要素が入っている理由って、説明されていましたっけ?
開発ルナールやアメリア、イベント「大海の遺産」で登場したルカなどのキャラですね。明確に説明はしていませんが、マリーナをはじめたとした異世界からの「漂流者」が多い事や、質量保存の法則を無視して増え続ける海水など、混ざり物の多い世界であることを示唆されるように作っています。


――なるほど。自分もキャラエピなど全てを見てはいないので、まだまだ拾えていないところが多いようです。
開発ヒントのようなものは、山程隠してあります(笑)。ゲーム好きの方の中には、設定や考察がお好きな方も多くいらっしゃると思いますので拾えるものはたくさん入れていれるようにシナリオチームでも作っていますね。
――「星喰い」の話とか、まだまだ語られていない部分がたくさんありますよね。
開発そうですね。他にも、ファーランドとパルペブラの絡みはユーザーから多くのリアクションがありまして、それをギュッとまとめたのがアニバーサリーのイベント「願え、光の継人達よ。」でした。
――他にも、獣人系とは少し離れますが、魔族系の種族もいますよね。エデュケウスや、アニバーサリーのイベントでも活躍していたアルムやアーリィなど。
開発魔族系が青系の肌であることはなぜか真っ先に決まっていました(笑)。角や羽という悪魔的なモチーフを使っていますが、「変質してしまった人類」というイメージでしたので、極端に人の形からは外れないようには考えていました。


――ちなみに、フォルスも魔族になるんですか?テキストには「魔族かも定かではない」とありますが……。
開発本人の自覚と、世界によっても呼び名が変わってくるので「本当に魔族なんだっけ?」ということは、意図的にふわっとさせています。
――7章、8章と強い印象を与えてきた魔族のキャラですが、存外人数としては少ないんですね。ストーリーに絡んでくるようなキャラだと、先の4人とイルビス、マーリィさんくらいでしょうか。
開発そうですね。ちなみに、マーリィさんには娘がふたりいるんですよね。「もしかしたら」というのはお察しいただければと思います。


――そこ拾ってくるんだ!と驚きました。
開発実は早い段階からこの設定は決められていました。
――さて、上記のような属性をもったキャラの他に、当然「人間」もいますよね。彼ら、特にリリス姫やシャクティなどについてまずお話いただければと思います。
開発シャクティはチュートリアルにも登場した魔法使いの女の子ですね。イメージとしては「人類最強のお婆さん」です。50年間、身も心も傷つきながら、それでも戦い続けているという生き様がひと目でわかるようなデザインであることを重要視していました。炎と同時に「血」も重要なモチーフですので、血を入れた試験管を身に着けていたり、戦闘中もその試験管を投げるような表現を入れています。
リリスについては、ディアと同様に彼女へ求められている役割を強く意識して制作したキャラになります。実際、彼女がどのような人物なのかは、8章を見ていただけるとわかりますが、意志の強さや凛々しさというのはデザイン上でも重視しています。


――確かに、リリス姫は「強そうな」顔立ちをしていますよね。
開発そうですね。「可憐なお姫様」とは違う表現で描かれていると思います。
――シャクティについては、ぜひ全身の立ち絵も見てみたいところです。プレイアブルとして実装されることはないと思いますし……。
開発機会があればぜひ、というところではありますね。プレイアブル以外のキャラについても、全身を用意しているキャラは何人かいますので、あわせてお見せできればと思っています。
――リリス姫とシャクティの関係性も、本当に一言では言えないというか、何と言っていいのか、難しい……。
開発(笑)。様々な反応を想定して、複雑な設定にしている面もあります。それぞれの登場人物には役割があり、彼らにとって、相手をどう見ているのかを常に意識しながらメインストーリーを作っています。シャクティからしたら、リリスは世話を焼いている姫という側面がありつつも、本当の親子のような気持ちを抱いていることもあり、8章のラストではあのような展開になったりもします。精神的な側面、実質的な側面、他者から見た側面と、キャラごとに綿密に組んでいますね。


