格闘ゲームといえば、コマンドが難しいという印象がありますよね。例えば『ストリートファイター』シリーズの波動拳なら、キャラクターが右向きの時に、下、右下、右とレバーを動かしてからパンチボタン。昇竜拳なら、右、下、右下、そしてパンチボタンとなります。これを試合の中で自在に使いこなすとなると、やはりそれなりに練習が必要かもしれません。そのせいで、格闘ゲームは気軽に始められないと言われていますが、2023年に発売を予定している『ストリートファイター6』では、そんな状況が一変し、誰でも遊びやすくなるかもしれません。
■まるでスマブラ!?必殺技ボタン1つで波動拳が出るモダンタイプ

続々と『ストリートファイター6』の情報が解禁され、格闘ゲーマーの間ではにわかに盛り上がっていますが、その中で今回特に注目して欲しいのが、操作タイプです。従来型の「クラシックタイプ」操作は、パンチボタンと、キックボタンに、それぞれ弱、中、強の3種類があり、6ボタンで操作します。当然、必殺技を出す場合は、前述のように方向キーとの複雑な組み合わせが必要です。
一方、今回新たに追加されたもう1つの操作方法「モダンタイプ」では、パンチボタンとキックボタンの区別はなく、弱、中、強の3種類の攻撃ボタンと、さらに必殺技ボタンがついています。なんとこの必殺技ボタン、例えばリュウを使っている場合は、ポンと押すだけで勝手に波動拳を撃ってくれます。必殺技ボタンだけを押せば波動拳、前と必殺技ボタンなら昇竜拳という具合です。
これ、何かの操作に似ていると思いませんか? そう、『スマブラ』ですよね。『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に登場しているリュウやケンなどの格闘ゲーム出身キャラは、『スマブラ』の中では特例的に波動拳や昇竜拳などの必殺技を格闘ゲームのコマンド入力で出すことができますが、今度は逆に、本編の『ストリートファイター6』の方が、スマブラ的な簡易入力に対応した形になります。
これなら、波動拳を撃って、それをジャンプでかわして攻撃してくる相手を昇竜拳で落とす、というような華麗な戦い方が誰でもできそうです。でも、それだけではありません。
■スーパーアーツも自由自在、コンボはボタン連打!

『ストリートファイター6』には、スーパーアーツ、クリティカルアーツといった、ゲージを使った大技、いわゆる“超必殺技”的なものが存在します。本来であればコマンドもさらに複雑になるのですが、これも、モダンタイプであれば簡単です。必殺技ボタンと方向キーの組み合わせに、強攻撃ボタンを一緒に押すだけ。例えば、方向キーを下にいれ、必殺技ボタン強攻撃ボタン同時押しすれば、リュウのスーパーアーツである真・昇竜拳を繰り出すことができます。
さらにさらに、まだあるんです。格闘ゲームの華といえば、コンボ。いくつもの技を連続でつなげて相手を倒せたら気持ち良いですよね。そのコンボを複雑な操作なく誰でも簡単にできる仕組みが、アシストコンボです。実は、「アシストボタン」というものがまた別にありまして、このアシストボタンを押しながら攻撃ボタンを連打すると、それだけで勝手にコンボをしてくれるようなんですね。しかも、ちゃんと最後は必殺技や、スーパーアーツまで繋げてくれます。アクションゲームのような感覚で、誰でもかっこいいコンボが決められるというわけです。
■初心者入門用のモードでは終わらない

開発者のインタビューなどによると、モダンタイプは、単なる初心者用のお試しモードではなく、やりこむことでちゃんと戦っていけるよう調整するとのこと。また、モダンタイプを選んでいても、例えば、下、右下、右と攻撃ボタンの組み合わせで波動拳を出す、というようなこともできるようです。慣れてきたら、咄嗟の対空は必殺技ボタンで昇竜拳を出して、波動拳の強弱の打ち分けはコマンド入力をする、というような戦い方もできそうです。
また、モダンタイプの操作のもうひとつ良いところは、パッドでの操作が抜群にやりやすくなることでしょう。格闘ゲームを遊ぶ人は、いわゆるアーケードスティックを持っている人も多いですが、ソフトの他に周辺機器まで必要となると初心者には大変ですよね。しかし、モダンタイプであれば、必殺技でも、コンボでも、それほど忙しく複雑にボタンを押さなくてよいので、パッドでも楽々遊べそうです。
『ストリートファイター6』はシステム面でかなり練られていて、プロのeスポーツプレイヤーからも、奥深い駆け引きが楽しめそうだと期待を集めています。一方で、誰でも簡単操作ですぐに楽しめる間口の広さを同時に実現しようともしています。遊んでみたいけど格闘ゲームは難しそうだからとあきらめていた方は、これを機会にデビューを考えてみるのもいいかもしれません。