
『遊戯王』では、ほとんどのカードにフレーバーテキストが存在しません。ですがイラストをよく観察すると、その背景にあるストーリーが浮かび上がってくることも。今回は「成金ゴブリン」のイラストに着目し、波乱万丈な運命を振り返っていきましょう。
昔々あるところに、一代で大儲けした成金のゴブリンがいました…

すべての始まりとなったのは、魔法カード「成金ゴブリン」。“成金”という言葉の通り、カードイラストには貧者にお金を拾わせ、悦に入っているゴブリンの姿が描かれています。しかし、彼の栄光は長くは続きませんでした。

「大暴落」のイラストでは、「自社株」といった文字が崩れ落ちるのを背景に、白目をむいて悲鳴を上げるゴブリンの姿が。おそらく多額を投資していたものが“大暴落”したことにより、大損したのでしょう。また「バブル・クラッシュ」のイラストでは、バブルが弾け呆然と立ち尽くす様子も描かれています。

その後のゴブリンの姿だと思われるのが、「セカンド・チャンス」のイラスト。“元・成金”の彼が、豪奢な服に身を包んだ男の落としたお金をせこせこと拾っていました。
よく見ると服や王冠もボロボロになっており、貧者に身を落としたことが明らか。かつてとは逆にお金を拾う側となったゴブリンの姿には、「驕れる者は久しからず」という言葉を思い出してしまいます。