――それが各ストーリーで見えてきて、一概に「こういう関係です」と言えないのが『ワーフリ』のすごく良いところですよね。
開発味わい深い作りになってるなと、個人的には思いますね(笑)。
――そしてやっぱりアルクとステラについてもお聞きしたいのですが、このふたりはデザイン上どのようなことを意識して作られているのでしょうか。
開発アルク自体は、「個性を持ちながらもそれを目立たせない」という難しい前提を実現しようとしたキャラです。実際、ジャケットのデザインを見てみると、結構個性的なんですけど、他のキャラと並べると大人しく見えるという絶妙なバランスになっています。彼自身がそれを表に出さない性格や立ち回りになっているというのもありますね。
ステラはそんなアルクの対比となるように、「ファンタジーっぽいけどどこかSF感もある」という少し浮いた存在にしようと作られています。一方で、彼女は各世界のキャラにとっては「受け手」となる存在でもあり、他のキャラよりも目立たないようにしています。ここもやはり難しいところだったなと思っていますが、イラストレーターにもかなり付き合ってもらい、うまい具合に収まったかと感じています。


――「目立たないように」ということですが、本当にあのふたりは謎が多くて。
開発まだまだ出してないことはたくさんあります。アルクとステラと上位者たちとは、という話をするために、前フリをしっかりさせていただいたので、そこは今後にご期待ください。
――アルクに関しては、1stアニバーサリーで料理中の姿が描かれましたね。
開発ずっと鎧姿のアルクを見てきたわけですが、この姿で料理はしないよなと(笑)。ゲーム内の4コママンガなどでも、料理できるアルクは描かれてきたので、そこを少し広げてみようかなと。
――アルムと一緒に描かれてるのがまた……。ある意味、『ワーフリ』のメインストーリーを象徴するエモーショナルな一枚だなと。
開発そう言っていただけると嬉しいですね。ストーリーでアルクが「慣れていないだけ」と言ったり、最初は怖いと思っていたシロを受け入れて好感を持っていく姿など、感情表現は気をつけて作っています。初対面では見慣れなくても、一緒にいる内に違和感がなくなり、やがて自然に受け入れられるようになり、さらに相性次第では好感を持つようになる―という体験は非常に気持ちがよく、豊かなものだと思っています。いわゆるプレイヤーという存在は『ワーフリ』の世界にはいないのですが、アルクたちを通して追体験してもらいたいと思ってストーリーを組み立てました。


――そういう話ですもんね、『ワーフリ』……。
開発すごくシンプルに言うとそうですね(笑)。人間讃歌というか、他人に対して「それでもいいじゃん」と言えるところであったり、諦めるならもう少しやってみたらとか、様々な角度ではありますが。ただ、あまり彼らが押し付けているようには見えないように気を使っています。
――「他者を受け入れながら自分自身を見つけていく」というのがユーザー側にも段々と刷り込まれていく気がします。あまり趣味じゃないキャラでも、エピソード読んでみたらすごく好きになったり、意外とこういう属性のキャラも好きじゃん、と気付かされたり。
開発ありがとうございます。
――それと、ちょっと個人的なところなのですが、メガネっ娘が大好きでして。『ワーフリ』にはたくさんメガネっ娘がいますが、スズカだけでいいのでお話を伺えればと……。
開発スズカは「ギャップを作りたい」というところから生まれたキャラですね。「くのいち」でメガネをかけてるってすごくリスキーじゃないですか(笑)。任務中にメガネを落としたらどうするんだろう?という疑問からキャラクターが作られていきました。ドジっ娘なのに仕事はできて、さらに抜け忍になっちゃうんだ、というギャップを楽しんでもらえるように意識はしていますね。


――アニバーサリーハナビのキャラエピで「鎖鎌は足に引っ掛けると死ぬよ」というような話がありましたが、ハナビとスズカってもしかして知り合いだったり……?
開発「もしかしたら知ってるかも」という形にはなっていますね。ハナビも同じ「くのいち」なので、鎖鎌を使うような流派があることは知っているだろうと、ギリギリ触れています。
――ありがとうございます。ちなみに、キャラ同士の関係性は予め決められているのでしょうか。ハロウィンイベントでファルチェとコリーナが仲良しというのがわかったときは驚きました。
開発いくつかパターンはありますが、ファルチェとコリーナの関わりについてはハロウィンのタイミングで新しく設定しました。コリーナは孤児院のシスターで、ファルチェは遺品を届ける役を担っているとなると、紐づくものはありますし、ふたりとも同じ世界の住人なので、見知っているだろうと。リリースして1年経っているので、知られているキャラの中から仲良くなりそうなふたりを選定し、ライターに関係性を作ってもらいました。
予め関係性が作られているもので、まだ出していないキャラももちろんいますし、キャラエピソードを見てもらうと気になる点もたくさん散りばめられています。なるべくその辺りも織り交ぜながら、期待に応えられるようなものを作っていければと思っていますね。


