
これが昭和の婚活…なの!?
1985年9月27日にジャレコから発売されたファミコンソフト『シティコネクション』は、スピード狂であるカリフォルニア生まれで15歳の美少女クラリスが、理想の男性を探し求めて愛車のクラリスカー(シティ)で世界中のハイウェイを爆走する姿を描く塗りつぶしアクションゲームです。無免許なことも手伝ってか、ゲーム中では各国のパトカーが行く手をさえぎります。
この時期はファミコン本体の発売からまだ約2年というところで、クラリスは「ファミコンソフト初の人間女性主人公」でもあります(人間以外も含めるなら、本作の1週間前に発売された『プーヤン』の主人公がブタのお母さんでした)。
また、本作発売の少し前とある1980年代初頭には大手自動車メーカー・ホンダが生み出したシティの販売が始まりました。若者のライフスタイルに寄り添う省エネ設計や「クルマはかっこいいもの」という既成概念をくつがえすキュートなフォルムなどが幅広く受け入れられ、シティは一躍ブームに。車に興味があるわけではなかった筆者(当時小学校低学年)ですら、シティの名前とフォルムは認識しているほどでした。


それを15歳の美少女が豪快かつ爽快に乗り回すビジュアルは、そんな当時のブームを受けて生まれたものなのでしょう(無免許ですが)。プレイヤーが操作するシティの挙動が、かわいらしくコミカルなものになっていることにもブームの一端がうかがえます。
今日でも手軽に親しめるさまざまなクラリス
ファミコン版、および移植元となるアーケードゲーム版でクラリスが登場するのはステージクリア時のリザルト画面くらいでセリフもありませんでしたが、当時としてはそれでもインパクト十分。2022年現在、ジャレコのIPを保有する株式会社シティコネクションや、同社によるゲームブランド・クラリスゲームスや音楽レーベル・クラリスディスクは本作が名称の由来となっています。
そして時代は下り、2004年にはジャレコが携帯電話(フィーチャーフォン)用アプリとして『シティコネクション・ロケット』をリリース。国連エージェントとなったクラリスがさらに改造されたクラリスカーを駆って悪の秘密結社に奪われた機密書類を回収して周るゲームになっています。漫画家/イラストレーターの脳みそホエホエ氏がクラリスをキュートにリファインしており、筆者はこちらも強く印象に残っています。



また、PC/PS4/スイッチで発売されているシューティングゲーム『ゲーム天国 CruisinMix Special』には、自機(プレイアブルキャラ)としてアーケード版のイメージをそのまま引き継ぐクラリス(真)が登場しているなど、今日でもさまざまな姿のクラリスを楽しめます。
ファミコン版『シティコネクション』はファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineとレトロゲーム配信サービスのプロジェクトEGGで配信中です。PS4とスイッチではアーケード版の移植作品が、さらにスイッチでは本稿で紹介した『G-MODEアーカイブス+ シティコネクション・ロケット』も配信中です。また、スマートフォンでもアーケード版をベースにした基本無料アプリ『シティコネクション クラシック』が配信されています。
