
発売から1周年を迎えた『遊戯王 マスターデュエル』。それに合わせるよう、今回新たに追加されたのが、強力テーマ「スプライト」です。
マスターデュエルでの環境を壊さないため、導入前から積極的な規制が行われましたが、そのパワーは健在。というより、猛威を振るっていると言って良いでしょう。
今回はそんなスプライトについて解説したいと思います。
◆そもそもスプライトとは?

スプライトは、OCGで2022年4月に登場した雷族のテーマデッキ。テーマとしては、レベル2やランク2、リンク2のカードに関連する能力を持っています。
低レベルモンスターが中心なだけに、比較的ステータスは低め……なのですが、その他の能力が非常に強力なため、紙の環境を一時期席巻しました。
わかりやすく強いのが「スプライト・ブルー」。こちらは特殊召喚したとき、スプライトと名の付くモンスターをサーチできます。

◆特殊召喚が容易な割に能力が強すぎる!

で、何が強いの?という話ですが、とにかくテーマ全体での特殊召喚のしやすさが異常です。何しろスプライトのメインデッキに入るモンスターは、フィールドにレベル2・ランク2・リンク2がいると特殊召喚できるのです。
つまり前述した「スプライト・ブルー」を特殊召喚しすれば、サーチした後続を特殊召喚可能。そのモンスターを特殊召喚することでまた能力を発動し……と次々に効果を使用できるのです。

その上「ギガンティック・スプライト」や「スプライト・スターター」を使えば、デッキから直接リクルートすることも可能!特に「ギガンティック・スプライト」は、レベル2モンスターならスプライトだけでなく何でも特殊召喚できます。どうやら、数年前に「M.X-セイバー インヴォーカー」が禁止になったことを完全に忘れているようですね……。

◆事故らない上、妨害効果も強力!

おかげで、巷では「レベル2の増殖するGが初動になる」と言われており、それが概ね事実となっています。また「スプライト・レッド」「スプライト・キャロット」は、フィールドにいるレベル2・ランク2・リンク2のモンスターをリリースして、魔法・罠やモンスター効果を無効化できます。この2体を展開して敵ターンの妨害を行いましょう。

さらに「スプライト・レッド」「スプライト・キャロット」は、ランク2・リンク2をリリースした場合、無効化したカードを破壊できる効果まであります。エクストラデッキのモンスターをリリースするのは、大変に感じるかも知れません。

が、それを解決するのがリンク2の「スプライト・エルフ」。こちらはお互いのメインフェイズに、自分の墓地のレベル2モンスターを蘇生できる上、相手フィールドにモンスターがいれば、ランク2・リンク2も蘇生できます。
なぜ、相手ターンまで効果を使えるようにしたのかさっぱりわかりませんが、必要に応じて妨害用の素材を揃えると良いでしょう。もちろんスプライト・ブルーを蘇生してアドを増やすのも良いね!
◆とはいえ戦い方はそれなりにある……はず

この他、自分のターンに「I:Pマスカレーナ」を特殊召喚しておけば相手ターンでリンクできるとか、場に「増殖するG」があるとき「鬼ガエル」を持ってくれば手札に増Gをサーチできるとかありますが、もう十分強いのはわかっただろうし、ええやろ。

効果をじっくり見ていると、思わず『マスターデュエル』自体を閉じたくなるほど強い「スプライト」テーマですが、ありがたいことに、そこまで遊戯王は甘くありません。私自身回しながら思いましたが、弱点らしきものはあります。
どのテーマにも当てはまりますが、まず1枚の誘発ならばそこまで苦にならないものの、複数の誘発をぶつけられるとそれなりに動きが止まります。そして元々のステータスが低いため、盤面の妨害札が無くなると、あっさりフィールド突破されかねません。

特に警戒したいのが「PSYフレーム・γ」。こちらは効果発動したカードを「無効にして破壊」するため、ギガンティック・スプライトなどに打ち込まれると、盤面が空になる可能性があります。

また先行に比べ、後攻は「相当な強さ」位に収まります。特に先行で「センサー万別」「御前試合」を貼られた場合、かなり動きにくくなります。他のデッキにも刺さるカードなので、自分のデッキとも比べ、可能なら入れておくと良いです。

おそらく今月は猛威を振るうだろうスプライト。しかし、追加の制限をもらうことはほぼ確実。今の内に動きを理解しておいて、復讐のための牙を研いでおきましょう!
……しかし、ホントに「餅カエル」が禁止になっていて良かったですね。何しろ、これがあるとスプライト・エルフの蘇生により2妨害が追加されるので……。