どちらもハロウィンイベント時のもの
――結構匂わせてるキャラいますよね。今後のイベントやメインでの回収に期待しています。
開発2部の予告でも「ギルドナイツ」というワードが出たりしましたね。全てを約束できるわけではないですが、キャラエピでもイベントでもメインストーリーでもどんどん回収できればと思っています。
また、先程メガネっ娘の話もありましたが、シャ・ススやプ・リリエ、マ・ルルシャ等小さいけれど子どもではないキャラ、シープシッパーと呼ばれる彼女たちがどうなるのかも、メインストーリーで少し描こうと思っているので、楽しみにしていただければと思います。


――楽しみです。キャラについてですが、フルネームや身長、年齢などは決められているのでしょうか。一部明らかになっているキャラもいますが。
開発イラストの発注にも必要になるので、年齢や身長に関しては大まかに決められていますね。細かく決める際は、時代設定などのキーになってくるので注意しながら決めています。
フルネームに関しては、家柄などからその世界での役割が重い場合は、フルネームが決められていることが多いですね。他にも、「ワの国」のキャラは江戸や平安がモチーフとなっていることもあり、ソウシロウやスイゼンなどフルネームを明かしているキャラが多くいます。
細かい設定に関しては、ユーザーからのフィードバックが多ければ、設定を詰めて出していきたいですね。キノは1stアニバーサリーの際に出したりもしましたが(笑)。


――キャラの切り口はどういったところからインスピレーションを得ているのでしょうか。
開発様々ですが、主にメインライターと発注担当で内容を詰めていて、既にある世界をベースに他でも受け入れられているモチーフとなるキャラを、『ワーフリ』に落とし込むとしたらどうなるか?という軸で考えるパターンと、人物像から「こういう性格のキャラクターにはこんな武器を持っていて欲しい!」という所から、その武器が成立するならこの世界の住人だ、というような先ほどとは逆算で考えるパターンの二通りが多いですね。
――『ワーフリ』って、本当にいろいろな属性のキャラがいて、新しい扉を開くための入門用にすごく良いタイトルですよね。ロボ娘から入ったけど、ケモノ系もいいな……みたいな。
開発そういう話はよく聞きますね。『ワーフリ』には多様な属性を持ったキャラが登場しますが、ものすごく際どいとか、エグみが強いわけではないので、おっしゃるとおり入口としては丁度いいのかなと思いますね(笑)。
――ある意味、ユーザーがそのような楽しみ方をすることって、最初から想定されていたんですか?
開発半分は狙って、半分はユーザーの想定以上の温かいリアクションに驚いていますね。多世界モノを作る上で、各世界にどのようなキャラが居るのだろうというところから、キャラ作りを進めていきましたが、なるべく「世間のイメージに寄り過ぎない」というのは意識していました。
要素としては、みなさんが知っているもの、馴染みのあるものを参考にしていますが、『ワーフリ』世界の住人としてバランスを取るということをとても大事にしています。ひとつひとつイラストレーターに作ってもらったデザインに『ワーフリ』の世界の住人である意味を持たせていくため、小さい意匠や、身体的な特徴一つ取ってもイラストレーターさんが汲んでくれた要素を他のキャラを制作する際にも展開する事で、その世界の規範や種族を表現しようと心がけています。


――本当にありがとうございます、という感じです。では最後に、締めの一言をいただければと。
開発本当に想定外の温かさで迎えられていますが、その声援に応えるべく、『ワーフリ』の良さをお届けできるようにチーム一同、気合を入れて作っています。まだ育てていないキャラがいましたら、ぜひキャラエピを読んでいただいて、「聞き覚えのない名前のキャラがいる」など気づいたら、ちょっと覚えておいてもらえると楽しみ方が深まっていくと思います。今後ともよろしくお願いします。