今では世界中で人気を集める日本の漫画作品。ここ数年では、「金色のガッシュ2」や「シャーマンキング」の再アニメ化など、2000年代に人気を博した作品の続編やリメイクなどが多く登場しています。
そんな中、スクウェア・エニックスが8月4日から配信を開始したのが、スマホ向けシミュレーションRPG『鋼の錬金術師 MOBILE』(以下、『ハガモバ』)です。
◆ライトファンからガチ勢まで引きつける『ハガモバ』にドハマリ

「鋼の錬金術師」といえば、2001年から2010年にかけ「少年ガンガン」で連載していた少年漫画。全盛期の人気は特にすさまじく、最終回の掲載された「少年ガンガン」2010年7月号は全国で完売が相次いだたため、同年の9月号に最終回を再度掲載したほどでした。
このブームによって「ハガレン」を知った筆者も例外ではありません。自分は原作を一読しただけという超ライトファンですが、その後「ガンガン=ハガレンの載っていた雑誌」と認知する程度には、本作を堪能していました。
そのハガレンがアプリになった。しかもなかなか出来も悪くないらしい。そんな噂を聞きつけ軽い気持ちでダウンロードしたところ、気付けば10数時間もプレイするほど熱中してしまったのです。
というわけで、今回は『ハガモバ』の作品について、まとめて見たいと思います。ライト層からガチ勢まで十分に楽しめる『ハガモバ』、見逃すのはもったいないですよ!
◆このグラフィックはなんだ!?コンシューマーゲームと勘違いしそうな作り込み

プレイしてみて1番驚くのは、ゲームとしての作り込みでしょう。何しろ主人公の「エドワード・エルリック」や「アルフォンス・エルリック」といった戦闘で使用できるユニットは、それぞれ3Dモデルで表現。メインストーリーのPVなどは、ボイス付きで再現されています。ちなみにPVで登場するモブなども3Dモデルで表現されます。


また戦闘場面も3Dモデルを使用。特に必殺技を発動した際には、ド派手な演出付きのアニメーションが流れます。「ラスト」戦の名台詞も飛び出す「ロイ・マスタング」の必殺技など、ファンの喜ぶ要素を押さえているのも実にすばらしいです。

キャラクターボイスは、2009年から放送したアニメ版「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」に準拠。もちろんエドやアルなどは、長年おなじみの朴璐美さんや釘宮理恵さんが演じます。
一方で、高い人気のある「マーズ・ヒューズ」初め、やむを得ない事情から声優が変更されているキャラクターもいます。が、そういったキャラクターたちには新たなキャストを選出。例えば、そのヒューズは津田健次郎さんが演じています。

その上、メインストーリーでは作中のストーリーに沿ったシナリオを丁寧に展開。マイナーキャラもしっかり名前付きで登場するので、原作をうろ覚えな人も「こんなシーンあったなー!」と思い出しながら、楽しく遊べるでしょう。
◆戦略性と手軽さを両立した戦闘システム

無論、『ハガモバ』のクオリティーが高いのはアニメーションだけではありません。戦闘システムの部分もよく練り込まれています。
本作では、ガチャなどで入手したユニットをステージごとに編成。出撃したユニットで、敵の撃破や特定ユニットの護衛などを行います。『スパロボ』や『ファイアーエムブレム』なども採用している、定番のシステムですね。

驚くようなシステムでこそないですが、それをちゃんと面白くなるまで煮詰めたのが『ハガモバ』。各ステージの敵は数も質もそこそこ高めなので、できるだけダメージを受けないよう、範囲攻撃や遠距離攻撃を持つユニットをうまく活用しなければなりません。また、回復ユニットもとても重要です。

ユニット編成からスキルの使用タイミング、それにどの敵キャラを攻撃するかまで、思案すべき要素はさまざま。その分、狙い通りの展開に進んだときの快感は大きいです。

●キャラ育成は結構お手軽!

一方でクリアできないときには、キャラ育成が頼りになります。強化方法としてはレベル上げや特定のステータスを伸ばす「記憶印影」などありますが、強化に使う多くのアイテムは、特定のステージを周回することで入手できます。
そのため、コツコツストーリーを進めていけば、ガチャを引かなくてもキャラクターを強くできます。一度クリアしたステージは、自動で周回できる要素もあるため、時間のかかるシミュレーションバトルを繰り返しやらなくて済みます。
このように、『ハガモバ』では高いゲーム性を持ちつつも、誰でもクリアできるように作られています。
◆ファンからの高いハードルを見事飛び越えた『ハガモバ』に今後も期待!

『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』のように、社会的なムーブメントを巻き起こした『鋼の錬金術師』。それだけに、往年のファンはこのアプリを楽しみにしつつも、その出来に対して厳しい目を向けていたことでしょう。
しかし『ハガモバ』では、作中の空気感やシナリオを再現しつつ、高いゲーム性を両立。キャラゲーという括りを外しても、なお面白いと感じるほどの作品でした。おかげで自分もアニメ版を視聴し始めるなど、今更ながらハガレンを見返し、その面白さを再確認しています。

すでに作品中盤以降のキャラも登場しているため、今後どのように新キャラやストーリーを進めていくのか、いささか不安にも感じています。が、『ハガレン』という作品に対して、これ以上ないほどの熱意とリスペクトを感じるのが『ハガモバ』でしたら、きっと乗り越えてくれるでしょう。
個人的には外伝的なオリジナルストーリーや、他の有名漫画作品とのコラボなどを期待しています!