■天井あり、しかも持ち越しも……? 予想以上に優しかった『勝利の女神:NIKKE』のガチャ
こうした“嬉しい裏切り”は、『勝利の女神:NIKKE』を遊び続けると随所に見つかります。心地よい効果音や演出の支えもあって、シューティングバトルは手ごたえ十分。敵が手ごわくて行き詰った時も、編成するニケを入れ替えて新たなシナジーを見つけたり、敵を倒す順番を変えたりといった試行錯誤もまた、遊び甲斐のあるひとときです。
一方で、十分な戦力がある場合はオート射撃をONにして任せられるのも、嬉しいポイントのひとつ。また、バトルはSTGですがベースのジャンルはRPGなので、どれほど腕が立つ人でもニケを育成しなければ先に進めません。その意味では、テクニックによるプレイヤー間の差は、純粋なアクションゲームやSTGほど大きくないので安心してください。

また、さきほど挙げた“予想しなかった裏切り”として、課金要素もこれに当てはまります。改めて言うまでもありませんが、基本無料のゲームはお金を払わずに遊べるものの、なんらかの形で収益を得る手段が盛り込まれています。
「広告の表示」という手もありますが、同じくらいポピュラーなのが「有料アイテムの販売」。いわゆる課金要素です。ゲームによっては、キャラクターの獲得や便利なアイテムを入手するための手段として課金要素を置く場合が多く、『勝利の女神:NIKKE』もこのパターンに当てはまります。
本作の課金要素は、コスチュームやパス、アイテムなども対象ですが、ニケを獲得できる「募集」(いわゆるガチャ)に必要な「ジュエル」の入手が大きなウェイトを占めています。
このジュエルやガチャを回せる「チケット」は、プレイするだけでもらえますが、その数は限られており、その範囲で欲しいニケが手に入るかどうかは運次第。惜しくも届かず、それでも今すぐ欲しい場合、課金要素に手を出すしかありません。
……という大まかな流れは、他のゲームにも共通している部分なので、『勝利の女神:NIKKE』が特にどうこうという話ではありません。しかし、この課金要素を細かく見ていくと、ちょっと驚かされます。

まず、キャラクター(本作の場合はニケ)をガチャで引くゲームの場合、最高レアを引く確率は作品によってまちまちですが、最高レア全体の排出率は1~3%程度、その中でピックアップされているキャラがいる場合は0.5~1%くらいの確率に設定しているゲームが多めです。
例えば『ウマ娘 プリティーダービー』の場合、最高レアの★3育成ウマ娘全体の排出率は3%、そしてピックアップされている★3ウマ娘は0.75%。『Fate/Grand Order』なら、最高レアの★5サーヴァント全体が1%、ピックアップの★5サーヴァントが出る確率は0.8%となります。(記事執筆時点で行われているガチャの場合)
こうした数字が並ぶ中、『勝利の女神:NIKKE』の場合、最高レアのSSRニケを引く確率は4%。あらゆるゲームよりも、とはさすがに言えませんが、一般的なガチャよりもやや高めの数値が設定されています。
またピックアップされているニケの排出率は、大半のガチャで2%。一部特殊なニケのみ1%まで絞られますが、こちらのケースは1年を通しても片手で数えられる程度。大半は2%で設定されていますし、1%の場合でも他のゲームと比べて特段低いわけではありません。

しかし、『勝利の女神:NIKKE』のガチャで特筆したい点はむしろここから。ピックアップされたニケを狙う「期間限定募集」を1回行うごとに、「ゴールドマイレージチケット」(以下、金マイ)が1枚もらえます。
この金マイを200枚貯めると、ゲーム内のショップでピックアップされたニケと交換可能。つまり、どれだけ運が悪くて外れ続けても、ピックアップガチャに200回挑めば確実にピックアップのニケが入手できるのです。

これは、いわゆる「天井」と呼ばれるシステムの一種で、存在自体は珍しいものではありません。さきほど名前を挙げた『FGO』や『ウマ娘』にも、天井に達すると対象を得られるシステムがあります。
ですが『FGO』や『ウマ娘』の場合、天井はそれぞれのガチャと紐づいています。一方『勝利の女神:NIKKE』は、例えば「A」というキャラを狙って金マイを200枚手に入れたとして、その次にピックアップされた「B」という別キャラの獲得に、以前手に入れた金マイを使えるのです。

金マイを貯め込んでおくだけで、ガチャに登場する新ニケを確実に入手可能。基本無料ゲームに良くある、「絶対欲しかったのに、手に入らなかった……」という悲劇とは無縁でいられます。
「ガチャ」の確率は比較的高めで、持ち越し可能な天井要素「金マイ」の存在もあるなど、課金要素もいい意味で裏切ってくれた『勝利の女神:NIKKE』。この金マイがあるから(=気に入ったピックアップのニケを確実に手に入れられるから)安心して遊べる、といった声も多く聞きます。