
“イカ”をテーマとした独創的な世界観で親しまれている『スプラトゥーン3』ですが、実は同作にはちょっとしたヒミツが。古今東西の作品を元ネタとして、パロディと思われる表現がいくつも盛り込まれているのです。
名作映画からのオマージュ
最近話題になったのが、「サーモンラン」をめぐるパロディ要素。同モードでは仲間とミッションをこなすことで、働きに応じた報酬を受け取れるシステムとなっています。
そして報酬の中には、一定期間で切り替わる「今月のギア」というものが存在。9月には「イトヨリキャップ」、10月には「シカイバイザー」が登場しましたが、いずれも名作映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズが元ネタだと言われています。それぞれ劇中にあったマーティの帽子、ドクのサンバイザーに見た目が似ているのでした。


また、名作映画からのパロディは他にも。ゲーム内のブキにはさまざまな「スペシャルウェポン」が設定されていますが、「サメライド」の挙動にはどこか見覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。

巨大な乗り物にまたがったまま疾走し、最後は直角にスライドしながら急停止…。そのスタイリッシュな姿は、日本が世界に誇るアニメ映画「AKIRA」のオマージュだというウワサ。たしかに映画の冒頭で、主人公の金田正太郎が真っ赤なバイクをスライドさせる姿と、ポーズがとても似通っています。
映画だけじゃないイカした元ネタ
『スプラトゥーン3』のオマージュ元は、映画ばかりではありません。ネタバレになるため詳細は伏せますが、ヒーローモードでは、任天堂の名作ゲーム『スーパーマリオサンシャイン』からのセルフパロディがあると言われています。
また同作の主な舞台となる「バンカラ街」には、ややマニアックな漫画のオマージュが隠されていました。ロビーの前の階段をまっすぐ降りていった街の一角、そこには“目”が描かれた看板がいくつも並んでいます。

分かる人には分かるでしょうが、これは日本漫画史の鬼才・つげ義春による代表作『ねじ式』から、「目医者ばかり」の街角をオマージュしたものでしょう。
そのほか、試合を終えた後には、リザルト画面の上部に黄緑色をした“謎のバケモノ”が映り込むことでお馴染み。これはヨコノリ系ブランド「SANTA CRUZ」の有名なデザイン「スクリーミングハンド」を想起させられます。

多様なジャンルを横断しつつ、それらの表現を独自の世界観に落とし込んでいるのが『スプラトゥーン3』のスゴイところ。おそらくはまだまだオマージュが隠されているはずなので、ちょっと意識して探してみてはいかがでしょうか。