
『遊戯王OCG』ではフレーバーテキストだけでなく、カードに描かれたイラストでもバックストーリーが表現されています。中でもドラマチックなのが、「失楽の堕天使」に示されている物語。とある天使がたどった、波乱万丈な運命を振り返っていきましょう。
堕落していく女性の姿
「失楽の堕天使」といえば、「堕天使」テーマに属するリンクモンスター。しかし、元々彼女は全く違うジャンルのカードに登場していました。
それは「禁じられた聖杯」「禁じられた聖槍」などの、いわゆる“禁じられた〇〇”シリーズの魔法カード。「禁じられた聖杯」のイラストには、禁じられているはずの聖杯で飲み物をあおる、ふてぶてしい表情の女性が描かれています。実は彼女こそ、後に「失楽の堕天使」となる人物でした。

そもそも前提として、“禁じられた〇〇”というからには、当然“禁じる者”が存在しているはず。それが誰かというと、「神の宣告」を始めとするカウンター罠“神の〇〇”シリーズに登場する神だと考えられます。

推測の根拠となるのは、“神の〇〇”シリーズの「神の忠告」。カードイラストには神から忠告を受ける人物が描かれていますが、その髪飾りは“禁じられた〇〇”に登場するふてぶてしい女性とそっくり。すなわち「神の忠告」は、禁じられたものに手を出した女性(天使?)に対して、神が忠告を与えている場面だと推察できます。
